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伊フェラーリ、新型4WDシューティングブレーク「GTC4ルッソ」初公開

「FF」後継の4シーター/4WDモデル。0-100km/h加速3.4秒、最高速335km/hのグランドツアラー

2016年3月1日(現地時間)発表

 伊フェラーリは3月1日(現地時間)、「第86回ジュネーブモーターショー2016」(プレスデー:3月1日~2日、一般公開日:3月3日~13日)で、新型4WDシューティングブレーク「GTC4ルッソ(Lusso)」を世界初公開した。

 フェラーリのモデルラインアップで“特別な形態”とされる4シーター車の最新モデルとなるGTC4ルッソは、過去の「330GTC」「250GT Berlinetta Lusso」などに車名の由来を持ち、近年では2011年のジュネーブモーターショーでデビューを果たした「FF(Ferrari Four)」のコンセプトを受け継ぐモデルともなっている。

ボディサイズは4922×1980×1383mm(全長×全幅×全高)、乾燥重量は1790kg、ラゲッジ容量は400~800Lとなる

 4人乗りのキャビンと広めのラゲッジスペースを併せ持つシューティングブレークスタイルのボディが与えられたGTC4ルッソは、最高出力507kW(690CV)/8000rpm、最大トルク697Nm/5750rpmを発生するV型12気筒6.2リッターエンジンを7速 F1 DCTのトランスミッションと組み合わせ、独自の4WDシステム「4RM Evo」に後輪操舵機能を追加して進化させた「4RM-S」によって駆動力を路面に伝える。0-100km/h加速は「FF」から0.3秒短縮した3.4秒、最高速は335km/hとして、2.6kg/CVのパワーウェイトレシオと合わせて「カテゴリー最高記録」としている。

 特許技術である4RM-Sは第4世代サイドスリップコントロール(SSC4)をベースに、4RM Evo、電子ディファレンシャルの「E-Diff」、磁性流体でサスペンションダンピングを制御する「SCM-E」などの技術を統合。4RM Evoでは全般的な改善でトルク配分の精密度を高め、前輪のトルクマネジメントではSS4をベースとしたトルクベクタリングによってフロントアクスルにより素早くトルクを伝達。また、従来の4WDシステムと比べてシステム重量を50%に抑え、車両重量の53%を後輪に配分する独自の「PTU」によって、フロントアクスルのトラクションを犠牲にすることなく、利用可能なトルクの90%がコーナーアウト側のタイヤに伝達できるようになっている。

フェラーリ「GTC4ルッソ」イメージムービー(2分35秒)
フェラーリ「GTC4ルッソ」技術解説(1分39秒)

 4RM-Sの後輪操舵機能には、コーナーリング時のステアリング修正を極力抑えて機敏な走りを可能とする「ダイナミックレスポンス・コントロールモデル」を採用。さらに「スラストベクタリング・コントロール(推力偏向制御)」の概念も初めて導入しており、後輪の向きを変えることでタイヤが持つ縦方向の余剰グリップを横方向のグリップとして活用。これによって限界域での挙動がマイルドになるほか、より大きな旋回力を得ることが可能となる。

 また、SCM-Eダンパーはグリップ力とトラクション性能を実現することに加え、多彩な路面状況で快適な車内環境を提供するという。

 さらにシャシーとボディの接合部分の剛性を20%強化し、クライメイト・コントロール・システムの静粛性を25%高めたほか、音響特性に配慮した最新素材で不快な周波数帯域のフィルタリングとダンピングなどを実施。これら優れた遮音システムによって「FF」以上にキャビンの静粛性の向上させ、搭載するV型12気筒エンジンが持つ特徴的なエグゾースト・サウンドを堪能させつつ、ロングドライブでも同乗者が快適にくつろげるインテリアを構築。フェラーリモデルらしいグランドツアラー性能が与えられている。

フェラーリ「GTC4ルッソ」ジュネーブショーアンベール(1分20秒)

(編集部:佐久間 秀)