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トヨタ、最大熱効率40%のエンジンで燃費40km/Lを実現する新型「プリウス」

プリウス初の4WD車「E-Four(電気式4輪駆動方式)」を用意

2015年10月13日発表

 トヨタ自動車は10月13日、12月の発売を予定する新型「プリウス」で採用するおもな技術内容を公表した。

 TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)を初めて全面的に導入するモデルとなる新しいプリウスでは、最大熱効率40%を実現した改良型の直列4気筒DOHC 1.8リッターエンジン「2ZR-FXE」を搭載し、システム全体で約20%の低損失化を達成したパワートレーンの採用により、JC08モード燃費の目標燃費を40km/L(一部グレード)としている。

プロトタイプモデルのボディーサイズは4540×1760×1470mm(全長×全幅×全高。4WD車の全高は1475mm)で、ホイールベースは2700mm。ノーズ先端を70mm、フード後端を62mm低くした低重心パッケージを採用する

 衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」に加え、10月1日にマイナーチェンジした新しい「クラウン」から導入を開始した「ITS Connect」の導入などにより、車両の安全性をさらに高めている。このほか、雪道の発進時などにアシストを行って走行安定性を高める「E-Four(電気式4輪駆動方式)」を採用。プリウスとして初めて4WDモデルをラインアップする。

JC08モード燃費で40km/Lを実現するハイブリッドシステム

 ハイブリッドシステムは従来型の「リダクション機能付THS(Toyota Hybrid System)II」をさらに進化させ、リダクションギヤのプラネタリーギヤを平行軸歯車に変更。モーターを複軸配置する「新複軸構造トランスアクスル」を採用した。全長を47mm短縮したほか、機械損失を約20%低減して低燃費化に貢献する。低損失素子の採用によって約20%の損失低減を実現したパワーコントロールユニットは、ユニット自体のコンパクト化も達成してトランスアクスルの上に隣接してレイアウト。

 また、従来型ではラゲッジスペースのフロア下に配置していた駆動用バッテリーを後席シート下に移設。重量物を車両中央寄りの低い位置に搭載することで走行性能が高められるほか、ラゲッジスペースのフロアを低くして、ラゲッジスペース容量を従来の446Lから502Lに拡大している。

新色のエモーショナルレッド
新色のサーモテクトライムグリーン
新色のスティールブロンドメタリック
グレーメタリック
アティチュードブラックマイカ
ダークブルーマイカメタリック
スーパーホワイトII
ホワイトパールクリスタルシャイン
シルバーメタリック
先代から全高を20mm低下。ルーフピークを170mm前進させ、フロア下のフラット化などにより空力性能を高め、クラス世界トップレベルのCd値0.24を実現
ヘッドライトユニットには、1眼でハイビームとロービームを使い分けるBi-Beam LEDヘッドライト、三角形状の輪郭でシャープな印象を与えるLEDクリアランスランプを組み合わせて採用する
TNGAによる新剛性骨格ボディー
日の字環状構造
リア環状構造
全方位コンパティビリティボディー構造
新型プリウスのディメンションと各種機器のレイアウト。駆動用バッテリーをラゲッジスペースから後席シート下に移設したことで、フード後端を62mm下げていながらラゲッジスペース容量を従来の446Lから502Lに拡大
リアサスペンションにダブルウィッシュボーン式を新採用。後軸の車軸間にリアトランスアクスル&リアモーターを配置して後輪を駆動させる「E-Four(電気式4輪駆動方式)」もラインアップする
新型プリウスの車両前方に設置されるパワーユニット
最大熱効率40%を実現した改良型の直列4気筒DOHC 1.8リッターエンジン「2ZR-FXE」。最高出力72kW(98PS)5200rpm、最大トルク142Nm(14.5kgm)3600rpmを発生
エンジンとトランスアクスルのカットモデル
新たに採用される「新複軸構造トランスアクスル」。モーターとジェネレーターを上下2段に配置し、平行軸ギヤ式のモーターリダクション機構を備える
新開発で小型・高性能化を果たしたニッケル水素バッテリー
新開発で小型・高性能化を果たしたリチウムイオンバッテリー
パワーコントロールユニットは低損失素子の採用で約20%損失低減
項目ごとの燃費に対する向上率。合わせてJC08モード燃費40km/Lを目指す
新型プリウスのインパネ。インパネ位置を下げて開放感を出し、包み込むようなデザインで乗員との一体感を演出している
シート内のバネ特性の最適化を図り、腰や筋肉への負担が少ない骨盤角度を実現するフロントシート
座面下に駆動用バッテリーを配置するリアシートは、クッション性の最適化と着座時の接触面積の拡大で優れた座り心地を実現
センターメーターに設置される4.2インチカラーTFTツインメーター
All-new Prius: Promo(2分2秒)
All-new Prius: Design(2分59秒)
All-new Prius: Hybrid System(2分45秒)
All-new Prius: Performance(3分2秒)

【お詫びと訂正】記事初出時、ハイブリッドシステムの機構について一部間違った表現がありました。新型プリウスのハイブリッドシステムは「リダクション機能付THSII」となり、遊星ギヤが使われております。お詫びして訂正させていただきます。

(編集部:佐久間 秀)