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タミヤ開催の「第2回メディア対抗ロードスター耐久レース」、マツダが2連覇
Car Watchチームは4万円超えのチューニングパーツ投入。結果ははたして!?
(2016/2/5 22:52)
- 2016年2月4日開催
タミヤの1/10 RCカー「マツダ ロードスター」を使用した60分間耐久レース「第2回メディア対抗ロードスター耐久レース」が2月4日、静岡のタミヤサーキットで開催された。同レースに参戦したマツダチームがトップでゴール、第1回大会に続いて2連覇を果たした。
同レースは2015年11月10日に開催された第1回大会に続く第2回目の大会。クルマ情報誌やホビー誌などとともに、レース車両「ロードスター」の実車を手掛けるマツダチームを含めた9チームが参加した。
レース車両は2015年11月28日に発売した1/10 RCカー「マツダ ロードスター」を使用。第1回大会ではチューンアップ不可であったが、今大会ではモーターやアンプ以外のチューンアップパーツ使用が解禁された。また、レースでは女性メンバーを加えると10周のボーナス周回がプラスされ、当日初めてラジコンを操作するといった女性をメンバーに加えたチームもあった。
レース当日は晴天でコースの路面はドライコンディション。13時40分にスタートしたレースは、第1回大会にも参加した経験者が多く各マシンは順調に周回を重ねた。
第1回大会で圧倒的な強さを示したマツダチームが今大会もレースを牽引。マツダチームは終始安定した走りにより183周を走破して優勝、2位は173周のワンダードライビング、3位は168周のル・ボランとなり、それぞれ表彰台を獲得した。
Car Watchチームは4万円超えのチューニングパーツを投入
第1回大会でCar Watchチームは、濡れた路面を走ったせいなのかスピードコントロールを司るESCが反応しないというトラブルに見舞われ、13台中8位に終わった。
第2回大会では、Car Watchチームは編集部から椿山と瀬戸の2名のドライバー体制で参戦。バッテリーは航続距離の長いリチウムイオンバッテリーを使用、バッテリー1本あたり20分間走行して、バッテリーの交換回数を2回にする計画とした。また、参戦マシンは、軽量化につながるパーツや足まわりのセッティング幅を広げるパーツなどを投入して、チューニングパーツの総額は4万円を超えた。
レース当日、仕上がったマシンにほれぼれとしつつ、意気揚々とテスト走行を始めた2名のドライバー。しかし、テスト走行中になんと足まわりのパーツが外れるトラブルが発生した。現場にいたタミヤのスタッフとともに、あらためてマシンを点検したところチューンアップパーツとして投入した金属パーツ部分にネジ止め材を使っていないことが判明した。各所に緩みも出ており、急きょ金属パーツに使用するネジ部分にネジ止め材を塗布して、決勝レースに挑んだ。
Car Watchのファーストドライバーは椿山。ゼッケン番号どおり6番手スタートとなった。スタート直後は経験者が多いことからクラッシュも少なく、各車順調に周回を重ねていた。
60分間の耐久レースを2回のバッテリー交換で済ます「2ストップ作戦」で挑んだCar Watchチーム。しかし、走行時間10分を超えてくると集中力が落ちてくる。操作ミスも多くなりクラッシュを頻発。20分後には大きく順位を落としながら2番手ドライバーの瀬戸にバトンタッチした。
ドライバー交代後、ほどなくしてマシンがピットインした。「ファーストドライバーによるクラッシュの影響か?」「やはりネジ止め材が乾ききらなかったのか?」、足まわりのパーツが外れるトラブルが再発してしまった。タミヤスタッフによる懸命の復旧作業により完走はできたものの、この症状で計3回ほどピットインすることになってしまった。
バッテリー交換に加えてピットインの時間が長かったため下位に沈み、周回数は118周と最下位に終わってしまった(ああ、4万円もつぎ込んで、編集長になんて言い訳しよう……)。
全9チームのリザルトは以下の通りとなる。
マツダのものづくり魂が導いた勝利
第1回大会に続き第2回大会も安定した走りで2連覇を果たしたマツダチーム。圧倒的な強さを示した秘訣について、チームを代表するマツダ パワートレイン開発本部 エンジン設計部 下川祐輝氏にインタビューした。
下川氏は「2回目の参戦ですが、第1回大会とはメンバーを入れ替えて参戦しました。チームの皆さんが練習をしっかりしてくれ、優勝ができて本当にうれしい」と感想を語った。
マシンセッティングに関して、下川氏は「第1回と違い、オプションパーツが使えることになりましたので、燃費をよくすることと操縦をしやすくする、2つのポイントでマシンを仕上げました。燃費に関しては走行抵抗となるフリクションを減らすこと、操縦性に関してはクルマが跳ねにくくなるように、ダンパーオイルを柔らかくするなどのチューンアップをしました」と話した。
マツダチームのマシンは、走行抵抗を減らすためにホイール等に使用するベアリングも元々使用されているグリスを脱脂。新たに粘度の低いオイルを注入していて、部品の耐久性は落ちるもののレースでタイムを出すことに的を絞った。
また、ラップタイムを刻むよりピット作業の時間を短縮するために、バッテリーの交換作業も、1人でやるほうがよいのか、2人でやったほうが効率的なのか検討を重ねたという。1人でバッテリー交換を行なった場合23秒かかるところ、2人で行なうことで10秒ちょっとに抑えるようトレーニングを重ねたという。
また、下川氏は「できるだけピット作業が早くできるようにチームで工夫をしました。とにかく無駄を省くこと、操縦台でプロポの受け渡しも受け取る手順も決めるなど徹底しました」と話し、勝利の秘訣については「チーム全員の気持ちを1つにできたこと」と明かした。
実車のロードスター開発における“グラム作戦”を思い出させるこのエピソード。チーム一丸となってタイムを削ることを目指すといった、マツダのモノづくりに対するこだわりを象徴する優勝といえよう。