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【2014 WTCC】無敵艦隊“シトロエン”が鈴鹿を席巻、S・ローブは3位スタート

ホンダ勢はミケルズの6位が最高位、タルクィーニがレース2のポールスタート

2014年10月24日~26日開催

 2014 FIA 世界ツーリングカー選手権シリーズ JVCKENWOOD 日本ラウンドは、10月24日~26日の3日間に渡り三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで行われている。10月25日には予選が行われ、今シーズンのWTCCを独走しているシトロエン勢の3台が1位、2位、3位を独占した。ポールポジションは、ポイントリーダーであり、この日本ラウンドでワールドチャンピオンを獲得する可能性があるホセ・マリア・ロペス。2位は2013年のチャンピオンであるイヴァン・ミューラー、3位はWRC9年連続チャンピオンで今年からWTCCに転向しているセバスチャン・ローブ。

37号車 シトロエン・CエリーゼWTCC ホセ・マリア・ロペス選手
1号車 シトロエン・CエリーゼWTCC イヴァン・ミューラー選手
9号車 シトロエン・CエリーゼWTCC セバスチャン・ローブ選手

 なお、地元ホンダ勢は、サテライトチームのノルベルト・ミケルズの6位が最上位で、ワークス勢も含めて上位5台を決める予選2回目(Q2)で脱落し、スーパーラップ型式で争われる予選3回目(Q3)に駒を進めることができない結果となった。明日、日曜日のレースでは、レース1は予選結果通りの順位でスタートし、レース2に関しては予選結果のうち上位10台がリバースグリッドになるため、予選10位だったタルクィーニがポール・ポジションからスタートすることになる。

順位号車クラスドライバー名マシン名Q3Q2Q1
137TC1ホセ・マリア・ロペスシトロエン・CエリーゼWTCC2:06.2772:05.6052:05.439
21TC1イヴァン・ミューラーシトロエン・CエリーゼWTCC2:06.1152:05.5122:05.514
39TC1セバスチャン・ローブシトロエン・CエリーゼWTCC2:06.8542:05.7612:05.590
43TC1トム・チルトンシボレー・RML クルーズ TC12:06.7902:06.0352:06.321
57TC1ヒューゴ・バレンテシボレー・RML クルーズ TC12:07.7162:06.7452:06.703
65TC1ノルベルト・ミケリスHondaシビックWTCC2:07.8032:06.865
710TC1ジャンニ・モルビデリシボレー・RML クルーズ TC12:07.2512:06.906
84TC1トム・コロネルシボレー・RML クルーズ TC12:07.3432:06.993
998TC1ドゥサン・ボーコビックシボレー・RML クルーズ TC12:07.5232:07.132
102TC1ガブリエーレ・タルクィーニHondaシビックWTCC2:07.0412:07.305
1118TC1ティアゴ・モンテイロHondaシビックWTCC2:07.6502:07.715
1225TC1メディ・ベナーニHondaシビックWTCC2:07.8512:08.140
1312TC1ロブ・ハフラーダ・グランタ 1.6T2:08.241

期待のホンダ勢はQ3には進めず、ミケルズの6位が最上位という結果に

 今年のWTCCは、予選は1回目(Q1)、2回目(Q2)、3回目(Q3)と3回に分けて行われる。Q1では上位12台がQ2へ進み、Q2では上位5台がQ2へ進む形となる。Q3はいわゆるスーパーラップ型式で行われ、Q2での順位の逆順(つまりQ2で5位の選手から)で1周のアタックラップで順位が決定される。明日の日曜日に2レース行われるレースのうち、レース1は予選順位通りのグリッド順で、レース2はトップ10がリバースグリッドで行われることになる(つまり予選10位の選手がポール、以下9位が2番グリッド……となり、予選1位の選手が10番グリッドになる)。

 15時30分より行われたQ1では、途中デグナーでTC2の車両が飛び出してサンドトラップから抜け出せなくなる状況が発生したため、開始10分程度で赤旗中断の波乱はあったものの、概ね順位は順当な結果となった。惜しくもQ2に進めない13位となったのは、ロシアのラーダをドライブするロブ・ハフ(2012年のWTCC王者)。チームメイトのジェームス・トンプソンも14位となっており、ラーダ勢は全車Q1で脱落になってしまった。

 引き続き行われたQ2でもドラマが起きた。1回目のアタックラップに入っていた、セバスチャン・ローブが前車がミスしたあおりを避けようとして130Rでコースアウトし、そのままピットインすることになってしまったのだ。残り4分の段階でローブはノータイムのままで、そのままではQ2落ちが確定してしまう可能性がでてきていた。また、ホンダのサテライトチームのノルベルト・ミケルズ(も同様にピットインしてノータイムのままとなっており、ローブとほぼ同じようなタイミングでピットインして、ピットアウトした。この時点で二人に残されていたのは、1周のアタックのみで、そのアタックラップで決めないとQ2で下位に沈むというプレッシャーの中でのアタックになった。そうした中で、まずはミケルズが5位のタイムを出し、ホンダ勢の中で唯一Q3への進出を決めたかに見えたが、直後にローブが3位に飛び込むタイムを出したため、ミケルズは押し出されて6位に終わり、ホンダ勢は全車Q3へ進めないという残念な結果になった。

ホンダ勢最上位の5号車 HondaシビックWTCC ノルベルト・ミケリス選手
2号車 HondaシビックWTCC ガブリエーレ・タルクィーニ選手
18号車 HondaシビックWTCC ティアゴ・モンテイロ選手

ロペス、ミューラー、ローブの順でシトロエンが1-2-3から明日のレース1を発進、チャンピオン決定レースとなる可能性が高い

 スーパーラップ型式となったQ3では、5位のヒューゴ・バレンテ(7号車 シボレー・RML クルーズTC1)、4位のトム・チルトン(3号車 シボレー・RML クルーズTC1)の順でアタックが始まり、3人目に登場したのが、WRC王者9回のセバスチャン・ローブ(9号車 シトロエン・Cエリーゼ WTCC)。ローブはそれまでの二人のタイムを更新してベストタイムを出すと、サーキットの盛り上がりは最高潮に。その後に登場したのが同じシトロエンのホセ・マリア・ロペス(37号車 シトロエン・Cエリーゼ WTCC)。ポイントリーダーのロペスはセクター1で若干のミスを犯して、ローブよりもタイムは悪かったものの、セクター2、セクター3を綺麗にまとめてローブのタイムからわずか1/10秒速いだけのタイムでトップにたった。最後に登場したのがQ2でトップだった昨年のチャンピオンのイヴァン・ミューラー(1号車 シトロエン・Cエリーゼ WTCC)。ミューラーはセクター1、セクター2でロペスを上回るタイムでポール獲得なるかとみられていたが、最後のセクター3で若干タイムを失い、ロペスから約0.06遅いだけの僅差で惜しくも2位になり、ポールはポイントリーダーのロペスが獲得することになった。

7号車 シボレー・RML クルーズ TC1 ヒューゴ・バレンテ選手
3号車 シボレー・RML クルーズ TC1 トム・チルトン選手

 これにより、ロペスはポールポジションの得点となる5点を獲得し、予選2位のミューラーが獲得した4点との差で1点差をさらにつけることになった。現在ポイントリーダーのロペスは2位のミューラーに94点差をつけており、レース1終了時点で80点差をミューラーに対してつけると、明日のレース1で早くも今年のWTCCドライバーチャンピオンの座を獲得することになる。

予選終了後の記者会見
見事ポールポジションを獲得したホセ・マリア・ロペス選手
予選2位となったイヴァン・ミューラー選手
セバスチャン・ローヴ選手は予選3位
TC2で1位となったフランツ・エングストラー選手

地元ホンダ勢はレース2をポールポジションからスタート、地元優勝に期待がかかる

ホンダ勢には地元レースとなるだけに巻き返しを期待したい

 気になる地元のホンダ勢は前述の通りミケルズが6位で、ワークス勢はガブリエレ・タルクィーニ(2号車 ホンダ シビック WTCC)が10位、ティアゴ・モンテイロ(18号車 ホンダ シビック WTCC)が11位、メディ・ベナーニ(25号車 ホンダ シビック WTCC)が12位となった。このため、明日のレース2に関しては、タルクィーニがポールポジションからスタートすることになり、抜きにくいと言われる鈴鹿サーキットであるだけに、地元優勝に期待が高まるところだ。実際、ホンダはベナーニが前戦上海でのレース2で優勝を遂げており、全体的にパフォーマンスも上がってきているとみられており、地元レースとなるホンダ勢の戦いにも、特にレース2では期待したいところだ。

 レースは明日の14時30分からレース1が、15時40分からレース2が予定されており、それぞれ11周で鈴鹿サーキットのフルコースで争われることになる。なお、レースには当日券も用意されているので、気になるユーザーは鈴鹿サーキットへ足を運んでみるといいだろう。詳しくは鈴鹿サーキットのWebサイト(http://www.suzukacircuit.jp/wtcc_s/)を参照されたい。なお、Car WatchではデジカメWatchと共催で「WTCCフォトコンテスト」(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20140926_668477.html)を開催しており、鈴鹿に足を運ぶチャンスがある方はこちらの応募もお忘れなく。

(笠原一輝/安田 剛/Photo:奥川浩彦)