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写真で見るSTI「WRX STI tS TYPE RA」
(2013/7/25 00:00)
「WRX STI tS TYPE RA」は、スバル(富士重工業)のモータースポーツ統括会社であるSTI(スバルテクニカインターナショナル)の手による限定コンプリートカー。以前、富士スピードウェイで行われたSUPER GT第2戦の際に展示された「WRX STI RAコンセプト」を紹介しているが、その市販バージョンがついに姿を現したワケだ。
WRX STI tS TYPE RAのベースとなったのは、4ドアセダンボディーの「インプレッサ WRX STI spec C」。もともと、このモデル自体がボールベアリングツインスクロールターボをはじめ機械式LSD、ブレンボ製ブレーキキャリパー&ローターなど、WRX STIの中でも走りを重視した特別なクルマ。そこにスポーツカーならではの「切れ」を加えるべく、STIの手によるさらなる仕様変更および専用アイテムの追加が行われている。
シャシーまわりで一番大きなポイントは、ステアリングに11:1のクイックなギアレシオが与えられたこと。これはWRカーと同じ数値と言う。だが、ベース車の13:1から単純に数字だけ変更しても、足まわりが付いてこなければバランスが崩れて乗りにくいクルマになってしまう。そこで、それに対応すべくフロント倒立ストラットとリアダンパー、それに前後のコイルスプリングをSTI製にチェンジ。加えてフロントフレキシブルタワーバー、前後フレキシブルドロースティフナー、リアフレキシブルサポート、ピロボールブッシュ・リヤサスリンクなどを装着。これらのアイテムはただ単に足まわりを硬めるのではなく、「フレキシブル」の名が示すように「逃げ」の要素も加味している。それにより同社が提唱する「強靱でしなやかな走り」と「切れ」を両立しているのだ。
その一方で、エンジンまわりはベース車と同じ2.0リッターの水平対向4気筒エンジン「EJ20」を搭載。スペックも同じく最高出力227kW(308PS)、最大トルク430Nm(43.8kgm)となっている。トランスミッションは6速MTで駆動方式は4WDとなる。
バリエーションはベースモデルのほか、「ニュルブルクリンク24時間レース」をイメージした「NBR CHALLENGE PACKAGE」、同仕様に専用レカロシートを装着した「NBR CHALLENGE PACKAGE [RECARO]」の3タイプ。
NBR CHALLENGE PACKAGEはBBS製の18インチアルミホイールのほか、STI製ドライカーボンリアスポイラー、専用デカールを標準装備。さらにNBR CHALLENGE PACKAGE [RECARO]には、レカロ製フロントバケットシートおよびアルカンターラ/本革コンビ仕様のリアシート、SRSサイドエアバッグ+SRSカーテンエアバッグが追加される。価格は順に441万円、483万円、508万2000円。
ボディーカラーは専用色となる「タンジェリンオレンジ・パール」のほか、「サテンホワイト・パール」「WRブルー・マイカ」の計3色を設定。
限定台数は300台(うちNBR CHALLENGE PACKAGEが200台)で、受注期間は2013年12月23日まで。タンジェリンオレンジ・パールの受注期間は2013年8月25日までとなっている。ただし、7月18日時点でNBR CHALLENGE PACKAGEが完売、ベースモデルも40台弱を残すのみとなっている。開発責任者であるSTI商品開発部 森宏志担当部長が「集大成」と語る同車を手に入れるなら、すぐにアクションを起こす必要がありそうだ。
【お詫びと訂正】記事初出時、エンジン出力に間違いがありました。お詫びして訂正させていただきます。