まるも亜希子の「寄り道日和」
PEC東京で「911 GTS T-Hybrid」を楽しんじゃいました
2025年10月30日 12:00
911史上、初となるハイブリッド「911 GTS T-Hybrid」はいったいどんな走りなのか。気になっていたんです〜。千葉県木更津市にあるPEC(ポルシェ・エクスペリエンス・センター)東京で、じっくりと試乗する機会をいただきました。
外観はことさらハイブリッドであることをアピールするようなことはないですが、縦型ルーバーとなったフロントグリルなど、しっかり進化しています。新たに3.6リッターへと排気量を拡大した水平対向6気筒エンジンと、PDKに追加された電動モーター、400Vリチウムイオンバッテリからなる「T-Hybrid」のシステムに加え、新開発されたシングルターボとなったこと、車両重量が前期モデルと比較してわずか50kg増にとどまっていることも興味深いところです。
しかも、加速効率が約50%も高められていて、2.5秒で到達する距離は前期モデルが14.5mだったのに対して、GTS T-Hybridは21.5m! ドイツのニュルブルクリンクサーキットでのタイムは、8.7秒マイナスの7分16秒934をマーク! さて今日はその怒涛の加速を体感しちゃうぞ〜。
と、意気込んで行ったものの……、なんで雨なの〜〜。小雨じゃなくて、ザーザー降り(笑)。なので、無理せず安全運転で楽しんでまいりました。PECにはいろんなドライビング育成モジュールがあるんですが、インストラクターが運転席でまずお手本を見せてくれて、そのあとに自分が運転席へ座るという試乗スタイルなので安心です。最初はスラロームが試せるモジュールへ行き、腕鳴らし。スタート位置から、スラロームのパイロンまでの短い直線で全開にしようと思いましたが、一瞬のラグもなくズバッと伸びていくのでハーフアクセルくらいでアッという間に到達していてビックリ。しかもパイロンぎりぎりを攻めていく身のこなしはヒラリヒラリと軽快で、重量物を積んでもなおここまでバランスの良さを見せてくれることに感心したのでした。
続いてはハンドリングモジュールへ。ここは、有名なアメリカのサーキット「ラグナ・セカ」にある「コークスクリュー」や、ニュルブルクリンクの「カルーセル」を模したセクションがあって、かなりテクニカルな面白さが評判となっています。この時にはもう、すっかり路面は“川”状態だったため慎重に走りましたが、やっぱりだんだんと攻めたくなってきちゃうくらい、もっとイケそうな高揚感をくれるところが911。コーナリングでの立ち上がりのスムーズさや、減速時の姿勢の安定感などにハイブリッドらしさを感じました。
あとはドリフトをしたり、まるで氷の上を走って(滑って?)いるようなローフリクションハンドリングトラックを試したり。いちばん難しかったのは、キックプレートというモジュールで、40km/h程度でエリア内に進入していくと、路面に埋め込まれたキックプレートが右か左、どちらかにランダムで車両を動かすんです。一瞬の判断で素早く車両を安定させる操作をすればスピンせずに抜けられるのですが、いや〜これが1回目はぜんぜん反応できず、くるりとスピン。2回目はもう少しで持ち直せたのですが、再びスピン。悔しくて、泣きの3回目をやらせてもらって、ようやくちゃんと反応して立て直すことができました。これ、お客さんの中にもハマって何度も何度も練習する人が多いのだとか。でも練習しておくと、一般道でも万が一の際に命を守ることができるかもしれないですよね。
そんなわけでPECで試乗した911 GTS T-Hybridは、ハイブリッドになってますます走る楽しさの幅が広がった印象を受けました。やっぱり、乗ると欲しくなっちゃうのがポルシェ。以前の愛車だった968もすごくいいクルマだったので、いつかまた乗りたいなぁとウィッシュリストに入れたいと思います。




