特別企画
【特別企画】SUPER GT直前&WEC開催 富士スピードウェイ撮影ガイド(後編)
(2015/8/7 00:03)
今週末にSUPER GTの第4戦、10月にWEC(世界耐久選手権)が行われる富士スピードウェイの撮影ガイド。前編(http://car.watch.impress.co.jp/docs/special/20150806_715221.html)では、ダンロップコーナー、プリウスコーナーなどの撮影ポイントを紹介した。そこで後編では、アドバンコーナー(ヘアピン)、コカ・コーラコーナー、1コーナー、メインストレートなどの撮影ポイントを紹介したい。
アドバンコーナー(ヘアピン)
アドバンコーナーはすり鉢状の地形で、コースが低く周囲の観客エリアが高い位置にあるので撮影ポイントは多い。まずは300R、ダンロップコーナーへ向かう立ち上がり側から紹介していこう。
最初に紹介するのはP19下の土手。ここは300Rへ向かうマシンを流し撮りすることができる。比較的長くマシンを追うことができるので、斜め前、横、斜め後ろと角度を変えて撮ることが可能だ。
アドバンコーナーからダンロップコーナーへ進むと、インサイドとアウトサイドを結ぶトンネル通路がある。その少し先の土手の最上段もダンロップコーナーへ向かうマシンを流し撮りで狙うことが可能だ。
アドバンコーナーの正面の土手は、上下左右に幅広く撮影ポイントが取れる。マシンまでの距離はやや遠いがさまざまな絵が撮れるだろう。最初のサンプル写真は立ち上がるマシンを背後から撮影した。
次はクリッピングポイント付近を撮影。100Rの立ち上がりからブレーキング、クリッピングポイントと見渡せるので、狙いどころはクリッピングポイントだけではなく、幅広い選択肢がある。
次はクリッピングポイントを抜けるマシンの流し撮り。正面の土手からはやや距離がある。長いレンズがない場合は進入側の土手の方が距離は近くなる。
アドバンコーナーへ進入するマシンを正面の土手から撮影。距離があるのでマシンのアップはかなり長いレンズが必要となる。ダンロップコーナー進入の撮影と同じく、複数のマシンをフレームに入れればよい絵が撮れそうだ。
また、正面の土手より進入側の土手の方がマシンまでの距離は近くなる。200mm(320mm相当)~300mm(480mm相当)のレンズで撮影可能だ。
アドバンコーナーでは進入側の金網の切れ目を利用して、クリッピングポイント付近のマシンを背面から撮影することもできる。
コカ・コーラコーナー
コカ・コーラコーナーの正面の土手は多くのカメラマンが集まる撮影ポイントだ。今回は正面付近を紹介するが、100R側の土手でも多くのカメラマンが撮影している。ここはエスケープゾーンが広く、距離があるので長めのレンズが欲しい。コカ・コーラコーナーのクリッピングポイント付近を狙うことができる正面土手のやや100R側から見ていこう。
マシンをアップで撮ることは難しいが、同じ位置からコカ・コーラコーナーへ進入するマシンを撮ることも可能だ。
コカ・コーラコーナーに進入するマシンを真正面から撮れる位置は、ここの定番中の定番だ。サンプル写真は300mm(480mm相当)と1.4倍のテレコンを付けた420mm(672mm相当)で撮影した。
次はコカ・コーラコーナーを抜けるマシンを横から流し撮りだ。
次はマシン後方からの撮影。サービスロードの金網の切れ目を利用し、100Rへ向かうマシンを背後から撮影する。コカ・コーラコーナー進入側の土手を降り、目の前の金網はボカして撮る方法だ。
1コーナー インサイド
1コーナーのインサイドは、クリッピングポイントに近い上段と立ち上がり側の下段という2か所。どちらも脚立の使用が望ましいが、上段は傾斜があって通常の脚立の使用はやや危険だ。
下段は1コーナーからコカ・コーラコーナーへ向かうマシンを撮ることができる。こちらは通常の脚立を使えるが、人気のポイントなので脚立を立てる隙間がないこともある。その場合は金網越しの撮影となる。
1コーナー アウトサイド
1コーナースタンドは、最上段に立ってもストレート部分の金網を避けることができない。クリッピングポイントから先は金網を避けられるので、マシンの後ろ姿を狙おう。
スタンドから少し先へ進んだ位置も撮影ポイントだ。クリッピングポイントを抜けたあたりから先を撮ることができる。
グランドスタンド
グランドスタンドの1階席は金網がコースに掛かる。2階席に上がると金網を避けることができる。左右に広い巨大スタンドだが、観客が多いときはほかの人の観戦の妨げにならないよう、空いている場所で撮影したい。
メインストレート(P13)
今回の撮影ガイドの最後は、最終パナソニックコーナーからストレートを立ち上がったあたりにあるP13からの撮影だ。
以上で前編、後編でお届けした富士スピードウェイの撮影ガイドは終了だ。富士スピードウェイはコースサイドにサービスロードがあり、観客エリアからの撮影は二重金網との戦いとなる。最後に金網と絞りの確認をしてみたい。以下の写真は300mm(480mm相当)のレンズで、絞りをf2.8からf16まで変化させたときの金網の写り込みを比較したものだ。f8あたりからその影響は顕著となっている。金網との距離、金網の色、逆光/順光の違い、撮像素子のサイズなど、さまざまな条件で写り込みは変わるが、絞り込むことで影響が出やすくなることは間違いない。
高速シャッターを切る場合は、絞りが開放側に近付くので金網をボカしやすくなるが、スローシャッターを切る場合は絞り込まれ、金網が写り込みやすくなる。金網越しの撮影をする場合、少しでも絞りを開けて撮ることが金網対策として重要だ。次の2枚は、f13でそのまま撮った写真とNDフィルターを使用してf7.1にして撮った写真だ。このように、NDフィルターを使用することで金網の写り込みを減少させることができる。