2015フランクフルトショー

トヨタ、新型「プリウス」を欧州初公開。現地でも大人気

2014年に公開された「TOYOTA C-HR Concept」が5ドア版として登場

2015年9月19日~27日(一般公開)

独フランクフルト Messe Frankfurt

欧州初公開の時を待つ新型プリウス

 米国ラスベガスで発表してから1週間、ここ欧州の地でも鮮やかな光沢が特徴的なハイパーソニックレッドカラーに塗られた新型「プリウス」を公開。会場には多数の報道陣が詰めかけ、欧州でのプリウスに対する関心度の高さがうかがえる状況になった。

 新型プリウスでは、これまでのトライアングルシルエットデザインを継承しつつ、パワートレーンユニットとプラットフォームを刷新し、一体的に新開発するという同社独自のクルマづくりの構造改革「TNGA(Toyota New Global Architecture)」を初採用。ハイブリッドシステムの軽量・コンパクト化やボディーの高剛性化を図るなど、「洗練された低重心のスタイル」「走る楽しさ」の実現に向け開発が進められてきた。

新型プリウスのアンベールと同時に、実際に走行して登場するモデルも

 その結果、ルーフの頂点を20mm低くしつつ前出しし、エンジンフードも低くすることでスタイリッシュなシルエットを実現。その低さについては、新型プリウスのフロント部に配置されるエンブレムは、スポーツカーの「サイオン FR-S(日本名:86)」と同じ高さにあることが紹介されている。ボディーサイズは現行モデルから60mm長く、15mm広く、20mm低い4540×1760×1470mm(全長×全幅×全高)。ホイールベースは共通の2700mm。

 パワートレーンについては、熱効率を40%以上に高めたエンジンをはじめ、トランスアクスル、モーター、電池といった各ユニットをコンパクトにするとともに軽量に仕上げた。具体的な車重や燃費は公表されていないものの、「優れた低燃費を実現する」という。

 そのほか、これまでトーションビーム式だったリアサスペンションはダブルウィッシュボーン式に変更されている。

 今回のフランクフルトショーで新型プリウスの詳細についてのアナウンスはなかったが、米国やフランクフルトショーで発表されたのは「新型プリウス」であり、コンセプトモデルではないことがうかがえる。となると、正式発表の場が東京モーターショーなのではないかと期待するのは筆者だけではないはずだ。

新型プリウスのボディーサイズは4540×1760×1470mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2700mm。現行モデルと比べ60mm長く、15mm広く、20mm低いサイズ
ルーフの頂点を20mm低くしつつ前出しし、エンジンフードも低くすることでスタイリッシュなシルエットを実現。フロントウインドー上部にミリ波レーダーと単眼カメラを用いた衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」のユニットがつく。そのほかマフラーエンドは右側にレイアウトされる
ブラックを基調にしたインテリアでは、プレミアムホワイトカラーの加飾とのコントラストが目を引く。なお足踏み式パーキングブレーキ用のペダルがあることから、電動ではない模様
こちらはコンパクトクロスオーバーのコンセプトモデル「TOYOTA C-HR Concept」(5ドア仕様)
2014年のパリモーターショーで公開された「TOYOTA C-HR Concept」は3ドア仕様だったが、より市販化に近づけたデザインスタディとして5ドア仕様を出展。「TOYOTA C-HR Concept」の市販モデルは、2016年のジュネーブモーターショーで公開するとのこと

編集部:小林 隆