BMW、「1シリーズ」をフェイスリフト、120iとM135iの出力を向上

新型1シリーズの概要について紹介を行ったBMWマーケティングディビジョン プロダクト・マネジメント 清水恵子氏

　ビー・エム・ダブリューは、「1シリーズ」のフェイスリフトを行い5月23日から発売する。価格は298万円～566万円。その新型1シリーズの製品説明会が東京・丸の内の「BMW Group Studio」で行われ、BMWマーケティングディビジョン プロダクト・マネジメント 清水恵子氏が新型1シリーズの概要を紹介した。

　今回発表された新型1シリーズのハイライトは、「スポーティで洗練された印象を高める新世代のBMWデザインを採用してスタイリングを一新」「プレミアム・コンパクト・セグメント唯一の後輪駆動方式や、動力性能をさらに向上したBMWツインパワー・ターボ・エンジンにより、卓越したドライビング・ダイナミクスを実現」「『衝突回避・被害軽減ブレーキ』や『LEDヘッドライト』など、安全かつ快適なドライブに貢献する数々の機能を新たに標準装備」「エントリー・モデルは300万円を切る戦略的な価格設定」の4点。

　エクステリアデザインについては、本国でエクステリア・デザイナーを務めるカルヴィン・ルク氏がビデオレター上でスケッチを描きながら紹介。新型1シリーズのデザインは「Precision＆Poetry（精密さと詩情感）」というアイデアでアプローチを行ったといい、さらなるスポーティさと円熟味を追求。

　ひと目でBMWのモデルであることを認識させるため、走行安全性と快適性を高める「LED ヘッドライト」（ロー/ハイともにLED）が118i標準車をのぞく全車に採用。また、キドニー・グリルとエアインテークはよりワイドに、スポーティなデザインに変更されるとともに、より多くの空気をエンジンに送り込むという役割が与えられていることを紹介。キドニー・グリル・バーは精密な彫刻を思わせるデザインに仕上げたそうで、フロント部での大きなポイントになっているという。

　また、テール部で新採用となったL字型リアコンビネーションライトはワイドさを強調したデザインで、「夜間におけるBMWらしい表情を一層際立たせている」「起伏に富んだ面と精密なラインとの組み合わせがデザインを刺激的にしている」と評するとともに、「このクルマを世に送り出したとことを誇りに思う」と、その完成度に自信を覗かせた。

本国でエクステリア・デザイナーを務めるカルヴィン・ルク氏が、ビデオレター上でスケッチを描きながら新型1シリーズのエクステリアデザインについて紹介

118i M Sport（ボディーカラーはヴァレンシア・オレンジ）。エクステリアでは、LEDハイ/ロービーム、LEDフロント・ターン・インジケータ、LEDスモール・ライト・リングからなる「LED ヘッドライト」を新たに標準装備（のぞく118i標準車）。またキドニー・グリルのデザインを一新するとともに、ワイドさを強調するL字型のリアコンビネーションライトも新採用

インテリアの基本デザインは従来モデルを踏襲するが、従来はマットブラック仕上げだったところハイグロスブラック仕上げとするセンターパネルを採用するとともに、センターパネルの随所に新たにクローム・インサートをレイアウト。より上質さを感じられる仕様とした。後席は60：40分割可倒式となっている

こちらは120i M Sport（ボディーカラーはアルピン・ホワイトIII）

　パワートレーンについては、118iと120iに直列4気筒DOHC 1.6リッターターボエンジンを搭載するが、118iは最高出力100kW（136PS）/4400rpm-6450rpm、最大トルク220Nm（22.4kgm）/1350-4300rpmを、120iは130kW（177PS）/5000rpm、250Nm（25.5kgm）/1500-4500rpmと、異なる出力・トルク特性となっている。120iは、従来から5kW（6PS）の出力向上に成功している。JC08モード燃費は118iが16.6km/Lで、120iでは従来モデルから0.2km/L向上の16.8km/Lを実現。ともに「平成27年度燃費基準＋10％」「平成17年排出ガス基準75％低減レベル」を達成し、エコカー減税に対応。自動車取得税40％、重量税が25％、翌年度の自動車税が50％減税される。

118iに搭載する直列4気筒DOHC 1.6リッターターボエンジン

120iに搭載する直列4気筒DOHC 1.6リッターターボエンジン

　これに加え、「M3」「M5」などのMモデルを手がけるBMW Mが開発に携わったM135iをラインアップし、こちらは最高出力240kW（326PS）/5800rpm、最大トルク450Nm（45.9kgm）/1300-4500rpmを発生する直列6気筒DOHC 3.0リッターターボエンジンを搭載。こちらも従来モデルから出力が5kW（6PS）アップした。0-100km/h加速4.9秒（欧州仕様車値）というパフォーマンスを発揮する一方で、こちらは「平成17年排出ガス基準75％低減レベル」を達成。JC08モード燃費は12.5km/Lとなっている。

　このほかに安全装備では、フロントウインドーに備える前方のカメラで「衝突回避・被害軽減ブレーキ」「前車接近警告機能」「レーン・ディパーチャー・ウォーニング」を機能させるドライバー支援システム「ドライビング・アシスト」を、118i標準車をのぞく全車に標準装備。歩行者検知機能も採用し、歩行者の接近に対してもドライバーに警告を行うとともに衝突回避・被害軽減ブレーキを作動させる。

新型1シリーズのプロダクトハイライト

新型1シリーズのディメンション

「LED ヘッドライト」を新採用

L字型リアコンビネーションライト

重要な操作系がドライバーの手の届く範囲に配置されたコクピット

全モデルに標準装備される「iDrive ナビゲーション・システム」。視認性に優れた8.8インチワイド・コントロール・ディスプレイ、指での文字入力や地図の拡大/縮小が可能なタッチ・パッド付きiDriveコントローラーを搭載する

約50：50の前後重量配分により、スポーティで俊敏なハンドリング性能を実現

118iと120iに搭載する直列4気筒DOHC 1.6リッターターボエンジン

最高出力と最大トルクは118iと120iで異なる。120iでは従来モデルから最高出力が5kW（6PS）向上

トランスミッションにはセグメントで唯一となる8速ATを搭載

エンジンレスポンスやシフトタイミングの最適化など、低燃費走行をサポートする「ECO PROモード」機能を搭載するほか、高速走行中にアクセルを離すとトランスミッションとエンジンを自動的に切り離して惰性走行を行う「コースティング機能」、アイドリングストップ機能といった燃費向上技術が盛り込まれている

M135iのスペック

「ドライビング・アシスト」は118i標準車をのぞく全車に標準装備

車載の通信モジュールを利用し、乗員の安全と車両の状態を見守る「BMW コネクテッドドライブ・スタンダード」を標準装備（のぞく118i標準車）

さまざまな快適機能を標準装備

レーダーの制御によって前方車両との車間距離を維持しながら加減速を行う「アクティブ・クルーズ・コントロール（ストップ＆ゴー機能付）」を、今回新たにオプション設定。1シリーズ全車で選択することが可能になっている

ドライバーの代わりにステアリング操作を自動で行い駐車をサポートする「パーキング・アシスト」機能は、パッケージオプションの「アドバンスド・パーキング・サポート・パッケージ」に含まれる

118i/120iのターゲット層

M135iのターゲット層

主要諸元（抜粋）