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IOC バッハ会長「トヨタはモビリティ分野でのリーダー、理想のパートナー」

トヨタとIOC「TOPパートナー」契約、豊田社長「持続的成長可能な未来を一緒に創っていきたい」

2015年3月13日発表

トヨタの豊田章男社長とIOCのトーマス・バッハ会長

 トヨタ自動車とIOC(国際オリンピック委員会)は3月13日、2020年の東京オリンピックを含む2024年までのIOC「TOPパートナー」契約の締結を発表。発表会場には、トヨタの豊田章男社長が出席し、TOPパートナー契約の狙いや、東京オリンピックにむけた意気込みなどを語った。

 今回、トヨタが締結したIOC「TOPパートナー」は、オリンピックの最高レベルのグローバルスポンサーシッププログラムで、夏季・冬季オリンピック大会および関連活動について、スポンサー企業がグローバルで支援を行うもの。

 対象製品は自動車と限定せずに「モビリティ」とし、対象期間は2015年~2024年となっている(2015年~2016年の権利対象国は日本のみ。2017年からグローバルの権利)。

 今回のパートナーシップに関して、豊田社長は「トヨタをスポンサーに選んでいただいたのは、持続的成長が可能な未来を一緒に創っていこうということだろうと私は理解をしている」と述べ、続けて「初めてバッハさんにお会いした時に”持続可能なオリンピックを目指したい”とのお話を伺い、私たちもグローバルビジョンで持続的成長を掲げており、バッハさんのお話には大変共感しました」と、これまでの経緯を話した。

 一方、トヨタをTOPパートナーに選んだ理由について、IOCのトーマス・バッハ会長は「オリンピックの開催において交通マネージメントというのは常にチャレンジの連続だった。また、オリンピックの運営においてもサスティナブルにしたいと考えていた」と話し、続けて「自動車の分野とカテゴリーとせずモビリティとしたのは、新しい考えかたを取り入れたかったから。モビリティの分野においてトヨタは社会のリーダー、しかもサスティナビリティ分野においてのリーダーであることが重要。商品も非常にクリエイティブで、その上で、トヨタは理想的なパートナーであるといえる」と理由を述べた。

 また、オリンピックのスポンサーとなる狙いについて、豊田社長は「スポンサーというと、マーケティング効果など説明を求められがちであるが、これまでトヨタを育てていただいた社会への恩返しという気持ちを強く持っている」との考えを示し、加えて「トヨタの歴史は苦難の連続、多くの人の力添えがなければ今日のトヨタは存在しないという感謝の表れ。私自身も社長に就任して以来、厳しい出来事が続いてきたのも現実。バッハさんの”世界中の人々を元気にする笑顔にする力がスポーツにはある”というように、私自身もスポーツに育てられたと思っている。スポーツに対して少しでも恩返しができればと思っている」と、オリンピックやスポーツへの思いを話した。

 さらに、2020年の東京オリンピックに向けて、豊田社長は「2020年の東京オリンピックは日本に注目いただける大変いい機会」とし、加えて「クルマは交通事故や公害、渋滞、ネガティブな部分もあるが、この東京をショーケースにして未来のモビリティはこんなこともできると世界に示したい」と話した。

 また豊田社長は「数あるモビリティの中で、クルマは”愛車”というように愛のつく工業製品、そういったものを期待されていると思っている。この東京・日本でどのようなものを示せるか、(2020年まで)5年という限られた期間であるが期待していただきたい」と、意気込みを示した。

「トヨタをスポンサーに選んでいただいたのは、持続的成長が可能な未来を一緒に創っていこうということだろうと私は理解をしている」と述べる豊田社長
「トヨタはサスティナビリティ分野においてのリーダーである」と述べるIOCのトーマス・バッハ会長
IOCの竹田恆和マーケティング委員長(兼 日本オリンピック委員会会長)
「これで豊田さんは他社の車で会場入りをしなくて済む」と会場を笑わせた東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長
調印書を披露
4人でフォトセッション
バッハ会長も試乗したという燃料電池自動車「ミライ」
3輪EV「i-ROAD」

(椿山和雄)