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ホンダ、新安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を発表、年内発売予定の新型レジェンドから搭載

ステアリングを回避方向に制御する世界初の「歩行者事故低減ステアリング」など6つの新機能を追加

2014年10月24日発表

新安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」のシステム概要

 本田技研工業は10月24日、新しい安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」についての発表を行った。「Honda SENSING」は、国内では年内に発売を予定している新型「レジェンド」から適用され、その後搭載車種を拡大していく構え。

 「Honda SENSING」は、フロントグリル内に設置するミリ波レーダーと、フロントウインドー内上部に設置した単眼カメラの異なる2種類のセンサーで構成される。

 既存車種でも使われるミリ波レーダーは性能が高められ、対象物体の位置や速度に加え、検知が難しいとされている電波の反射率が低い歩行者までを検知対象とした。また、単眼カメラでは、車両前方約60mまでの歩行者や対象物体の属性や大きさなどを識別し、より精度の高い認識を可能にしたという。

 これらのセンシングデバイスの精度向上により、これまでの運転支援システムに世界初となる「歩行者事故低減ステアリング」など新たに6つの機能を追加している。

Honda SENSINGの主な機能

衝突軽減ブレーキシステム(CMBS)

 ミリ波レーダーと単眼カメラで前走車、対向車、歩行者を検出。前走車や歩行者との衝突の恐れがある場合に音と表示で知らせ、さらに接近した場合は軽いブレーキをかけて体感的に警告。さらに接近した場合は強いブレーキをかけ回避操作を支援。

 また、対向車線にはみ出して対向車と衝突する恐れがある場合は、音と表示に加えステアリングの振動で警告し、回避操作を促す。さらに接近し、回避行動が間に合わない場合はブレーキが作動し、衝突速度を低減して被害の軽減を図る。

路外逸脱抑制機能

 単眼カメラで走行車線を検知。車両が車線を逸脱しそうな場合に、ステアリング振動と表示で警告を行うとともに、車線内へ戻すようにステアリングを制御。また、逸脱量が大きいと予測された場合は、ブレーキ制御により路外逸脱を抑制する。

LKAS(車線維持支援システム)
 65km/h以上で走行している場合に作動。単眼カメラで走行車線を検知し、車両が車線の中央を維持するように高速道路でのステアリング操作を支援し、運転負荷軽減を図る。また、制御中に車線を逸脱しそうになる場合、ステアリング振動による警告も行う。

渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール
 ミリ波レーダーと単眼カメラで前走車との車間距離と速度差を検知。適切な車間距離を保つようにアクセルやブレーキの制御を行う。また、作動範囲を停止まで拡大し、高速道路における渋滞時などの運転負荷軽減を図る。

歩行者事故低減ステアリング(世界初/2014年10月現在)

 ミリ波レーダーと単眼カメラで路側帯の歩行者や白線などを検知。歩行者側の車線を逸脱し、歩行者との衝突が予測された場合に、音と表示に加え、ステアリングを回避方向へ制御することで、ドライバーの回避操作を促す。

標識認識機能

 単眼カメラで道路標識を検知。マルチインフォメーションディスプレイやヘッドアップディスプレイに表示することで標識への注意を促し、安全運転を支援する。

誤発進抑制機能
 停車中あるいは極低速走行中、近距離に前走車などがあることをミリ波レーダーが検知。急にアクセルペダルを踏み込んだ場合の急加速を抑制し、音と表示およびアクセルペダル振動で接近を知らせる。

先行車発進お知らせ機能
 停車時に先行車両の発進をミリ波レーダーが検知。先行車の発進を音と表示で知らせる。

(編集部:小林 隆)