まるも亜希子の「寄り道日和」

交通安全応援ユニット「オキシュー」の活動で京都へ

「GRガレージ京都伏見 秋祭り」のメイン会場に、私たち交通安全応援ユニット「OKISHU(オキシュー)」ののぼりを立ててもらいました。背景の大型パネルは、なんとスタッフさんたちの手作り! 手間ひまかかってますよね〜。お客さんに喜んでもらおうという情熱にいつも感心しています

 お客さまを楽しませること、クルマファンを増やすこと。もしかすると、そこに命をかけているのではと思うくらい、いつも全力投球で準備から当日のおもてなしまで、スタッフさんが一丸となって取り組んでいる姿に惚れ惚れするのが、京都トヨタ自動車のGRガレージ京都伏見さん。今年も、日頃の感謝を込めて開催しているという、「GRガレージ京都伏見 秋祭り」が9月15日に開催され、吉田由美さんと私で活動している交通安全応援ユニット「OKISHU(オキシュー)」としてゲスト参加してきました!

 秋祭りというと、ヨーヨーとか綿アメなんかの屋台が出るお祭りのようなイメージかもしれないですが、こちらの秋祭りはそのコンテンツがめちゃすごいんです。まずは、ラリーで使用する「コマ地図」をスタッフであるナガシ〜さんが作成して、実際の道を愛車で走って楽しむ「フォーラムエイト ナガシ〜ラリー」。私も昨年はゼロカーを務めさせてもらったのですが、コマ地図がなかなか本格的で、何度かミスコースしそうになったほど(ゼロカーなのに! 笑) ひとりでもカップルでも、家族みんなでワイワイと参加でき、ドライブ気分だけどちょっぴり競技気分も味わえるところが、とってもいいなぁと思いました。

GRガレージ京都伏見・しんちゃんとOKISHU(オキシュー)の子ども交通安全講話は、贅沢にも展示車両のGRヤリスとGRカローラを使って、リアリティを出してお届けしました

 そして、子どもたちが白熱した勝負を繰り広げる「鈴木こども博士と助手・山田の大カルタ大会」も昨年に続き大盛り上がり。これはアイシンと立命館大学の学生たちが、SNSに起因する子どもの性被害という社会課題を解決する共同プロジェクトとして完成させた、「性被害やっつけたるわファミかるた」を使ったコンテンツ。読み札には、子どもたちに覚えてもらいたい大事なことが書かれており、今年は保護者の皆さんのチームも作って、一緒にかるたを楽しみながら学んでもらうことができました。

 大かるた大会に続いては、誰でも簡単に、知るだけ気づくだけで「今日からできる交通安全」を合言葉とした私たち「OKISHU(オキシュー)」の出番です。今回は、GRガレージ京都伏見のGRコンサルタント・しんちゃんとのコラボバージョンで、まずはクルマのタイプごとに交通安全の視点から気をつけたいポイントをレクチャー。モータースポーツにも、もっと多くの子どもたちに興味を持ってほしいので、決して荒っぽい運転をする競技ではなく、速く走るためには正確で丁寧な操作と、周囲への気配りや燃料を無駄にしない工夫が必要不可欠であることを覚えてもらいました。さらに、クルマの構造や動きをよく知らない小さな子どもでも、音や光に反応することで身を守る行動が取れるようになると考えて作成した、OKISHU(オキシュー)の「くるくる交通安全大作戦!」からクイズを出題。みんな、ハイッと元気に手を挙げて答えてくれて、ほんとにかわいかったなぁ〜。その後、高学年の子どもに向けて、自転車の交通安全のために「うんこドリル」の交通安全ブックからもクイズを出して、保護者の皆さんにも覚えてもらうことができたと思います。

 さてさて、メイン会場から一歩出て左のお部屋へ行くと、今回初めてのコンテンツとなる「アイシンの館」がありました。これ、すごいんですよ! なんとドイツのミュンヘンモーターショーに出展した内容がほぼほぼ再現されており、なんならそこにもなかった展示物まであるというではないですか。アイシンは自動車メーカーにとって欠かせないグローバルサプライヤーですが、自動車以外の分野でもいろんな技術を持っているんですよね。その1つが、メタバース。アイシンの本社がある愛知県刈谷市ではデジタル技術を活用した「スマートシティ」という取り組みが行われているんですが、一般的なメタバースが仮想空間で自分の代わりとなるアバターが活動するのに対し、アイシンのメタバースは現実世界の活動制約を仮想空間で開放することによって、業務改革や地域貢献などの課題解決を目指すもの。今回は、大人世代の交通安全に対する意識低下を解決しようと、メタバースを活用した刈谷市オリジナルの交通安全教育コンテンツを作成し、その一部を体験させてもらうことができました。

「アイシンの館」探検クイズラリーの会場には、アイシンが手掛けるメタバースの技術を使った、体験型の展示ブースが並んでいました。こちらは三河安城市に2028年誕生予定のアリーナを体感できるメタバースです

 また、2028年に三河安城市に誕生する予定となっている、新しい交流拠点(アリーナ)をメタバースで体験できるというのも面白いアイデア。どんな建物になるのか、中はどうなってるのか、ズンズンと入っていって見て回ることができるんです。しかも、アイシンがサポートするBリーグのバスケットボールチーム「シーホース三河」の所属タレントであり、アイシンの広報アンバサダー(見習い)であるタツヲさんと一緒に、バスケットゴールにシュートを決める遊びの要素もあるので、ついつい夢中になっちゃいますよね。私は仮想空間とかまったく馴染みがなく、どちらかというと苦手意識があるのですが、コントローラーの操作に慣れてくればスイスイと歩き回ったり方向転換したり、楽しく体験することができました。

 そしてここでしか体験できない貴重なブースが、クラウンをはじめ数々の電動車に欠かせない技術となっている「eAxle(イーアクスル)」の仕組みを、仮想空間で動かしたり分解したり、拡大したりしていろいろ調べることができるというもの。私もこれまで、取材でeAxleの実物大模型などは見たことがありましたが、中がどうなっているのかなんて絶対にわからないし、どう動いているのかを見ることもできないですよね。それが、3Dで飛び出して見えるディスプレイとコントローラーを使って、ひっくり返したり分解したり、なんでもやりたい放題(笑)。これはメカ好きさんにはたまらないでしょうね。すっごい食いついている子どもの姿もあったので、この中から将来のエンジニアが誕生したらいいなぁなんて思ったのでした。

電動化車両の進化を支えるeAxle(イーアクスル)もアイシンの技術。それがメタバースで中までじっくり、自由に見たり動かしたりできるというのは驚き!

 スタッフさんが一生懸命作ってお客さんに振るまっていたポップコーンの香ばしい香りに包まれながら、和やかでアットホームな時間が流れたGRガレージ京都伏見 秋祭り。クルマファンを増やし、育て、交通事故ゼロの社会につなげる、そんな気持ちでみんなが団結した、素敵な1日を過ごさせてもらいました。

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z、メルセデス・ベンツVクラス、スズキ・ジムニーなど。現在はMINIクロスオーバー・クーパーSD。