2014 パリショー

トヨタ、「RAV4」「プリウス」「86」の長所を取り入れた小型クロスオーバー「C-HRコンセプト」を初披露

RAV4のパッケージング、プリウスのパワートレーン、86のハンドリングを実現

会期:10月2日~10月19日(現地時間)

会場:フランス パリ Paris Expo Porte de Versailles

 トヨタ自動車は、パリモーターショーのプレスカンファレンスで革新的なデザインとドライビングプレジャーを併せ持つ「C-HRコンセプト」のワールドプレミアを行った。

 C-HRコンセプトは、20年前にクロスオーバーSUVの先駆けとして発売された「RAV4」、1997年に量産のハイブリッドカーとして発売され世界各国でその先進性が受け入れられた「プリウス」、そして2012年に発売されたピュアスポーツカー「86」の3台の長所を取り入れたコンセプトカーだという。つまりパッケージングはクロスオーバーSUVのRAV4となり、パワートレーンはプリウスと同様のフルハイブリッド、ハンドリングは86と、ハイブリッドモデルながらスポーティな性能を持ったコンパクトSUVになる。

プレスカンファレンスでC-HRコンセプトの解説を行ったトヨタ・モーターヨーロッパ社長のディディエ・ルロワ氏
アンベールされるC-HRコンセプト

 特徴的なのは、そのアグレッシブなエクステリアデザインだ。トヨタのグローバルモデルに用いられるフロントフェイスの「キーンルック」をベースに、抑揚を強調したスタイリングに仕立てている。デザインコンセプトなのでキャビンが小さく3ドアになってはいるが、アンダーボディーの流麗なスタイル、4輪で這いつくばるような力強いアーチを描いたフェンダーなどは、次世代のトヨタ車に用いられる可能性もある。トヨタモーターヨーロッパが主体でデザインしたC-HRコンセプトだが、これが次世代のトヨタのデザインの方向性を示すことになるかもしれないという。

 ボディーサイズは4350×1850×1500mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2640mm。コンパクトセグメントで目が肥えている欧州のユーザーにまず提案することで、その反応を見るようだ。

C-HRコンセプトのボディーサイズは4350×1850×1500mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2640mm。キャビンは小さくボディーが小柄に見えるが、全長は4350mmあり、コンパクトクロスオーバーの日産「ジューク」と比べ200mmほど長い
トヨタは、国内で2014年度内にも燃料電池車両を発売することを発表している。そして欧州でもドイツやデンマークなどが先行する形となり、2015年の夏までに発売するという
近距離や都市部での移動はEVがまかなうことを想定しているトヨタ。パーソナルモビリティの「i-ROAD」はその代表格となる。全長は2345mmで、最小回転半径はわずか3m。すでにフランスのグルノーブルでは実走行による実証実験が開始されている
マイナーチェンジにより精悍さが増した2014年モデルの「ヤリス(日本名:ヴィッツ)」。欧州のユーザー向けにトヨタモーターヨーロッパがデザインを行っている。足まわりやプラットフォームも手直しされていて、より俊敏性を増したハンドリングも特徴の1つ。Bセグメントのトップランナーとして今後も力強くセールスしていくために、欧州の現地法人がメインとなって開発を行ったモデルとなる

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。