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BASFジャパン、「アジア太平洋地域ではブラウン系が定着」と今後のカラートレンドを予測

女子大生に対するアンケートで自動車の好みとカラーの関係を分析

BASFジャパン 機能性材料統括本部 コーディングス事業部 カラーデザインセンター アジア・パシフィック チーフカラーデザイナーの松原千春氏
2014年7月1日開催

 BASFジャパンは7月1日、同社東京本社で報道向けに自動車・2輪車のカラートレンド予測の説明会を開催した。世界をグローバルのほか3地域に分け、それぞれの市場における数年先の動向を予測している。

 このなかで、アジア太平洋地域ではブラウン系が定着し、暖かみのある銅褐色やグレー系などが人気になる傾向があると分析した。さらに、女子大生に対して行った調査結果も合わせて公表している。

予測の対象となるカラーはモノトーン系以外

 カラートレンド予測で予測される色の傾向は、グローバルで70~80%を占めるモノトーン系を除いたなかから、自動車や2輪車のカラーの傾向を予想している。日本に限ってはモノトーンの比率は7割ほどで、それ以外の色が3割となっている。モノトーン系とはホワイト、シルバー、グレー、ブラックといった無難な色で、それらを選ぶ層を除き、積極的にクルマの色を選ぶ層の動向が今回の予測となる。2~3年後の街にブラウン系のクルマが溢れるということではない。

 今回、予測されたカラーは、グローバルで3つのテーマを決め、それぞれ「アジア太平洋」「欧州」「北米」の各拠点が提案したものを計9グループのカラーと、さらに、アジア太平洋地域のローカルテーマに沿ったカラーを提案した。

BASFジャパン 機能性材料統括本部 コーディングス事業部 カラーデザインセンター アジア・パシフィック チーフカラーデザイナーの松原千春氏

 説明会では、BASFジャパン 機能性材料統括本部 コーディングス事業部 カラーデザインセンター アジア・パシフィック チーフカラーデザイナーの松原千春氏がカラーの説明を行った。

 松原氏によれば、今回のカラーを決めるにあたって世界各地域の経済や消費動向を調べ、これからどういった気分の時代が来るのかを予測。それぞれの拠点のカラーデザイナーが一堂に会してテーマを決め、それを各拠点に持ち帰ってカラーを開発していくという手順で進めたという。

 一堂に会して決めた今年の共通コンセプトは「Under the Rader」。日本語では「まだ見えないシグナル」となり、レーダーにかからないシグナルを細かく読み解くことで、トレンドが見えてくるというもの。「個人と人と社会のつながりにフォーカスすると1人1人の考え方や活動があちらこちらから出てきて、やがて共感を呼んで社会に大きな影響を与えていく」という流れをコンセプトとした。

今年の共通コンセプト「Under the Rader」

テーマと地域によってカラーを提案

グローバル共通テーマ「MY PARTICULAR CHANNEL」

 この共通コンセプトの元、グローバルで決めたテーマは「MY PARTICULAR CHANNEL(私だけのチャンネル)」「POWERFUL SCIENCE CROWD(パワフルな科学集団)」「HYPER LOCAL SOCIETY(超地域社会)」の3つ。それぞれを3つの地域別に提案し、さらに地域のカラートレンドも提案した。

「MY PARTICULAR CHANNEL」では他者との違いを認識。独自性や個性を尊重する態度を、はっきりとした色相のグリーンやカッパーで表すとともに、個々の感性を印象的で強いエフェクトを加えたカラーで表現した。ここ数年、ソリッドがあったが今は1色のみで、キラキラしたものを入れたソリッドライクなものに変化している。北米では落ち着いてリラックスした“楽観的な色”が復活している。

アジア太平洋地域から開発されたカラー
欧州地域から開発されたカラー
北米地域から開発されたカラー
グローバル共通テーマ「POWERFUL SCIENCE CROWD」

「POWERFUL SCIENCE CROWD」は、未来の生活をイメージし、エモーショナルに進化するテクノロジーの勢いを、生命感あふれるレッドや強く印象的に輝くカラーで表現した。ブラックもあるがただのブラックではなく、個性が表現できるブラックになっている。ザラザラした触感のグレイッシュカラーもあるが、それは人間の繊細な感情を表現している。

アジア太平洋地域から開発されたカラー
欧州地域から開発されたカラー
北米地域から開発されたカラー
グローバル共通テーマ「HYPER LOCAL SOCIETY」

「HYPER LOCAL SOCIETY」では、インターネットで幅広い裁量や手法を手にした個人は、社会のなかでも影響を及ぼすことを表現。カッパーやグレイッシュカラーの多様な質感は“公私”や“地域と世界”などのさまざまな境界の曖昧さを表したもの。欧州はウォームグレー、北米は穏やかなグレーとなり、無難なカラーでも繊細な表現で個性を表し、社会との協調性も保っていくというカラーになっている。

アジア太平洋地域から開発されたカラー
欧州地域から開発されたカラー
北米地域から開発されたカラー

 そのほか、各地域のカラートレンドも紹介、アジア太平洋地域のカラートレンドは「DEAR NEW IDENTITY(愛すべき新しいアイデンティティ)」とした。松原氏によれば、中国では「なにがなんでもブラックのセダンタイプを買えばよい」という時代もあったが、今は成熟して他人と一緒ではなく、自分のカラーを表現したいといった若者の価値観の変化が見られる。また、北米地域からはパステルカラーが出てくるなど、従来にはなかった傾向もあるという。

アジア太平洋地域のテーマ「DEAR NEW IDENTITY」
中国を除くアジア太平洋地域のカラー
中国のカラー
欧州地域の開発テーマ「Distinguished Quality Undercover(卓越した品質研究)」によるカラー
北米地域の開発テーマ「Signigicant Close Connection(意義深い密接な絆)」によるカラー
2輪車のカラー

 一方、2輪のカラーについても説明が行われた。自動車と同様に「MY PARTICULAR CHANNEL」「POWERFUL SCIENCE CROWD」「HYPER LOCAL SOCIETY」の3つのテーマに添って提案されている。2輪ならではの鮮やかな色や、メタリックカラーの粒子を荒くして立体感を出したものなど、自動車とは異なった傾向もあるとした。

グローバル共通テーマ「MY PARTICULAR CHANNEL」
グローバル共通テーマ「POWERFUL SCIENCE CROWD」
グローバル共通テーマ「HYPER LOCAL SOCIETY」

女子大生へのアンケートで、自動車の好みとカラーの関係を分析

 さらにBASFでは、現代は家庭のなかにおける自動車の購入決定権を女性が持っていることなどを着目、未来の購入決定権を持つ人として女子大生に自動車意識のアンケートを行った。

 調査は2段階となっており、81人のアンケート調査の後、属性を均一化した15人でグループインタビューを行った。アンケート調査の結果では「自動車が欲しい」という人は65%となったほか、「異性の自動車所有が好ましい」と感じる人は86%にも及び、自動車に対して好意的な考えを持つ人が多いなかでの調査となった。

 自動車のデザインに関連する調査項目では、購入時に重視する点のトップが「デザイン」で42%となった。異性が所有してほしい自動車のイメージとしては「黒いセダンのような大人の印象が好ましい」「個性が強すぎであったり、高価すぎる、自慢たらしいのは嫌」などの希望が明らかになった。

BASFが行った女子大生への自動車意識アンケート

 さらに、調査対象になった女子大生の持ち物や好みの自動車やカラーについても調査。「かわいい」「かっこかわいい」「かっこいい」と、それぞれの自動車の好みを持った女子大生の持ち物、好むクルマのタイプやカラーをまとめて展示している。

「かわいい」が好みの女子大生の持ち物、好みのクルマのタイプ、カラー
「かっこかわいい」が好みの女子大生の持ち物、好みのクルマのタイプ、カラー
「かっこいい」が好みの女子大生の持ち物、好みのクルマのタイプ、カラー

BASFは世界的な化学会社

BASFジャパン 機能性材料統括本部 コーティングス事業部常務執行役員の佐藤昭彦氏

 このほかに説明会では、BASFジャパン 機能性材料統括本部 コーティングス事業部常務執行役員の佐藤昭彦氏がコーティングス事業について説明を行った。BASFはドイツに本社がある化学会社で、製品はほぼ全ての産業で使われているとしている。

 2013年のコーティングス事業の売上は約29億ユーロで、そのうちアジア太平洋地域の占める割合は21%。事業の割合は新車の塗料が約70%、板金修理などの自動車補修用塗料が約20%、残りの10%はカラー鋼板といったコイルコーティングとなっている。

 日本では神奈川県横浜市の戸塚区に生産・研究開発・営業拠点を持ち、さらに各地の自動車メーカーの近くにも営業拠点を持っている。

 佐藤氏は「カラーデザインに関するBASFの専門性と情熱を理解してほしい」と説明会の狙いを述べ、内容についてはすでに自動車メーカー、2輪メーカー向けに紹介したものを報道向けに説明したものだとした。メーカーからは「トレンド予測を説明していて、高い評価を得ている」と、予測内容に自信を見せた。

BASFの事業とコーティングス事業部の売上

(正田拓也)