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MAVICカラーのスバル車が登場する「2013 ジャパンカップサイクルロードレース」開催
2013年は「XV ハイブリッド」と「フォレスター」も参加
(2013/10/22 14:11)
10月18日から20日、栃木県宇都宮市で「SUBARU presents 2013 ジャパンカップサイクルロードレース」(以下、ジャパンカップ)が開催された。
今年で22回目を迎える本大会はUCI(国際自転車競技連合)公認の国際大会で、1日で決着の付くレースとしてはアジアでは唯一のオークラス(Hors Class/超級カテゴリー)に位置づけられるもの。レースの舞台となるのは宇都宮市森林公園周辺に設けられた周回路で、1周14.1km(ファイナルラップのみ10.3km)の起伏に富んだコースを11周、計151.3kmで争われる。
今年はUCIプロチームが史上最多となる7チーム、そのほかにも元F1ドライバーの片山右京氏率いる「TEAM UKYO」など計17チーム、84名の選手がエントリー。熱い戦いを繰り広げることになった。
この大会でメインスポンサーの重責を担うのがスバル(富士重工業)だ。クルマなら補修パーツを車内に積むことができるが、自転車ロードレースではライダーは自身の体ひとつで走る。トラブルがあった場合の対応として、伴走するサポートカーが必須となるのだ。そこでスバルはレガシィ 2.0GT DITやXV ハイブリッドなど、合計45台の大会関係車両を提供、レースを支えているワケだ。こうしたサポートカーの中でも、別格の存在といえるのがフランスのサイクリングブランド「MAVIC(マヴィック)」が使用するイエローのレガシィだ。同社のクルマはチームや機材、国籍に関係なく中立な技術サポート「ニュートラルサービス」を提供するためのもので、日本では1996年からレガシィを採用している。
自転車の走りをサポート、と聞くとそれほどキツイ印象を受けないかもしれない。だが、サポートカーは先頭や最後尾を走るだけではなく、2番手以下の集団をカバーする必要もある。トップ集団と大きく離れていればよいが、そのギャップはわずか数十秒~1分あまりなんてこともザラ。加えて世界レベルの選手だと下りの最高速は80km/h以上にもなる。そんな状況でレースのじゃまになることなく、万が一の落車やトラブルには迅速に対応することが要求されるのだ。
そんな厳しいマヴィックカーだが通常、ドライバーは自転車ロードレース経験者が勤めるという。というのも、選手のちょっとした動作で状況を把握や予測が可能だからだ。逆に言えばマヴィックカーのドライバーはプロドライバーではない。よって、クルマのパフォーマンスが重要になってくるワケだ。今回、スバルの協力でレガシィ2.0GT DITのマヴィックカーに同乗する機会を得たが、ドライバーによればパワフルで運動性能も高いため「最高ですね」とのこと。実は愛車もレガシィとのことで、スバル車がレース関係者に大きな信頼を得ていることがうかがえた。
レースはまず19日に「クリテリウム」と呼ばれる前哨戦で幕を開けた。クリテリウムとは「市街地や公園などに設定された短い距離の周回コース」で争われるレースのことで、JR宇都宮駅と東武宇都宮駅の大通り道路を閉鎖した特設コースが舞台となった。1.55kmのコースをパレードランを含めて23周、35.65kmのスプリントレースは、42分48秒のタイムでガーミン・シャープのスティール・ヴォン・ホフ選手が制した(2つのコーナーと上り下りのあるコースを、自転車レース特有のかけひきをしながら平均約50km/hで駆け抜けたことになる)。
レース本番となる翌20日は朝からの雨模様。気温も大きく下がり厳しいコンディションの中でのスタートとなった。序盤から中盤は逃げを打つ11名の先頭集団と、それを追うメイン集団と2手に分かれる展開。雨脚が強まった終盤、先頭集団がメイン集団に飲み込まれると、サクソ・ティンコフのマイケル・ロジャースが一気にスパート。2位に44秒の大差を付けてゴールインした。タイムは4時間25分と例年より30分あまり遅く、完走者はわずか39名のサバイバルレースだった。