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【2014 WTCC】ホセ・マリア・ロペスがWTCC王座をレース1優勝で獲得
S・ローブは3位入賞、ホンダ勢最上位はミケルズの4位
(2014/10/26 16:03)
- 2014年10月26日決勝開催
WTCC(世界ツーリングカー選手権)の日本ラウンドは、10月26日に決勝レースが開催された。14時30分から行われたレース1では、ポールポジションからスタートしたホセ・マリア・ロペス(シトロエン・CエリーゼWTCC)が優勝し、ランキング2位だったチームメイトのイヴァン・ミューラー(同)がリタイアしたことで、自身初めてとなるWTCCワールドチャンピオンの座を獲得した。アルゼンチン人がFIAタイトルがかかったワールドチャンピオンを獲得したのは、1957年にファン・エマヌエーレ・ファンジオがF1世界選手権で5回目のタイトルを獲得して以来となる。
2位はシボレーのトム・チルトン(シボレー・RML クルーズ TC1)、注目の9回のWRCチャンピオンに輝いたセバスチャン・ローブ(シトロエン・CエリーゼWTCC)が3位を獲得し、見事初めての鈴鹿のレースで表彰台を獲得した。ホンダ勢の最上位はノルベルト・ミケルズ(HondaシビックWTCC)が獲得したが、シケインの不通過により今後ペナルティを科される可能性もある。下位クラスのヨコハマトロフィーはフランツ・エングストラ(BMW 320 TC)が優勝した。
ファンジオ以来となる4輪のアルゼンチン人チャンピオンに輝いたホセ・マリア・ロペス
太陽が路面を照らしつけるほど好天の下で行われたレース1では、注目のスタートは特に大きな波乱もなく静かなレーススタートとなった。レースではポールポジションを獲得した、ホセ・マリア・ロペスが抜群のスタートを切り、チャンピオン争いを繰り広げるチームメイトで予選2位のイヴァン・ミューラーに大きな差をつけて1コーナーに飛び込んでいった。これに対して予選3位となったセバスチャン・ローブはスタートに失敗し、予選4位のトム・チルトンと5位ヒューゴ・バレンテ(シボレー・RML クルーズ TC1)がローブを抜いて、4位にあがる展開となった。さらに、130Rにさしかかった折には、チルトンが130Rのアウト側にオーバーランし、4位だったバレンテが3位にあがる展開となった。
1周目を終えると順位はロペス、ミューラー、バレンテ、チルトン、ローブ、ミケルズ、ガブリエーレ・タルクィーニ(HondaシビックWTCC)という順位になったが、1位と2位のシボレー2台が徐々に、3位のバレンテ以下を引き離し、3位以下は7位のタルクィーニまで数珠つなぎにつながる展開となり、緊張感のあるレースが展開されることになった。上位2台は最初の数周こそ非常に接近したレースになっていたが、徐々にトップのロペスが2位のミューラーを引き離す展開となった。
レースが大きく動いたのは7周目で、ヘアピンの手前で2位を走っていたミューラーが突如としてスローダウン。ミューラーはそのままピットに入りリタイアとなることになった。車に何らかのトラブルを抱えたとみられているが、その原因は不明だ。これによりロペスの勝利はほぼ確定し、そのまま11周までに後続に10秒近い差をつけて、そのままトップでゴールした。これによりランキング1位、2位である両者のポイント差は119点差になり、残り3戦(鈴鹿のレース2と最終戦の2レース、予選のポイント)で獲得出来る最大ポイントである80点の差をつけたことで、ロペスがWTCCフル参戦初年度での初のタイトル獲得が決定した。なお、アルゼンチン人のドライバーがFIAのタイトルがかかった4輪レースの世界選手権でチャンピオンになるのは、1957年のファン・エマヌエーレ・ファンジオがF1世界選手権の5度目のタイトルを獲得して以来のことになる。
終盤に2位以下が激しい争い、チルトン、S・ローブが逆転で2位、3位を獲得
2位以下の激しいレースはミューラーのリタイア後も続き、バレンテ、チルトン、ローブ、ミケルズ、タルクィーニの順で展開していった。特に4位のローブが何度も前のチルトンに仕掛けるものの、抜くまでには至らないという緊張感のあるレースが展開されていたが、それが大きく動いたのがゴールまであと2周となった10周目。スプーンで3位のチルトンが2位のバレンテに仕掛け、立ち上がりでインからバレンテをオーバーテイク。さらに裏ストレート終わりの130Rでバレンテはコース外に飛び出し、それを利用してローブがバレンテをオーバーテイク。続いてミケルズもバレンテを抜こうと仕掛けるが、シケインで止まりきることができず、シケインをショートカットする形でコースに戻ったため、チルトン、ローブも抜いてしまうことになった。その後すぐにチルトン、ローブには順位を戻したものの、最終的にはバレンテの前となる4位でゴールすることになったため、ミケルズに対してはシケインのショートカットで利益を得ていないのかがレース後に審議されることになった。
レースはそのままゴールし、2位チルトン、3位ローブ、4位ミケルズ、5位バレンテ、6位タルクィーニ、8位トム・コロネル(シボレー・RML クルーズ TC1)、9位ティアゴ・モンテイロニ(HondaシビックWTCC)、10位ジャンニ・モルビデリ(シボレー・RML クルーズ TC1)となった。なお、TC2車両を利用して争われるヨコハマ・トロフィーはクラス1位のグリッドからスタートしたフランツ・エングストラが優勝した。