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三菱自動車、「eKワゴン」「eKスペース」で燃費を実際以上によく見せる不正な操作をしていたと公表

日産自動車に供給する「デイズ」「デイズルークス」も該当。計62万5000台を生産

2016年4月20日 発表

国土交通省で行なわれた会見に出席した三菱自動車工業株式会社 取締役社長兼COOの相川哲郎氏

 三菱自動車工業は4月20日、2013年6月から生産している「eKワゴン」「eKスペース」、日産自動車向けに供給している「デイズ」「デイズルークス」の計4車種で国土交通省に提出した燃費試験データについて、燃費を実際よりもよく見せるために不正な操作が行なわれていたこと、さらに国内法規で定められたものと異なる試験方法がとられていたことが判明したと発表した。対象となる4モデルは、これまでに計62万5000台(eKワゴンとeKスペースで計15万7000台、デイズとデイズルークスで計46万8000台)を生産している。

 燃費試験については、該当車のいずれについても、開発を担当し認証届出責任を持つ三菱自動車が実施。次期車の開発にあたり、日産が該当車の燃費を参考に測定したところ届出値との乖離があり、三菱自動車が試験で設定した走行抵抗値について確認が求められた。これを受けて社内調査が行なわれた結果、「実際より燃費に有利な走行抵抗値を使用した不正を把握するに至った」とする。この走行抵抗とは、車両走行時の転がり抵抗(主にタイヤ)と空気抵抗についての数値。

 該当する4モデルは生産・販売を停止することが決定され、補償については今後協議する。

三菱自動車「eKワゴン」
三菱自動車「eKスペース」

 そのほか、4モデル以外の国内市場向け車両についても、社内調査の過程で国内法規で定められたものと異なる試験方法がとられていたことを明らかにしている。三菱自動車では状況の重大性を鑑み、海外市場向け車両についても調査を実施するとのこと。

 これら問題について三菱自動車では、さらに客観的で徹底的な調査を行なうため、独立性のある外部有識者のみによる調査のための委員会を設置し、調査結果がまとまり次第、公表する予定としている。

日産「デイズ」
日産「デイズルークス」

【お詫びと訂正】記事初出時、一部の写真がキャプションと合っていない状態でした。お詫びして訂正させていただきます。

(編集部:佐久間 秀)