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JAL、女性スタッフの手で運航する恒例の「ひなまつりフライト」を実施

2014年3月3日 実施

 JAL(日本航空)は3月3日、パイロットや整備士なども含めて、全て女性スタッフで運航する「ひなまつりフライト」を実施した。

 ひなまつりフライトは、毎年3月3日のひな祭りに合わせて行なっているもので、今年で7回目。CA(客室乗務員)や地上係員だけでなく、運航乗務員(操縦士、副操縦士)や、地上で飛行機の離発着に関わる作業を行なうグランドハンドリングスタッフを含め、女性スタッフのみで運航を行なう。ただし、整備の最終チェックのみは男性が行なっている。

 今年のひなまつりフライトは、東京(羽田)発/長崎行き(10時5分発/12時10分着)のJL1843便で、使用機材はボーイング737-800型機(登録記号:JA325J)が割り当てられた。

 同便は藤 明里機長、長森明子副操縦士のコンビで運航。過去にも同じコンビでの乗務があったが、同社のボーイング737の乗務員は機長1名、副操縦士2名が在籍しており、藤機長と2名の副操縦士のどちらかのコンビで携わる格好になっているという。CAは4名が乗務。

 出発前には、本来は機内等で行なうブリーフィングを特別にオペレーションセンターで実施。藤機長は「あいにくの天気なので、なるべく揺れないところを探すことに徹したい。スタッフが手づくりで、スペシャルなフライトに乗ったと実感いただけるものを用意しているので楽しんでほしい」とコメントした。

2015年ひなまつりフライトに乗務する運航乗務員と客室乗務員
藤 明里機長(左)と長森明子副操縦士
出発前ブリーフィングの様子

 同便の出発ゲートではひな人形が飾られるなど、ひなまつりフライトを演出。セレモニーでは、同便に携わった各職場のスタッフ10名が整列し、それぞれの仕事について紹介を行なった。また、搭乗客にはひなあられと手書きメッセージがプレゼントされた。

搭乗ゲートには、ひなまつりフライトの案内やひな人形などが飾られている
運航に携わる女性スタッフの紹介。同便は満席となるほどの人気で、乗客からの写真撮影のリクエストにも応じていた
搭乗時にはひなあられと手書きメッセージをプレゼント。普段は地上にいるグランドハンドリングスタッフらも一緒に乗客を出迎えた
航空券の予約、発券を担当するスタッフ
機内食を飛行機に積み込むスタッフ
ラウンジスタッフ
地上係員(グランドスタッフ)
整備士
客室乗務員
同便の長森明子副操縦士
グランドハンドリングスタッフ
サービサーと呼ばれる車両を用いて給油を行なうスタッフ
運航管理を行なうスタッフ

 その後、地上スタッフらによる出発準が進められ、10時10分に駐機場を離脱。10時32分に幼児2名を含む167名の乗客とともに長崎へ向けて離陸した。

 ちなみに、職場によってはまだまだ女性比率が少ないところもあるそうだ。藤機長は「全体の比率は少ないが多くの訓練生も出てきており、これからどんどん進出してきてくれると信じている」とコメントするほか、整備士や機内食積み込みスタッフからは、職場で女性が少ないこともあって、ひなまつりフライトに携われたことを喜ぶ声も聞かれた。

荷物、機内食の積み込みや機外での出発準備など、全て女性スタッフが行なっている
同便へ荷物を積み込む車両は、ひなまつりにちなんだシールで飾られている。この日のために手作業で準備したもの
準備が整いプッシュバックが始まる
トーイングカーのスタッフ
プッシュバック完了後、トーイングカー側のバーを外す
続いて飛行機側のバーを外す
外したバーをトーイングカーに積み込み
機内との通信用機器を取り外す
地上スタッフからパイロットへ準備完了のサイン
こちらは見送りのスタッフ。横断幕のほか、手づくりうちわなどを用意。最後まで乗客を見送った

(多和田新也)