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レクサス、ハイブリッド&新開発2.0リッターターボ搭載の新型SUV「NX」

ハイブリッドは最高燃費21.0km/L、ターボの最高出力は238PS

レクサス「NX」
2014年7月29日発売

NX300hシリーズ:492万円~582万円

NX200tシリーズ:428万円~518万円

 レクサス(トヨタ自動車)は7月29日、新型コンパクトクロスオーバーSUV「NX」を発売した。ハイブリッドモデルのNX300hシリーズとターボエンジンモデルのNX200tシリーズを設定し、価格はNX300hシリーズが492万円~582万円、NX200tシリーズが428万円~518万円。

NX300h

モデルエンジン駆動方式価格
NX300h “version L”直列4気筒DOHC 2.5リッター「2AR-FXE」+THS II2WD(FF)5,560,000円
4WD5,820,000円
NX300h “F SPORT”2WD(FF)5,560,000円
4WD5,820,000円
NX300h “l package”2WD(FF)5,060,000円
4WD5,320,000円
NX300h2WD(FF)4,920,000円
4WD5,180,000円

NX200t

モデルエンジン変速機駆動方式価格
NX200t “version L”直列4気筒DOHC 2.0リッターターボ6速AT2WD(FF)4,920,000円
4WD5,180,000円
NX200t “F SPORT”2WD(FF)4,920,000円
4WD5,180,000円
NX200t “l package”2WD(FF)4,420,000円
4WD4,680,000円
NX200t2WD(FF)4,280,000円
4WD4,540,000円
NX300h
NX200t

 レクサス「NX」は、2013年9月に開催されたフランクフルトモーターショーでコンセプトカー「LF-NX」として初公開。ハイブリッドカーとして紹介されたこのモデルに続き、同年11月の東京モーターショーではガソリンターボモデルのLF-NXも公開され、2014年4月の北京モーターショーで市販バージョンのNXがワールドプレミアされた。

 NXのボディーサイズは4630×1845×1645mm(全長×全幅×全高)。ホイールベースは2660mmとなっており、同じレクサスのSUVである「RX」の4770×1885×1690mm(全長×全幅×全高)からひとまわり小さいディメンションとなっている。車両重量はNX300hシリーズが1760kg~1850kg、NX200tシリーズが1710kg~1800kgとなる。

「Premium Urban Sports Gear(プレミアムアーバンスポーツギア)」をテーマに開発したNXでは、空力性能とデザインの両立を図り、凝縮感を高めたエクステリアデザインを採用。フロントマスクではブランドアイコンである「スピンドルグリル」を大きく配置し、ヘッドライトにも特徴的なデザインの3眼式フルLEDヘッドライトを用意。L型に発光する新開発のLEDユニットをロービームに使って“レクサスらしさ”をアピールする。また、レクサスのスポーツセダンであるISとも共通性を感じさせるアロー形状のクリアランスランプを組み合わせ、スポーティテイストを強調している。このほか、レクサス車初の装備として、ステアリング操作に連動して右左折時などに進行方向を照らす「LEDコーナーリングランプ」をフォグランプ内に内蔵している。

開口部の大きなスピンドルグリルでパフォーマンスの高さを主張。L字型モチーフのメッシュグリルは“F SPORT”の専用アイテム
L型に発光するロービーム。肉厚のインナーレンズ、左右合計で78個のLEDを使う3眼式フルLEDヘッドライトはクリスタルのような輝きをイメージしている
LEDヘッドライト(ロービーム)
フロントバンパーコーナーは、前方からカーブを効かせて絞り込みつつ、直線的なフェンダーラインと組み合わせて特徴的な表情を形成
バンパー下部に内蔵するLEDフォグランプは、ステアリング操作と連動するLEDコーナーリングランプとしても機能する
SUVらしい力強さを持つデザインとともに、風洞実験を繰り返し実施して形状の細部まで追究。クラストップレベルのCd値を達成しているという

 このほかに外観では、ドアハンドルに世界初となる「キーシリンダーヒドンのプルタイプドアハンドル(照明付き)」を採用。リアコンビネーションランプはL字形状のブレーキランプのほか、ピアノブラックのガーニッシュを上から組み合わせてシャープさと上質感を演出している。また、ルーフではアルミルーフレール、パノラマルーフ、ムーンルーフなどをオプション設定している。

世界初のアイテム「キーシリンダーヒドンのプルタイプドアハンドル」は、ハンドル内側に設定されたランプが足下照明の機能も果たす
L字型の形状を組み合わせてエモーショナルな雰囲気を生み出すリアコンビネーションランプ
アルミルーフレール
ムーンルーフ(チルト&アウタースライド式)
リアシート後方まで設定されるパノラマルーフ

 カラーリングでは外装色で1種類、内装色で2種類を新規開発。10色を設定する外装色では「ソニッククオーツ」を新たに採用している。

新色の「ソニッククォーツ」
「プラチナムシルバーメタリック」
「ソニックチタニウム」
「マーキュリーグレーマイカ」
「ブラック」
「スターライトブラックガラスフレーク」
「レッドマイカクリスタルシャイン」
「ファイアーアゲートマイカメタリック」
「メテオブルーマイカメタリック」
「エクシードブルーメタリック」

新開発ターボエンジンは238PS/350Nmを発生

 パワートレーンでは、ハリアーなどにも搭載されるハイブリッドシステム「2AR-FXE」に加え、新開発の直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ガソリンターボエンジン「8AR-FTS」を採用する2本立て。駆動方式は2WD(FF)のほか、ハイブリッドモデルでは後輪をモーター駆動させるE-Four(電気式4輪駆動)、ガソリンターボモデルでは車速、ステアリングアングル、ヨーレートなどを計算して前後トルク配分を100:0から50:50まで自動制御する4WD「ダイナミックトルクコントロールAWD」を採用している。また、E-Fourでも旋回時にスリップ率フィードバック制御、ヨーレートフィードバック制御で最適な前後トルク配分を実現する「低μ旋回時制御」を新たに導入している。JC08モード燃費はハイブリッドモデルのNX350h 2WD(FF)車が21.0km/L、それ以外が19.8km/L、ガソリンターボモデルは2WD(FF)車が12.8km/L、4WD車が12.4km/Lとなる。

 ハイブリッドモデルの2AR-FXEエンジンは最高出力112kW(152PS)/5700rpm、最大トルク206Nm(21.0kgm)/4400-4800rpm。フロントモーターの2JMは143PS、リアモーターの2FMは68PSを発生。従来からあるハリアーなどの搭載内容と同じスペックだ。

 新開発の8AR-FTSエンジンは、世界初となる水冷式エキゾーストマニホールド一体シリンダーヘッド+ツインスクロールターボチャージャーを採用。4-2集合エキゾーストマニホールドを内蔵するシリンダーヘッドによって排気干渉を排除。ターボチャージャーの効率を高めて加速レスポンスを向上させ、トルクバンドを拡大しているほか、排出ガスの冷却効果によって理論空燃費の運転領域を拡大。クリーンな排出ガスと低燃費を実現している。燃料噴射システムでは直噴のD-4Sをさらに進化させ、シリンダーヘッドの吸気ポートに高タンブル(強い縦渦)を生み出す形状を採用。ファンスプレー式インジェクターとセットで使うことで高効率な高速燃焼を実現している。これらにより、最高出力175kW(238PS)/4800-5600rpm、最大トルク350Nm(35.7kgm)/1650-4000rpmを発生する。

8AR-FTS
2AR-FXE
ハイブリッドシステム用のニッケル水素バッテリーはリアシート下に搭載

 このほかに走行性能では、ボディーにISでも採用するレーザースクリューウェルディングやスポット溶接の増し打ち、構造用接着剤の使用といった先駆的ボディー生産技術を受け継ぎ、高い剛性を持つボディーフレームを実現。サスペンションでは微小領域でのコントロールにこだわったセッティングで、しなやかな乗り心地と俊敏なパフォーマンスを両立させている。ハイブリッドモデルでは車両の前後動(リフト/ダイブ)を常時センシングし、駆動用モーターを細かく制御して逆方向にトルクをかけることで揺れを抑制する「ばね上制振制御」を実施。乗り心地の向上、タイヤの接地性向上、操縦安定性の向上などの効果を発揮する。また、“F SPORT”モデルではボディーの前後にパフォーマンスダンパーを備え、ソレノイド制御によって減衰力調整を従来の9段階から30段階に増やしたNAVI・AI-AVSを採用。さらに専用オプションとしてブラック塗装と切削加工を組み合わせた18インチホイールを設定している。

NX300hシリーズは「ばね上制振制御」で乗り心地や操縦安定性などを向上
NX200tシリーズの「ダイナミックトルクコントロールAWD」は、ステアリングの操舵量からドライバーの想定するターゲットラインを算出。ブレーキ制御も組み合わせて安定した旋回を実現する
IS譲りの高剛性ボディーがシャープな操縦性に加え、快適な乗り心地、万が一の安全性なども引き上げる
切削光輝タイプの18インチアルミホイール。タイヤサイズは225/60 R18
225/60 R18タイヤ&アルミホイール
225/65 R17タイヤ&アルミホイール
ダークプレミアムメタリック塗装の“F SPORT”専用アルミホイール。タイヤサイズは235/55 R18
ブラック塗装+切削光輝タイプの“F SPORT”専用アルミホイール。タイヤサイズは225/60 R18
“F SPORT”モデルはフロントストラット、リアバンパー内側にパフォーマンスダンパーを装備

 先進安全装備では、ナビ画面に上から車両を撮影したような映像を表示する「パノラミックビューモニター」に、進行方向左右から人やクルマなどが近づいてきた場合に画面表示と警告音で知らせる「左右確認サポート」をレクサス車として初採用。さらにミリ波レーダー式の「プリクラッシュセーフティシステム」、後方側面からの接近車両などを検知してドアミラー内のインジケーター表示で警告する「ブラインドスポットモニター(BSM)」、カメラで車線を認識してウインカー操作をしないまま車線を越えそうな場合に警告音とディスプレイ表示で注意喚起し、同時に電動パワステを制御して車線逸脱を回避しやすいようにアシストする「レーンディパーチャーアラート(ステアリング制御付)」、アクセルを踏んだ状態でのシフト操作で急発進や急加速をしないよう制御する「ドライブスタートコントロール」などを装備する。

 走行支援機能では全車速追従機能付きの「レーダークルーズコントロール」を備え、前方車両の停車に合わせて停車状態を維持し、前方車両の発進後にはアクセルを踏んだりスイッチ操作することで追従走行を再開する。また、運転席の前方にはヘッドアップディスプレイ(HUD)を用意し、ドライバーの前方2mを想定した位置に車速やナビ上方などをカラー表示して運転をアシストする。

車両の前後左右に設置したカメラで“上から目線”の映像をナビ画面で確認できる「パノラミックビューモニター」に「左右確認サポート」をレクサス車初採用
「レーンディパーチャーアラート(ステアリング制御付)」はフロントウインドー上側のカメラで車線を認識
BSMは自車の後方側面をセンサーでチェックし、接近する車両などがある状態でその方向にウインカーを働かせるとドアミラー内のインジケーターを点灯させて注意喚起する
TFTディスプレイのカラー表示をフロントウインドーに投射するHUDも採用

 インテリアは「クルマのポテンシャルを最大限に引き出すスポーツギア」をテーマに、インパネ中央のセンターフレームは継ぎ目のないメタル調質感のパーツで構成。SUVらしい力強さを表現する。シートは人間工学に基づく断面形状を採用してホールド性を高め、デザイン面ではプロテクターのような縫製パターンやキルティングデザインの表皮に仕上げている。また、リアシートには世界初の「パワーフォールディング機能付き電動リクライニングリアシート(6:4分割)」を採用。リアシート下側左右、運転席前方、ラゲッジルーム側面などに設置されたスイッチで電動格納&復帰、電動リクライニングなどが操作可能となっている。車内スペースはクラス最大級としており、前後カップルディスタンスはひとまわりボディーサイズが大きいRXとほぼ同等のスペースを確保する。

NXのインパネデザイン
レクサス車らしく、インテリアの加飾パネルやシート色の組み合わせは多岐にわたって用意されている
2眼式のメーターパネルではメーターリングに金属から削り出したような質感を与え、文字盤にはスピン加工した金属調パネルを使用
ハイブリッドモデルの左側メーターにはハイブリッドシステムインジケーターを設定
メーターパネル中央にはカラーTFT液晶の4.2インチマルチインフォメーションディスプレイを装備
センターコンソールのシフトセレクター右側に、ドライブモードセレクトのダイヤルを設置
電動格納&復帰、電動リクライニングなどが可能な「パワーフォールディング機能付き電動リクライニングリアシート(6:4分割)」を世界初採用。シートバックの中央はドリンクホルダー内蔵のアームレストとなる

 このほかに車内の装備では、レクサス車の多くに採用されている「リモートタッチ」をタッチパッド式に変更して、振動フィードバック機能を採用するスタイルに変更。また、センター コンソールボックス内の「おくだけ充電(Qi)」、タッチスイッチ式オーバーヘッドランプなどをレクサス車として初装備している。

タッチパッド式になった新しい「リモートタッチ」では、ナビ操作で「拡大」「縮小」などのボタン表示上にカーソルを動かすと、瞬間的に振動が指先に伝わり操作感を演出
ワイヤレス充電規格「Qi(チー)」に対応する製品を置くだけで充電できるセンター コンソールボックス
触れるだけで発光のON/OFFを操作できるタッチスイッチ式オーバーヘッドランプ
センタークラスターにアナログクロックを設置
エアコンは微粒子イオン「nanoe(ナノイー)」の放出機能を持つ
パワーテールゲートの操作スイッチを運転席の右側前方に設置
シフトセレクターの前方にUSB×2とAUXの外部入力端子を用意する
リアシートの足下中央にはAC100V電源のコンセントをレイアウト

(編集部:佐久間 秀)