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最新の「POTENZA RE-71R」も体感できた「ポテンザ サーキット ミーティング 2015」リポート

山野哲也選手をはじめ、豪華な講師陣によるレッスンも充実のサーキット走行会

2015年6月20日開催

筑波サーキット コース1000

 6月20日、晴天の筑波サーキット(茨城県)コース1000で「ポテンザ サーキット ミーティング 2015」が開催された。

 ブリヂストンタイヤジャパンが特別後援するこのサーキット走行会は、ブリヂストンの最新スポーツタイヤ「POTENZA RE-71R」の開発を担当した山野哲也選手をはじめ、多くのプロドライバーによるドライビングレッスンや同乗試乗、D1/ドリフトマッスルのトップドライバーによるエキシビジョン走行など、サーキット走行以外のプログラムも充実。また、会場ではRE-71Rの貸し出しも行われ、自分の愛車に装着してサーキット試乗できるのも大きな特徴だ。

 サーキット走行は、「サーキットドライブクラス」と「ドライビングレッスンクラス」の2つのクラスを用意。1クラス11~12名で構成され、今回はサーキットドライブクラスが5クラス、ドライビングレッスンクラスが1クラスの計6クラスに分かれての走行となった。なお、POTENZAユーザーには参加費用のキャッシュバックがあったこともあり、合計70名の参加者の半数以上がPOTENZAユーザーで、そのうち16名はすでにRE-71Rを装着していた。

 それでは今回のゲストドライバーを紹介しよう。

SUPER GTでの3年連続チャンピオンや、14度もの全日本ジムカーナチャンピオンに輝いた山野哲也選手。RE-71Rの開発ドライバーでもある
全日本ジムカーナで7度のチャンピオンに輝いた西原正樹選手
サーキットタイムアタックでもお馴染みのターザン山田選手は、開会式で現在参戦中の「GAZOO Racing 86/BRZ Race」でヨコハマタイヤ(横浜ゴム)から参戦する谷口信輝選手を「絶対やっつけます!」と宣言
女子レーシングカートチームのリーダーにしてGAZOO Racing 86/BRZ Raceやポルシェカレラカップに参戦中の塚本奈々美さん
D1GP創成期より参戦しているベテランドリフトドライバーの平岡英郎選手。今年はドリフトマッスルに参戦中だ
D1GPにTeam BOSS with POTENZAから参戦中の箕輪慎治選手

丁寧かつ論理的、そして実践的なドラテク講習

 ドライビングレッスンクラスの講師は西原正樹選手が担当した。

 サーキット未経験者や筑波サーキット コース1000未経験者も参加するなか、レッスンは座学によるサーキットの基礎知識や、ドライビングポジションの解説などが行われた。シート、ステアリング、ペダルのポジションの各々が遠すぎても近すぎてもいけない理由を丁寧に解説。未経験者でも参加しやすい環境が整えられていてた。

 また、このクラスではフルブレーキをコース上で体験してみたり、自分のクルマをプロドライバーが運転しアドバイスが受けられたりするなど、その名の通りレッスン中心のプログラムとなっていた。

サーキット初心者も多いドライビングレッスンクラスではサーキットドライブの基礎などを学んだ
ピットに場所を移しドライビングポジションについての講習が行われた
愛車をプロドライバーが運転&レクチャー。ドライバーはターザン山田選手
ドライビングレッスンクラスのみブレーキ講習も行われた
サーキットにおける基本事項の確認はもちろん全クラス共通だ

 サーキットドライブクラスは、一般的な走行会と同様に走行中心のプログラムとなるが、山野哲也選手によるドラテク講習&タイヤ講習が設けられていて、こちらはタイヤの開発にも携わる山野選手らしく、自らの経験とデータロガーによる裏付けに基づいた論理的なタイヤの使い方を細かく解説。さらに筑波サーキット コース1000の具体的な攻略法についても論理的に説明された。

 余談だが、山野選手はパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム参戦のため、午前中の講義を終えたあと成田空港へ向かった。

山野選手による論理的な「ドラテク講習&タイヤ講習」。コース1000の具体的な攻略法の解説では、熱心にメモをとり続ける受講者の姿も見られた
両クラスともに最初の周回は先導車についていく形でコースイン
午前中のプログラム終了後、山野選手は参加者にパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムへの参戦を報告し成田空港へ向かった

RE-71Rのフィーリングを自分のクルマで体験

 イベント当日は、RE-71Rの貸し出しが無償で行われた。

 17~18インチのタイヤにProdrive/POTENZAホイールを組み合わせ、計11パターンが用意された。体験者はコーナーが多いコース1000で、そのグリップ力とコントロール性の高さを実感したようだ。

参加者はサイズさえ合えば誰でも簡単にRE-71Rの貸し出しを受けられた
11種の組み合わせが用意されたRE-71R。これから参加するユーザーは事前にサイズの確認をしておくとよいだろう
貸し出し受付テントとは別に用意されたブリヂストンブース。RE-71RのほかS001、Adrenalin RE003、Prodriveのホイール等が展示された
貸し出しを受けたユーザーは自分で装着してコースに向かい、そのフィーリングを味わった

2人のドリフトドライバーによる迫力のデモンストレーションラン

 当日は2人のドリフトドライバーによる迫力のデモンストレーションランが行われ、会場を沸かせた。

 1人は、レース界のトップドライバーとして活躍する谷口信輝選手やエンターテイメントとしての評価も高いチームオレンジを率いる熊久保信重選手らとともにD1GP創成期からドリフト界を支え、現在もドリフトマッスル参戦中の平岡英郎選手。そしてもう1人はD1GP参戦中の箕輪慎治選手だ。箕輪選手が乗るオートプロデュースBOSSのフェアレディZは約800PS、約1000mしかないコース1000でも5速まで入るとのことだ。

 箕輪選手によると、ウォームアップランがなくタイヤウォーマーの使用も禁じられているD1GPにおいて、低温から能力を発揮するRE-71Rは非常に強力な武器となるとのこと。また、加減速が激しく舵角の大きいドリフト走行において、どのような状況でもグリップ力の変化が少なくコントロール性が高いのは、前年まで使用してきたRE-11との大きな違いだという。

ドリフト走行においてもRE-71Rはそのコントロール性の高さが際立つそうだ

 この箕輪選手のコメントは、ポテンザ サーキット ミーティング 2015の前々日に行われたCar Watch主催の「神保町フリーミーティング #01 ~POTENZA RE-71R 開発者との夕べ~」(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20150624_708412.html)で山野哲也選手、橋本洋平氏がコメントした内容に近いだけに印象深い。レース、ジムカーナ、そしてドリフト。タイプが違う競技の各ドライバーが口を揃えて同じ進化、同じメリットを指摘しており、そこにRE-71Rの本質が見えてくる。

 そのほか、参加者はもとより見学者にもプロドライバーとの同乗走行が用意された。同乗走行用の車両はキャロッセ(クスコ)が用意した3台のトヨタ自動車「86」。1台はGAZOO Racing 86/BRZ Raceのプロクラスでターザン山田選手が乗る86で、そのほかはクスコのデモカー。AE86を思い出させる白黒ツートン仕様の86は、今シーズン全日本ラリーに参戦した車両だ(足まわりやLSDはデモカーと同じ仕様に変更されていた)。

GAZOO Racing 86/BRZ Raceのプロクラス出場車による同乗走行も行われた。ドライバーもこの車両で参戦中のターザン山田選手
クスコのデモカー
全日本ラリー(JN4クラス)に参戦した86
クスコブース

 参加車両は、86をはじめ本田技研工業「S2000」やマツダ「ロードスター」等のFR車が比較的多いが、スバル(富士重工業)「WRX」やホンダ「シビック」といった4WD/FF車からダイハツ「コペン」「ミラ」等の軽自動車、スバル「レガシィツーリングワゴン」「レヴォーグ」などのステーションワゴンまで幅広く見られた。

 充実した講習や最新タイヤの貸し出しなど、単なる走行会では終わらない充実した内容の1日であった。今後は7月18日に美浜サーキット、10月3日にタカタサーキットでの開催も予定されているので、興味のある方はWeb等で詳細を確認してみるとよいだろう。

(高橋 学)