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“MAVICカラー”の「レヴォーグ」が登場した「2014ジャパンカップサイクルロードレース」

アジア最大の自転車レース

2014年10月18日~19日開催

 10月18日~19日、栃木県宇都宮市で「SUBARU presents 2014 ジャパンカップサイクルロードレース」(以下、ジャパンカップ)が開催された。

 今年で23回目を迎えるジャパンカップは、UCI(国際自転車競技連合)公認の1DAYレースとしては最上位カテゴリーのオークラス(Hors Class=超級)に属する、アジア最大級のレース。世界の第一線で活躍する選手たちの、本気の勝負を間近で見られる日本で唯一の大会だ。

 18日には宇都宮市中心部の交通を完全にシャットアウトし、目抜き通りをショートコースとしてレースを行う「ジャパンカップクリテリウム」が行われ、沿道に集まった4万1000人(主催者発表)もの観客を魅了した。また、19日に市内の森林公園で行われたジャパンカップには過去最高の8万人もの観客が集まり、晴天に恵まれた両日ともに大きな盛り上がりを見せた。

 国内の自転車人気に呼応するように、年々盛り上がるこのジャパンカップを20年前から支え続けているのがスバル(富士重工業)だ。レース運営には必要不可欠な各チームのサポートカーをはじめ、ディレクターカーやドクターカー、そしてメディアカーにいたるまですべての大会関係車両を提供し、その数は「レヴォーグ」が40台、「WRX S4」が1台、「レガシィ」が3台の計44台に上る。

イエローが映えるMAVICカラーのニュートラルカー

チームや国籍などに関係なく中立な技術サポート「ニュートラルサービス」を提供する、フランスのサイクリングブランド「MAVIC(マヴィック)」のスタッフ

 選手が自らの身体1つで走る自転車レースにおいて、パンクやその他さまざまなトラブルに対してはコース上を走るサポートカーが対処する。各チーム毎に1台のサポートカーが用意されるが、そのほかにチームやパーツの種別に関係なく、中立な立場で各選手をサポートする「ニュートラルサービス」を提供するのが「ニュートラルカー」だ。

 なかでもフランスの「MAVIC(マヴィック)」は、レヴォーグの発売前からその黄色いボディーカラーのマヴィックカーが登場するなど、スバルファンにも自転車ファンにも馴染み深いメーカーだ。今回はレヴォーグをはじめ2台のレガシィ、そして最新のWRX S4を用意し大会を支えた。

レヴォーグのマヴィックカー
サービス用のホイール/タイヤをラゲッジに積む
後席にもサービス用のホイール/タイヤが積まれていた
ルーフには純正取り付けブラケットを利用する特注キャリアを装着
フロント/サイド/リアのエアロはSTI(スバルテクニカインターナショナル)製
STIのホイールに225/45 R18サイズのミシュラン「Primacy 3(プライマシー スリー)」を装着
大会用ラジオツール、競技無線、マヴィックチーム無線を備える室内

 自転車をサポートする自動車の走りといえば、荷物さえ積めればどのような車でも大丈夫そうだが、タイトなターンやワインディングが続くロードレースのコースは自動車には想像以上に厳しいコースで、パワーと高い旋回能力が求められる。今回、レヴォーグのマヴィックカーに同乗する機会を得たが、ラジオや無線で競技車の位置関係などを確認し、他のニュートラルカーと連携しながら高速でワインディングを駆け抜ける様はみごとだった。

 ドライバーを務めたマヴィックSSCの竹村孝行氏によると、「レヴォーグは今までのスバル車以上にコーナーリング性能がよく、狙ったラインをピタッとトレースし、クルマが乱れない」と語ってくれた。ちなみにグレードは2.0GT-S、装着タイヤはミシュラン「Primacy 3」だった。

マヴィックSSCの竹村孝行氏
狭いコースに集まった観客が見える
先行するレガシィのマヴィックカー
クリテリウムでタイトなコーナーを高速で抜ける選手とマヴィックカー

宇都宮市の中心街が沸いたジャパンカップクリテリウム

 JR宇都宮駅から東へ伸びる、往復6車線の道路を封鎖して作られた1.55kmの周回コースがジャパンカップクリテリウムの舞台だ。パレード3周、レース20周で構成されるジャパンカップクリテリウムは、猛スピードで走る世界のトップ選手を目の前で何度も堪能できるレースだ。

 結果は写真判定までもつれ込むほどの接戦となり、クリストファー・サットン選手(オーストラリア、チームスカイ)が制した。また、レース前のレジェンドクリテリウムには片山右京選手も参戦。優勝は神山雄一郎選手、片山右京選手は3位でレースを終えた。

宇都宮の市街地で行われたジャパンカップクリテリウム
接戦を制したのはクリストファー・サットン選手(写真右)
レジェンドクリテリウムには片山右京選手も参戦した

 そしてコースに現れたレヴォーグの隊列が圧巻だった。各チームのスタッフカーなどとともにカラフルなマヴィックやシマノ、日直商会のニュートラルカーも華を添えた。シマノは2013年のBP型/BR型レガシィを、ともにレヴォーグに刷新した。

 また、オープニングイベントではスバルのWebサイトで一般公募された20名の選手も、世界のトップ選手が争うコースでの走りを楽しんだ。ジャージに描かれるのはスバルが手がける異業種とのコラボアニメーションプロジェクト「放課後のプレアデス」だ。

宇都宮の大通りを埋め尽くしたレヴォーグの隊列は圧巻
スバルのWebサイトで一般公募された20名の選手たち
宇都宮市中心部のオリオン通り商店街もジャパンカップ一色だ
クリテリウム表彰式会場となったオリオンスクエアにはマヴィックカラーのWRX S4も展示された

森林公園に過去最高の8万人が集まったジャパンカップ

 10月19日、秋晴れの宇都宮市森林公園周回コースに過去最高となる8万人のファンが集まり、世界最高レベルの走りを楽しんだ。

 日本人選手2名を含む4名の選手がトップグループを形成する形でレースは進んだが、残り2周を切ったところでレースは活性化。総距離151.3kmを走りながら、1秒以内に8人がゴールするという大混戦を制したのはネイサン・ハース選手(オーストラリア、ガーミン・シャープ)。2011年大会に続く2度目のジャパンカップ制覇だ。

 また、23歳以下の若手選手に与えられるアンダー23最優秀選手賞にはミカエル・ヴァルグレン・アンデルセン選手が選ばれ、大会のメインスポンサーであるスバルの上野修氏から花束と記念品が贈られた。

一流選手の走りにファンもヒートアップ
前半戦は4選手が抜け出してトップグループを形成
ゴール直前の僅差の争い
大混戦を制したのはネイサン・ハース選手
アンダー23最優秀選手賞はミカエル・ヴァルグレン・アンデルセン選手
怪我のため欠場したファビアン・カンチェラーラ選手も来日し、会場に駆けつけた
「弱虫ペダル」の作者、渡辺航氏も参加
スバルのジャージを着て応援するファンも多く見受けられた
自転車ブームが到来する20年も前からジャパンカップを支え、今やツール・ド・北海道やツアー・オブ・ジャパンをも支えるスバル。スバル車の運動性能は大会の運営に大きな役割を果たしていると同時に、数多のロードレーサーから支持されているという。これからもその運動性能、そして環境性能に磨きをかけ、ロードレースを支え続けてほしい

(高橋 学)