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【2014 WTCC】ホンダの今シーズン2勝目を、鈴鹿でガブリエーレ・タルクィーニが達成
ミケルズが3位になり、ホンダ勢は1-3フィニッシュを達成
(2014/10/26 17:34)
- 2014年10月26日決勝開催
WTCC(世界ツーリングカー選手権)の日本ラウンドは、10月26日に決勝レースが開催された。15時40分からは、レース2が行われ、リバースグリッド制によりポールポジションからスタートしたワークスホンダチームのガブリエーレ・タルクィーニ(HondaシビックWTCC)が、ポールツーフィニッシュで前戦上海ラウンドでのメディ・ベナーニに次ぐホンダ勢としての今シーズン2勝目を上げた。2位は自身初の表彰台となるシボレーのドゥサン・ボーコビック(シボレー・RML クルーズ TC1)、3位にも同じくホンダ勢のノルベルト・ミケルズ(HondaシビックWTCC)が入った。
今シーズン、開発の出遅れなどから厳しいシーズンが続いていたホンダ勢だが、前戦となる中国上海のレース2でサテライトチームのメディ・ベナーニが優勝するなど徐々に力をつけてきつつあった。リバースグリッドからのスタートとなるレース2での優勝ではあるとはいえ、徐々にシトロエンとの差を詰めつつあることが証明された。なお、レース1優勝したホセ・マリア・ロペスシトロエン・CエリーゼWTCC)は6位、セバスチャン・ローブシトロエン・CエリーゼWTCC)は7位となった。
厳しい年となっているホンダだが、前戦あたりからエンジンなどのパフォーマンスアップを実現
すでにレース1でシトロエンのホセ・マリア・ロペスがドライバーズチャンピオンに輝いていたことからもわかるように、今年はシトロエンが無敵な強さを発揮した年になっており、シトロエンが落としたレースを数えた方が早いぐらいだ。リバースグリッドになるレース2でいくつか落としたぐらいで、多くのレースでレース1、レース2の完全制覇を実現しているのだ。逆に言えば、そのライバルとなるホンダにとっては厳しい年になっており、実際前戦となる中国の上海ラウンドのレース2でようやくサテライトチームのメディ・ベナーニが優勝することができたという状況で、ホンダにとってつらい一年になっていた。
前日の予選後に開催された記者会見で、ホンダ WTCCプロジェクトリーダー 堀内大資氏は「本来なら15年からの新型車が14年に前倒しされたことで、昨年のレースに参戦しながら開発することになり準備不足のまま参戦することになった。このため、エンジンも車体も準備不足のまま今年のレギュレーションにあったものを入れるだけでスタートすることになった。エンジンなどもホロモゲ-ションされているので大きく変えることはできないが、その中でできるだけ開発を続け、北京で新しい改良を入れ、それが鈴鹿に向けてパワーを1段階上げることになった」と述べ、ホンダにとっても突然のレギュレーション変更に対応するだけの年になってしまったと説明している。そうした中で、エンジンの多くの部品を変えることができない中、ECUのスペックを上げるなど細かな改良を加えてきており、徐々に性能は上がっているのだという。
レース2でのタルクィーニの走りはそうしたホンダのパフォーマンスアップを象徴するレースとなった。予選は10位となったため、リバースグリッドとなったレース2をポールポジションからスタートし、結局スタートを決めた後は、他車に脅かされることはなく、そのままトップでゴールした。タルクィーニは「予選は非常に厳しい結果だったが、幸運ににもポールからスタートできたので、シボレーやシトロエンにも負けないぐらいレースペースはよかった」と述べ、レースペースが大幅に改善されており、来年に向けては予選での性能を改善すれば、シトロエンやシボレーと互角の戦いができるだろうとした。
なお、2位は自身初の表彰台となったドゥサン・ボーコビック、3位はスタートで順位を上げたノルベルト・ミケルズが入った。両者は1周目の終わりのシケインで接触したが、大事には至らず、いずれも走り続けることができ、両者ともにとくに順位変動無く表彰台を獲得した。
レース1優勝のシトロエン勢は5位、6位、7位で、S・ローブは7位に
4位以下は非常に激しいレースが展開され、スタートが終わると、4位トム・コロネル(シボレー・RML クルーズ TC1)、5位はヒューゴ・バレンテ(シボレー・RML クルーズ TC1)、6位はイヴァン・ミューラー、7位はセバスチャン・ローブ、8位はホセ・マリア・ロペスという順位になった。
抜きにくい鈴鹿の特性を反映してか、中々順位変動が起きないという緊張感があるレースになっていたが、大きく順位が動いたのは5周目のシケイン。5位を走っていたバレンテのイン側に、6位のミューラーがノーズをねじ込む形で両車が接触、バレンテのシボレーにミューラーがTボーンクラッシュする形になった。これによりバレンテのシボレーは大きなダメージを負い、そのままリタイアになった。さらに、その接触の余波を受ける形で失速したローブを、スプーンでロペスがオーバーテイクして、6位に上がることになった。
その後は、シトロエンの3台は5位ミューラー、6位ロペス、7位ローブの順で徐々に4位のコロネルに近づいていく展開になったが、コロネルのすぐ後ろまで迫ってきたのだが、結局オーバテイクには至らず、4位コロネル、5位ミューラー、6位ロペス、7位ローブの順でゴールした。なお、TC2車両を利用したヨコハマトロフィーは、レース1の勝者だったフランツ・エングストラーがドライブシャフトを破損してリタイアしたため、ジョン・フィリップが優勝した。