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トヨタ、JC08モード燃費40.8km/Lを達成した新型「プリウス」

「E」グレード以外の2WDは37.2km/L、E-Fourは34.0km/L

2015年12月9日発売

242万9018円~339万4145円

プリウス A “ツーリングセレクション”

 トヨタ自動車は12月9日、5ドアハッチバックモデルの新型「プリウス」を発売した。価格は242万9018円~339万4145円。新たにラインアップしたE-Four(電気式4輪駆動方式)モデルを含め全車エコカー減税で自動車取得税、自動車重量税が免税(100%減税)となる。

モデルハイブリッドシステム搭載バッテリー駆動方式価格
Eリダクション機構付のTHS IIリチウムイオン電池2WD(FF)2,429,018円
Sニッケル水素電池2,479,091円
S “ツーリングセレクション”2,628,327円
Aリチウムイオン電池2,777,563円
A “ツーリングセレクション”2,926,800円
A プレミアム3,107,455円
A プレミアム “ツーリングセレクション”3,199,745円
Sニッケル水素電池4WD(E-Four)2,673,491円
S “ツーリングセレクション”2,822,727円
A2,971,963円
A “ツーリングセレクション”3,121,200円
A プレミアム3,301,855円
A プレミアム “ツーリングセレクション”3,394,145円

 プリウスは量産車では世界初のハイブリッドカーとして1997年に初代モデルがデビュー。2003年に2代目、2009年に3代目とモデルチェンジを重ね、今回で4代目となる。大きな特徴は、2013年3月に発表されたトヨタ グローバルビジョンに基づく新しいクルマづくりの方針「TNGA(Toyota New Global Architecture)」を全面的に導入して開発された第1号車であること。これによりボディ、パワートレーンなどを一新。これまで以上の低燃費化に加え、走りの楽しさ、乗り心地のよさ、静粛性など多彩な面で基本性能を向上させている。

 ボディサイズは4540×1760×1470mm(全長×全幅×全高。4WD車の全高は1475mm)となり、3代目から全長が60mm、全幅が15mm拡大。一方で全高は20mm低くなっており、空力特性の改善による燃費向上、重心高の低下による走行性能強化などを実現し、さらにシャープで前傾姿勢のウェッジシェイプデザインが印象的なエクステリアを形成する要素にもなっている。

 また、フロントマスクのヘッドライトユニットには、1眼式でハイビームとロービームを使い分ける「Bi-Beam LEDヘッドライト」を全車に標準装備。三角形状の輪郭でシャープな印象を与えるLEDクリアランスランプ、テールランプとストップランプをLED化したリアコンビネーションランプと合わせて先進的な雰囲気を演出する。新色のサーモテクトライムグリーンは着色層に混ぜ込んだ「大粒径酸化チタン」が赤外線を反射。車体表面の温度上昇を抑え、エアコンの使用頻度を抑制して燃費向上に貢献する。

全高を20mm低くしたほか、ルーフピークを170mm前進。空力特性の改善とシャープでアグレッシブな外観デザインのポイントとなっている。LEDフロントフォグランプはAグレード系に標準装備、Sグレード系に2万1600円高でオプション設定。タイヤサイズは“ツーリングセレクション”系グレードは215/45 R17、そのほかのグレードは195/65 R15となる
テールランプとストップランプをLED化したリアコンビネーションランプはシャープな発光に加え、上側が車両前方に伸びてリアビューのアクセントになっている。ハイマウントストップランプ、ライセンスランプなどにもLEDを採用
新色のサーモテクトライムグリーン
新色のエモーショナルレッド
新色のスティールブロンドメタリック
ホワイトパールクリスタルシャイン
スーパーホワイトII
シルバーメタリック
グレーメタリック
アティチュードブラックマイカ
ダークブルーマイカメタリック

最軽量のEグレードはJC08モード燃費40.8km/Lを達成!

 ボディではスポット溶接の打点追加のほか、LSW(レーザースクリューウェルディング)の大幅導入、ホットスタンプ材の使用などにより、ねじり剛性を約60%向上させた高剛性ボディを採用。足まわりではリアサスペンションをトーションビーム式からダブルウィッシュボーン式に変更。走行性能の向上や快適な乗り心地を手に入れるほか、車軸間にリアトランスアクスル&リアモーターを配置して後輪を駆動させることで、3代目までなかった4WDとなる「E-Four(電気式4輪駆動方式)」を実現した。

 パワートレーンでは最大熱効率40%を実現した改良型の直列4気筒DOHC 1.8リッターエンジン「2ZR-FXE」を搭載。ハイブリッドシステムの「リダクション機能付THS(Toyota Hybrid System)II」をさらに進化させ、リダクションギヤのプラネタリーギヤを平行軸歯車に変更して、モーターを複軸配置する「新複軸構造トランスアクスル」を採用。システム全体で約20%の低損失化を達成している。

 これにより、車両重量が最軽量の1310kgとなるEグレードでは、JC08モード燃費40.8km/Lを達成。ほかのグレードでは2WD(FF)車で37.2km/L、E-Fourの4WD車で34.0km/Lとなっている。

ダブルウィッシュボーン式を採用したリアサスペンションの車軸間にリアトランスアクスル&リアモーターを新設。通常は前輪駆動で走行しつつ、前輪がスリップするような路面状況では後輪もモーターで駆動させる「E-Four(電気式4輪駆動方式)」をラインアップに加えた
前後輪トルク分配量表示
新型プリウスの走行イメージ
駆動用バッテリーはラゲッジスペースのフロア下からリアシートの座面下に移設。重量物であるバッテリーが低く、車両中央側に移動したことで走行性能の向上に繋がっている
各種アンダーカバーによるフロア下のフラット化、グリルシャッターなどにより、Cd値はクラス世界トップレベルの0.24を実現する
プリウス A “ツーリングセレクション”のインテリア。シート表皮は合成皮革

 インテリアではインパネ位置を下げて開放感を出し、広い視界によって運転しやすさを手に入れる一方、包み込むようなデザインで乗員との一体感を演出。インテリア色はブラックを基本に選択装備としてクールグレーを設定。さらにシートステッチにはミッドブルー、ターコイズ、グレーの3色、エアコンのサイドレジスターにはミッドブルー、ターコイズ、ブラックメタリック、ブラックの4色を用意し、グレードや内装色によって使い分けが行なわれている。シート表皮はA プレミアムとA プレミアム “ツーリングセレクション”が本革、A “ツーリングセレクション”とS “ツーリングセレクション”が合成皮革、AとSが上級ファブリック、Eがファブリックとなる。

ブラック内装のA。シート表皮は上級ファブリック
クールグレー内装のA プレミアム“ツーリングセレクション”。シート表皮は本革
乗員のいる位置だけを空調を効かせる「S-FLOW」を備え、電動インバーターコンプレッサーを使用するオートエアコンを全車に標準装備
センターコンソールの「おくだけ充電」はAグレード系に1万2960円高でオプション設定
回転チルトシート車(写真)は2016年3月10日、フレンドマチック取付用専用車は2016年4月1日に発売となる

 このほかに先進装備では、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」、ITS専用周波数760MHz帯とプロトコルを用いる協調型安全技術「ITS Connect」を採用。Toyota Safety Sense PはAグレード系に標準装備、そのほかのグレードで8万6400円高でオプション設定。ITS ConnectはToyota Safety Sense Pとの同時装着が前提となっており、全車に2万7000円高でオプション設定されている。

 Car Watchでは11月18日~19日に、富士スピードウェイを舞台に開催されたトヨタ自動車「プリウス プロトタイプ(4代目)」試乗会のようすを、インプレッションや写真で見る、360度パノラマ動画など記事7本に渡って紹介しているので、詳しくは下記の関連記事を参照していただきたい。

(編集部:佐久間 秀)