フォード、「クーガ」をフルモデルチェンジ、パワートレーン刷新

　フォード・ジャパン・リミテッドは、コンパクトSUV「クーガ」をフルモデルチェンジして9月に発売する。価格は「Titanium（タイタニアム）」が385万円、「Trend（トレンド）」が340万円。

　新型クーガは、世界中のフォードのリソースを結集して開発する「ONE Ford」戦略に基づき開発されたモデル。

　パワートレーンは従来の直列5気筒 2.5リッターターボエンジンと5速ATから、直列4気筒 1.6リッター直噴ターボ「EcoBoost」エンジンと6速AT（セレクトシフト付）に変更。最高出力は134kW（182PS）/5700rpm、最大トルクは240Nm（24.5kgm）/1600-5000rpmと、従来から18PS/8.1kgmのパワーダウンとなるものの、JC08モード燃費は7.8km/Lから9.5km/Lへと約20％改善。この燃費性能の改善については、走行時にアクセルペダルを戻した時など、エンジンに対する負荷がない場合に燃料供給をカットする減速時燃料遮断機構（ADFSO：Aggressive Deceleration Fuel Shut-Off）などが寄与したとしている。

　駆動システムでは新設計のインテリジェントAWDを採用し、25種類のセンサーから速度、スロットル開度、ステアリング舵角、路面状況などを読み取り、リアルタイムで最適なトルクを前後間で100：0～0：100で自動的に配分する。

タイタニアム

トレンド

エクステリアはキネティックデザインコンセプトを取り入れ、よりモダンで先進的なイメージを強調

　安全装備面では、前方のクルマをレーザーセンサーで検知し、渋滞や市街地での低速走行時に前方車両への衝突を回避するため、自動的にブレーキをかける衝突回避支援システム「アクティブ・シティ・ストップ」や、ABS、トラクションコントロール、ESP（横滑り防止装置）などを統合的に制御することで、4輪個別のブレーキやエンジン出力制御によって姿勢を安定化する「AdvanceTrac（アドバンストラック）」をタイタニアムに標準装備。SRSフロントエアバッグとSRSサイドエアバッグ、SRSサイドカーテンエアバッグに、運転席ニーエアバッグを加えた7つのエアバッグは全車標準装備となっている。

　なお、アクティブ・シティ・ストップは車両間の相対速度差が15km/h未満の場合は追突を回避。15～30km/hでは衝突のダメージを軽減する。

　エクステリアはキネティックデザインコンセプトを取り入れ、よりモダンで先進的なイメージを強調。ボディーサイズは4540×1840×1705mm（全長×全幅×全高）、ホイールベース2690mmとし、先代モデルから95mm長くして伸びやかなフォルムを演出する一方で、10mm狭く、10mm低くし、よりスポーティなスタイリングに仕上げている。

タイタニアムのテールゲートには、リアバンパー中央の下側でキック動作をすると自動で開く「ハンズフリー・パワーリフトゲート」を採用

　また、ラゲッジルームのスペースを拡大し、5名乗車の状態で406L（旧モデル360L）、リアシートを倒した状態で1603Lの容量を確保。さらにタイタニアムのテールゲートには、リアバンパー中央の下側でキック動作をすると自動で開く「ハンズフリー・パワーリフトゲート」を採用した。

　インテリアデザインは航空機のようなコクピットスタイルとし、運転する楽しさに集中できるような設計を施した。光沢感のあるグロスブラックのパネルやクロームのアクセントなどでスポーティな演出をする一方で、柔らかい触感のダッシュボード、ステッチ装飾を施したドアアームレスト、肉厚パッド採用のコンソールアームレストなど、細部の質感にこだわり設計したと言う。

　さらに、マイクロソフトと共同で開発した独自のドライバー・コネクト・テクノロジー「SYNC」を全車標準装備し、デジタル音楽プレーヤーやBluetooth対応の携帯電話を接続することで、ステアリングに装備されたスイッチまたは音声（ただし英語）での操作を可能としている。

タイタニアムのインテリア

トレンドのインテリア

トレンドのインテリア

マイクロソフトと共同で開発した独自のドライバー・コネクト・テクノロジー「SYNC」は全車標準装備

新型クーガ主要諸元

【お詫びと訂正】記事初出時、エンジンの表記で一部間違いがありました。お詫びして訂正させていただきます。