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自工会豊田会長、オリンピックは「未来のモビリティ社会をいかに世界に示すことができるかよいチャンス」
自工会12月度定例記者会見より
(2013/12/19 16:18)
自工会(日本自動車工業会)は12月19日、2013年の年内最後となる12月度定例記者会見を開催した。豊田章男会長は、参加者増となった「第43回東京モーターショー2013」や、先日政府案がまとまった自動車取得税の引き下げなどに触れるとともに、2014年以降の展望を示した。
前回比7%増の90万2800人の来場者を記録した「東京モーターショー2013」
前回比来場者増となった東京モーターショー2013については、「前々回のモーターショーはリーマンショック直後、前回のモーターショーは東日本大震災後の開催だった。約90万人というのは自動車業界として、心1つにいろいろ取り組んできたことの現れ」といい、自工会に属する自動車メーカー14社が持つ先進技術を世界に発信しようという気持ちが来場者に受け止められたとの見解を示した。
豊田会長自身も東京モーターショーを訪れ、「東京モーターショーおもしろそうだね」という声が聞けた点や、家族連れを多く見かけた点がよかったとし、「混雑していたので不便をおかけしましたが、そんな中でも笑顔を見ることができたことが本当によかったなぁと思いました」と語った。
豊田会長は、トヨタ自動車の社長でもあり、その両方の立場で1年を振り返ると「初めて大過なく1年を終える気配ができた。毎日毎日生産ができ、毎日毎日販売ができる、それが初めてできる年になるのではないかと思っている」と語り、リーマンショック、円高、東日本大震災とここ数年続いた苦境と比べて、1年は終わっていないものの、無事に年末を迎えられそうだという安心感を見せた。
それができるのも、政府やユーザーなどさまざま人たちの協力によるものであり、2013年を総括すると「感謝」の年であるとした。
2014年4月の消費税引き上げについて
自動車取得税は引き下げられることが決まったものの、引き下げ幅は消費税の上げ幅に届かず結果として値上げになる。また、軽自動車、2輪車にとっては2014年4月以降は値上げのみとなってしまう。これに関しては、「車体課税の一部引き下げがあったものの、すべて増税となったことは残念」としつつも、環境に優れる自動車の税金がより低額となっていることから、「保有課税である自動車税がいかに環境のインセンティブになっていくのか、7500万台の構造をいかにエコでグリーンにするのか」がポイントであり、需要を創出しながら環境に優しい自動車を社会に普及させていくことが大切であるとした。
そのためのスタートラインが2014年4月から始まる税制であり、消費税10%時には自動車取得税の完全撤廃を図るとともに、毎年の税金である自動車税に関しては、持続的成長が可能な環境に優しい社会の実現のために使われるべきだろうとの見解を示した。
7年後の納期と位置づけた2020年の東京オリンピック
現在の景気の見通しや今後の見通しについては、景気の回復実感はあるとしながら「過去の株価動向、為替動向を見ていると、あるレンジの下限に入った段階である」と、景気回復のスタートラインに立ち、景気回復のトレンドにある段階だという。本当に景気回復できるかどうかは、これからの努力次第となるわけだ。
将来的なトピックとして2020年の東京オリンピック開催が控えていることから、「7年後の納期をいただいたので、未来のモビリティ社会をいかに世界に示すことができるかよいチャンス」と位置づけ、そこで世界の人々に新しいモビリティ社会を具現化して見せると同時に、持続的成長を行っていきたいと語った。