まるも亜希子の「寄り道日和」

ピンクにイエロー、ドライブ先で見つけた春の訪れ

箱根ターンパイク出口から、市街地をものの5分ほど走ったところで、思いがけず出逢った満開の河津桜。撮影を終えた2台を再び並べて、記念撮影をしてしまいました。こんな時期なので人影もまばらでしたが、それでもカップルや家族連れなどが嬉しそうに写真を撮ったり、眺めたり。春は着実にやってくるんだと思えて、心に沁みました。やっぱり桜は日本人に欠かせない花ですね

 なんとなくうっ屈とした気持ちが晴れない日々が続いていますが、みなさまの心は大丈夫でしょうか? こんな時は、ドライブに出かけて車窓から美しい景色を見るだけでも、ちょっと心に光がさしてくるものですよね。こんな時でも着実に、緑や花々は春に向かって希望の芽を出し、扉を開いてくれるんだなぁと、しみじみとありがたみを感じます。

 今週、私は2つのそんな景色に癒されました。1つは、関東でも来週には開花予報が出ている「桜」。すでに、いち早く開花する河津桜の満開は過ぎているとのことだったのですが、箱根での撮影を終えて帰りに立ち寄ったお蕎麦やさんの駐車場で、思わず息を飲みました。

 ハラリハラリと花びらが舞う中、見事に咲き誇る河津桜が出迎えてくれたのです。まだ、満開の桜に出逢えるのは少し先かと思っていたので、これは何かの贈り物のように感じて、しばしうっとりしてしまいました。さっそく、その日撮影していた2台のホンダ「ヴェゼル Modulo X」「S660 Modulo X」を桜の下に停めて、記念撮影。その後、何度もこの写真を眺めては、パワーをもらっている私です。

総漆塗りの土蔵や書院造りの母屋、合掌造りの離れなど、とても味のある建物が並び、「千世倭樓」と書いて「ちょうわろう」と読む鈴廣かまぼこの里。割烹、会席、そば、茶房の4つのお店があり、私たちは「そば 美蔵」にお邪魔しました。中に入っても、日本の伝統建築のよさが存分に楽しめて素敵ですよ

 そしてそのお蕎麦やさんは、かまぼこで有名は小田原・鈴廣が経営しているお店で、なかなか他では見かけない「かまぼこかき揚げ」のざる蕎麦を注文。それがまぁとても美味しくて、春らしい気分になれるお蕎麦でした。

千世倭樓・そば 美蔵でいただいたのは、珍しい「かまぼこかき揚げそば」。北海道産のそば粉を石臼で丁寧に挽き、名水「箱根百年水」で打った自家製の蕎麦は、風味がよくてツルツルと喉越しも最高! かまぼこの老舗ならではのかき揚げも、サクッと食べたあとにかまぼこの弾力が面白い食感で、ペロリと美味しくいただいてしまいました

 さて、あくる日に向かったのは、千葉県は房総半島の館山です。のんびりとした風景の中、海を見ながらのドライブだけでも気持ちのいいものですが、こちらも春を告げるお花で有名な「フラワーライン」という道があります。時期的にもう終わりの頃で、すべり込みセーフという感じでしたが(笑)、両脇にズラリとイエローの「菜の花」が咲き誇る中をドライブできて、鮮やかなイエローに元気をもらえた気がしました。

関東ではいち早くお花の中を走れる道として有名な、千葉県館山市のフラワーライン。菜の花が道の両脇に咲き誇る、イエローの景色に間に合いました。この先にある「道の駅南房パラダイス・アロハガーデンたてやま」には、千葉県最大規模を誇る動植物園があり、フラダンスショーが楽しめる全天候型のステージ、ハワイ料理を中心としたレストランなどがあって、南国気分を先取りできそう。さらに先にある「ポピーの里 館山ファミリーパーク」では、ポピーをはじめ金魚草やスターチス、ラベンダーといったさまざまなお花の「花摘み」が楽しめます

 さらに、この近くでも素敵なレストランを発見! 海沿いの道から80mほど坂を登っていくと見えてくる、素敵なテラスとお庭のある「オドーリ・キッチン」。キラキラとした海が臨める眺望もいいですが、かわいらしいお花が咲いていたり、大人もOKのハンモックがあったりして、ちょっとワクワクするお店なんです。ランチのメニューはパスタと炭火焼きがメインで、この日は先ほど見てきたばかりの菜の花を使ったタリオリーニがあって、もうお腹がグ~。さっそくいただきました。前菜には、地元でとれた地魚を使った「なめろう」やフライが添えてあり、自家製のフォカッチャもふっくらモチモチで、とっても美味しい! グリーンの濃厚なソースをからめたタリオリーニも、めちゃめちゃ美味で幸せな気分になりました。

「オドーリ・キッチン」のランチでいただいた、期間限定・春メニューの「白浜産 菜花と小エビのタリオリーニ」。グリーンが鮮やかで、濃厚かつフレッシュなソースが美味でした。前菜・フォカッチャ・本日の炭火焼・メイン料理・カフェがセットのランチAは1210円~、デザートもつくランチBは1540円~。お肉好きの人にはぜひ、SNS映え間違いなしの「トマホーク」(骨つきのどでかいステーキ)にチャレンジして欲しいです。この日は1.1kgの牛ステーキが用意されていましたよ。ワインのストックも豊富で、自宅や宿泊先までの送迎サービスもあるというのがうれしいですよね

 心がちょっとふさぎがちな時には、お花とグルメは最強だなとあらためて実感。春だからこそ味わえる2つのお楽しみを、ぜひ皆さまもお見逃しなく♪

フラワーラインからほど近い「小戸海岸」からテクテクと坂を登っていくと見えてくるのが、とても素敵なレストラン「オドーリ・キッチン」。炭火焼きやパスタが自慢のお店です。眺めのいいテラス席は、ワンちゃんもOK。お庭にはハンモックも2個あって、ゆらゆらしながら思わずお昼寝したくなってしまう、フレンドリーなお店で大好きになりました

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z(現在も所有)など。