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スバル、デトロイトショーで新型「WRX STI」の市販モデルを世界初公開

水平対向4気筒2.5リッターエンジンに6速MTのみの組み合わせ

新型「WRX STI」
2014年1月14日(現地時間)発表

 スバル(富士重工業)は1月14日(現地時間)、米デトロイトで開催されている北米国際自動車ショー(デトロイトショー)で米国仕様の新型「WRX STI」の市販モデルを世界初公開した。新型WRX STIをベースとする、2014年のニュルブルクリンク24時間耐久レース参戦車両は先に行われた東京オートサロンで公開されているが、市販モデルの公開はデトロイトショーが初めてとなる。

 米国仕様は水平対向4気筒2.5リッターターボエンジンに6速MTのみの組み合わせで、日本導入モデルに対する詳細は触れられていない。また、この北米仕様では、先進運転支援システム「EyeSight(アイサイト)」の用意はないとしている。

 2013年のLAオートショーで発表されたばかりの「WRX」をベースにした新型WRX STIは、WRXシリーズのトップグレードに君臨するモデル。「エンジンがもたらす強烈なパワーを、徹底的に剛性を高めたボディとシャシーで受け止め、ドライバーにハイパワー車を意のままに操る歓びを提供する」という、WRXシリーズ共通のコンセプト「Pure Power in Your Control」をさらに高次元で具現化することを目標とした。そのため、テストコースのほか一般道や高速道路、山岳路に加え、ドイツのニュルブルクリンク・サーキットといったさまざまな路面状況下で走行テストを実施し、ボディーとサスペンション各部の剛性を高めることでステアリング操作に対する車両の反応速度を高めるとともに、フラットで快適な質感の高い乗り心地を実現したという。

 ボディーサイズはWRX(米国仕様。以下同)と変わらず4595×1795×1475mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2650mm。エクステリアの基本デザインはWRXと共通のスタイリングだが、新たに開発したホークアイヘッドランプや薄型のリアコンビランプが備わるとともに、フロントグリル・フェンダー等のSTIレターマーク、フロントフェンダーダクト、専用サイドシルスポイラー、大型リアスポイラーなどによりベース車との差別化を図っている。ヘッドランプ(ロービーム、クリアランスランプ)、テール&ストップランプ、ハイマウントストップランプにはLEDが使われ、省電力化も図った。

 また、剛性強化と軽量化を両立した18インチアルミホイール(18×8 1/2J)を新たに開発したほか、ボディーカラーではWRブルー・パールとクリスタルホワイト・パールを初採用した。

 パワートレーンに関しては、WRXが最高出力268HP/5600rpm、最大トルク258lb-ft/2000-5200rpmを発生する水平対向2.0リッターターボに6速MTまたはスポーツリニアトロニック(CVT)の組み合わせなのに対し、新型WRX STIでは最高出力305HP/6000rpm、最大トルク290lb-ft/4000rpmの水平対向4気筒2.5リッターターボに強化版6速MTを搭載。エンジン自体のスペックは従来と大きく変わらないものの、シャシーセッティングなどによりアクセル開度25%で従来型の50%のアクセル開度を凌ぐ加速Gを発生するという。6速MTは従来型と比べ節度感、吸い込み感を向上し、よりスポーティなシフトフィーリングを実現した。

 駆動方式は4輪を駆動する「シンメトリカルAWD」。センターデフの効きを自由に調整できるマルチモードDCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)は新型WRX STIでも引き続き採用される。ブレーキはブレンボ製で、フロント4ピストン、リア2ピストンキャリパーを装備する。

 また、ステアリングギヤ比はWRXが14.5:1なのに対し、新型WRX STIでは13:1とさらにクイック化。さらにステアリングシステムを支えるブッシュの強化や、スプリングレートもWRXより高められたことなどにより、ステアリングを切った際の横Gが発生する時間を短縮し、よりステアリング操作に対するレスポンスを高めて意のままに操る楽しさを実現している。

 インテリアでは、操作部を中心に各所カーボン調加飾や金属調アクセントをあしらったほか、シート、シフトノブ、インパネ中央部に赤いアクセントを施した。シートはホールド性に優れる形状に仕上げるとともに、ヘッドレスト前面には「STI」ロゴの型押しが施されている。また、WRXと同じくステアリングには小径で握りやすい形状を追求したというDシェイプステアリングを採用。ルーフからフロアまでブラックで統一することで精悍なイメージに仕上げるとともに、ドライバーが運転に集中できる空間を演出している。

(編集部:小林 隆)