【2014ジュネーブショー】

スバル、フロント1モーター、リア2モーターハイブリッド「ヴィジヴ 2 コンセプト」を公開

エンジンはグローバル展開を考慮し1.6リッター直噴ターボを搭載

アンベールされる「スバル ヴィジヴ 2 コンセプト」
2014年3月6日~16日(現地時間)

スイス ジュネーブ

GENEVA PALEXPO

 スバル(富士重工業)はジュネーブショーにて、昨年のこの地で初公開した「VIZIV CONCEPT(ヴィジヴ コンセプト)」の進化版である「SUBARU VIZIV 2 CONCEPT(スバル ヴィジヴ 2 コンセプト)」のワールドプレミアを行った。

プレスカンファレンスでスピーチを行った取締役専務執行役員の池田智彦氏

 ヴィジヴ コンセプトは、スバルブランドの将来の方向性を示す次世代クロスオーバーとして昨年公開されたコンセプトモデル。「安心と愉しさ」というスバルブランドが提供する価値観を示したコンセプトカーで、デザインとユーティリティなど相反するさまざまな要件を高次元でバランスさせたのが特徴となる。

 昨年公開されたヴィジヴ コンセプトでは「2020年ごろのあるべき姿」を提案していたが、今回お披露目されたヴィジヴ 2 コンセプトは、それよりも近い将来となる2016年ごろの次世代クロスオーバーを示しているという。つまり進化にともない、より具体性を持たせたコンセプトカーになったということだ。

ヴィジヴ 2 コンセプトがアンベールされる前に、日本のタップダンサー・HIDEBOH氏によるスバルブランドの楽しさを表現したパフォーマンスが披露された

 外観は、コンセプトカー然としていたヴィジヴ コンセプトの2ドアから4ドア化。フロントやリアバンパーのデザインもヘキサゴングリル、ヘキサゴンシェイプから始まる立体的な塊感が強くなり、Cシェイプと呼ばれる前後のライトまわりも、現行でラインアップされるモデルに近い具体性のあるデザインに変更した。

 見た目としての大きな変貌は、フェンダーアーチの処理からも伺える。カーボンのフェンダーアーチを設けることでタイヤとホイールが強調され、クロスオーバーとしての力強さが増している。形状は四角いデザインを用いており、シンプルな円形よりもこの方が安心感や力強さを強調できるという。

 エクステリアの変更に加えて、パワートレーンも進化を果たしている。ヴィジヴ コンセプトと同様のフロント1モーター、リア2モーターのハイブリッドだが、組み合わせるエンジンを従来のディーゼルからスバルの最新ガソリンエンジンとなる水平対向4気筒1.6リッター直噴ターボに変更している。

 4WDシステムは、スバルが考える次世代4WDの「リア独立モーター駆動タイプシンメトリカルAWD」と呼ばれるもので、リアの左右輪を独立で制御できるトルクベクタリング機能などを用い、走行環境や路面状況により4輪を緻密にマネージメントする。

 ヴィジヴ コンセプトは、現在の車種ラインアップの流れを汲むコンセプトモデルではないが、スバルの次期型クロスオーバーを示していて、今回ヴィジヴ 2 コンセプトに進化を遂げたことで、より具体的なデザインや機能性が垣間見れるようになった。

初公開されたヴィジヴ 2 コンセプト。ボディーサイズは4435×1920×1530mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2730mm。ヴィジヴ コンセプトよりも若干大きくなっている。また、ステレオカメラによる前方認識を軸に、360°センシングによってオートパイロットを実現するシステムも備えている
カーボン地のフェンダーアーチやサイドステップが装備されるなど、より躍動感が増したヴィジヴ 2 コンセプトでは、ヴィジヴ コンセプトが2ドアだったのに対し4枚のドアを装備。フロントドアはシザーズタイプのままで、リアドアは後方にスライドする
インテリアでは、水平基調のインパネや楕円形のステアリングなど、ヴィジヴ コンセプトから変更を加えていることがうかがえる
シートは独立した4座で、ドライバー、パッセンジャーともにホールド性の高そうなシートを装備

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。