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写真で見る レクサス「NX」

 レクサス「NX」は同ブランド初のコンパクトクロスオーバーSUV。2013年のフランクフルトモーターショー、同年の東京モーターショーで公開された「LF-NX」の市販バージョンとなる。

 チーフエンジニアの加藤武明氏によれば、開発は2009年からスタートし、その翌年からはコンセプト作りに着手。その結果、「Premium Urban Sports Gear」をコンセプトに「思わず欲しくなるような魅力的な内外装デザインのプレミアムコンパクトクロスオーバーSUV」を目指すことになったという。

 NXを語る上で外せないのがエクステリアデザインだ。レクサスブランドのアイコンとなっている「スピンドルグリル」を起点に、キャビン前後を絞り込んだ立体的な造形を採用。ロービーム時にL字型に発光する特徴的な「3眼フルLEDヘッドライト」、ISと共通するL字型のクリアランスランプなど、ディテールは異なるもののコンセプトカーから主要なデザインエッセンスを継承している。レクサスブランドのモデルであることを明確に主張しつつも、これまでのモデルとはひと味違った仕上がりとなっているのが特長と言える。

 インテリアのデザインテイストもコンセプトカーから継承。ボディー中央にS字を描く金属調のセンターフレームを配置し、ドライバーを包み込むようなタイトな空間を創造。手が触れる部分は柔らかい素材で覆われており、その一方でスイッチやダイヤルなどではカチッとしたカタマリ感を出すなど、レクサスブランドらしい質感の高い仕上がりとなっている。

 パワートレーンは2タイプ用意される。注目したいのはレクサス初となるターボモデルの存在だ。「8AR-FTS」と名付けられたこのユニットは、2.0リッターの直列4気筒DOHCエンジンに、世界初となる水冷式エキゾーストマニホールド一体シリンダーヘッド+ツインスクロールターボチャージャー、コンパクトな水冷式インタークーラーなどを組み合わせている。さらに直噴システムに吸気ポート形状などを変更したターボ専用となる「D-4ST」、吸気側に中間ロック機構を設けて軽負荷時の燃焼効率を高めた可変バルブタイミング機構「VVT-iW」を採用するなど、きわめて意欲的なユニットに仕上がっている。スペックは最高出力175kW(238PS)/4800-5600rpm、最大トルク350Nm(35.7kgm)/1650-4000rpm。組み合わされるトランスミッションは新開発となるインテリジェントタイプの6速ATで、パドルシフトやコーナーリングでの変速制御を最適化する「G AI-SHIFT」を採用。駆動方式は2WD(FF)と4WDが用意される。

 もう一方はトヨタ「ハリアー」にも搭載されている2.5リッター直列4気筒エンジン「2AR-FXE」と、フロントに「2JM」モーターを搭載したハイブリッドモデル。スペックもハリアーと変わらず、それぞれエンジンが最高出力112kW(152PS)/5700rpm、最大トルク206Nm(21.0kgm)/4400-4800rpm、モーターが最高出力105kW(143PS)、最大トルク270Nm(27.5kgm)を発生。組み合わされるトランスミッションはCVTで、2WD(FF)のほか、リア側にもモーター(2FM)を搭載した電気式4輪駆動システム「E-Four」モデルも用意される。

 グレードはターボモデルが「NX200t」、ハイブリッドモデルが「NX300h」となり、それぞれ標準モデルのほかに「version L」「F SPORT」「I package」が設定される。2WD(FF)車の価格はNX200tが428万円~492万円、NX300hが492万円~556万円。4WDモデルは各26万円高となる。

NX200t

撮影車両はNX200t F SPORT。ボディーカラーはエクシードブルーメタリック
ボディーサイズは4630×1845×1645mm(全長×全幅×全高)でホイールベースが2660mm。数字上は「RX」よりひとまわり小さいが、その佇まいと存在感はかなりのもの
ホイールアーチ、バンパー下端などの樹脂部分に新開発のメタルフレーク材着素材を採用することで、金属感のある仕上がりとなっている
立体的な造形のスピンドルグリル。F SPORTのインナー部分は“L”をモチーフとしたメッシュタイプ
フロントフェンダーにF SPORTのバッヂを装着
F SPORTはドアミラー上側がボディー同色ではなくブラックになる
ドアハンドルはキーシリンダーが見えないようにデザインされている
ルーフ後方のアンテナはシャークフィンタイプ
リアゲート左下にグレードを示すバッヂを設定
トルクフルなダウンサイジングターボエンジンの8AR-FTS
ターボエンジン車は横方向からも開口部が見える立体的な造形の「デュアルマフラーカッター」を装着
オプションとなるダークプレミアムメタリック塗装のF SPORT専用アルミホイール。タイヤサイズも標準の225/60 R18から235/55 R18に変更となる
NX200tの標準モデルにディーラーオプションを装着した車両。ヘッドライトはロービームのみがLEDとなり、グリルも横桟タイプになる。オプション品としてはボディー同色のフェンダーアーチモール、エアロパーツなどが装着されている。ボディーカラーはファイアーアゲートマイカメタリック
サイドバイザーやCピラーに追加されたエアロスタビライジングフィンもオプションパーツ
オプションのブラックスパッタリングアルミホイール。タイヤサイズは標準と同じ225/60 R18
質感の高さを感じさせるインパネまわり。インテリアカラーとオーナメントパネルは選択可能で、撮影車両はブラックと縞杢(オプション)の組み合わせ
ステアリングは左右のグリップ部にパンチングレザーを使ったF SPORT専用タイプ
スタータースイッチはシンプルなダークカラー
メーターはリング部にホワイトの帯をあしらった専用タイプ
メーター中央のマルチインフォメーションディスプレイもブースト圧表示やGモニターが可能な専用タイプ
センターコンソール前側にシフトセレクターやナビ&オーディオ用のタッチパッド式リモートタッチなどの操作系がまとめられている
マニュアルモードを備えた6速ATとドライブモードセレクトのダイヤル。「NAVI・AI-AVS(F SPORTは標準)」装着車は「ノーマル」「ECO」に加え「SPORT S」「SPORT S+」の4モードを切り替え可能
アルミ製スポーツペダル&フットレストはF SPORT専用
インパネ中央上部にはエアコン操作パネルとアナログ時計を設置。最下段はF SPORTとversion Lに標準装備されるシートヒーターとベンチレーション機能のスイッチ
リモートタッチのタッチパッド部分にはイルミネーションを内蔵
リモートタッチ後方にあるフタ付の収納。取り外し可能なフタは裏側がミラーになっている
金属調の加飾付カップホルダー
ニーパッドに使われている「LEXUS」の文字が入ったボルトはLFAでも使われたもの
高級車らしくグローブボックス内部も植毛されている。撮影車両はNX200tの標準モデル。足下に見えているのはオプション品のクリーンボックス
スカッフプレートは全車標準。F SPORT(写真)はロゴがブラックの専用タイプ
F SPORTは専用の本革スポーツシートを装着。ISのF SPORTと同じ「表皮一体発泡工法」により高いフィット感を実現
標準モデルのみに採用するファブリックシート。カラーは「ガーネット」
リアシートは6:4分割可倒式
シート中央にはカップホルダー付のアームレストが備わる
左右別にリクライニング量を変えることが可能
トノボードはラゲッジスペースのフロア下に収納可能。パンク修理キットが標準で、写真のスペアタイヤは全車オプション

NX300h

撮影車両はversion L。ボディーカラーは新色のソニッククォーツ
横桟タイプのグリルやブラックのロアバンパーモールなど、F SPORTとはまた違った印象を受ける
リアドアの下側にハイブリッドのバッヂを装着。従来から使ってきたブルーの使うタイプとは別のデザインだ
NX300hのバッヂはブルーのアクセントが入ったハイブリッド車共通のテイスト
トヨタのハリアーと同じハイブリッドシステムを搭載
マフラーを見せない「デュアルアンダーフィン」スタイル
version Lは225/60 R18タイヤが標準サイズ。撮影車両はブリヂストンのSUV向けタイヤ「デューラーH/L」を履いていた
3眼フルLEDヘッドライトとアロー形状のクリアランスランプがNXの大きな特長
ヘッドライトの点灯パターン。3眼フルLEDヘッドライトはversion LとI packageに標準、F SPORTはオプション
フロントバンパー下部にはLEDフォグランプとコーナリングランプを装備
リアコンビネーションランプのデザインは全車共通
撮影車両はシート&トリムカラーが「サドルタン」、オーナメントパネルは「バンブー」の組み合わせ
パドルシフト付き本革ステアリングを装備。標準モデル以外はステアリングヒーターが標準装備される
ペダルはごく普通の2ペダル
パワースイッチはハイブリッド車共通のブルー
シフトまわりのレイアウトにガソリン車と大きな違いはないが、アイドリングストップスイッチの代わりに「EV MODE」スイッチが付く
ステアリングコラム右側のスイッチ群。パワーリアシート装着車は運転席からも操作可能
ステアリングコラム右側のスイッチ群にはパワーバックドアやブラインドスポットモニターなどのスイッチも用意されている
ハイブリッドモデルの2眼式メーターパネルでは、左側メーターをパワーメーターとタコメーターに切り替え可能
メーターパネル中央に4.2インチのカラー液晶を使ったマルチインフォメーションディスプレイを用意。エネルギーモニターや航続可能距離などの各種情報を表示できる
カラーヘッドアップディスプレイは全車オプション。コンバイナーを使わないタイプでスッキリと鮮明な表示
ヘッドアップディスプレイ用のスイッチはステアリングコラム左側にレイアウト
パイオニア製の「レクサスNXプレミアムサウンドシステム」を全車標準
version LとF SPORTには“マークレビンソン・プレミアムサラウンドサウンドシステム”がオプション設定される
センターコンソールにはリッド付きの収納スペースを用意
“qi”対応機器などを充電できる“おくだけ充電”は全車にオプション
クルマの前後、左右ドアミラーに装着したカメラで車両上方から見たような映像を表示する「パノラミックビューモニター(左右確認サポート付)」をレクサス初採用。全車オプション設定となる
BluetoothやVICS 3メディア対応のSDナビゲーションシステムは全車標準装備。ディスプレイサイズは7インチ
ルーフにはタッチ式スイッチを採用したオーバーヘッドランプなどのほか、ヘルプネット用緊急通報スイッチなどが備わる。ヘルプネットを含めた「G-Link」は3年間無料
車両後部までカバーする大型のパノラマルーフは全車にオプション設定
ホワイトオーカーのインテリアカラー
version Lは本革シートが標準。撮影車両のシートカラーはサドルタン
運転席のドアトリム。ドアは縦方向にかなり大きいことが分かる
パワーウインドーは全ドアワンタッチ式。運転席ポジションメモリーのスイッチもここに備わる
リアシート。ハイブリッド用バッテリーはこのシート下に置かれている
リアパワーシート車の場合、調整用スイッチがベース部分に設置される
センターコンソール後端にAC100V用コンセントが備わる
リアシートをアレンジしたときのラゲッジスペースバリエーション。リアシートを倒さなくても9.5インチのゴルフバッグが最大4個収納可能なスペースが確保されている
標準のパンク修理キットではラゲッジフロア下が大きな収納スペースになる
ラゲッジスペース側面にもリアパワーシートの操作スイッチを用意
フロア横にはツール収納スペースを設定
F SPORTはパフォーマンスダンパーを装備。ラゲッジスペースからもその存在を確認できる
パワーバックドアはversion Lに標準、それ以外はオプション設定となる

(安田 剛)