2015デトロイトショー

インフィニティ、次期「スカイラインクーペ」を示唆する「Q60コンセプト」を世界初公開

新世代のV型6気筒3.0リッター直噴ツインターボエンジン搭載

会期:2015年1月12日~25日(現地時間)

プレスカンファレンスでベールを脱ぎ、ステージ上を走行する「Q60コンセプト」

 インフィニティ(日産自動車)は、北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)にて2ドアクーペ「Q60コンセプト」をワールドプレミアした。

ワールドプレミアされたQ60コンセプト
ビー・エム・ダブリューから移籍し、2014年9月にインフィニティ・モーターの社長に就任したローランド・クルーガー氏もプレスカンファレンスで登壇

 昨今のインフィニティは、プレミアムブランドとしての立ち位置を確固たるものとすべく、ラインアップや車種名を整理した上で拡大を図る戦略を取っている。

 2013年の北米国際自動車ショーでは、「Q50(日本名:スカイライン)」を発表。インフィニティのセダンやクーペモデルは、先代まで「G」のアルファベットが頭文字が使われていたが、新型から頭文字が「Q」に変更された。そしてSUVは「QX」の頭文字となるのが新世代のラインアップで、その第1弾がQ50だった。

 同年のフランクフルトショーでは、インフィニティでは初となるコンパクトモデルの「Q30コンセプト」を公開。そして2014年のパリモーターショーでは、大型のラグジュアリーセダンコンセプトとなる「Q80インスピレーション」をお披露目した。コンパクトからミドルサイズ、フルサイズと車種展開を広げていこうという姿勢が伺える。

 新たに公開されたQ60コンセプトは、Q30コンセプトやQ80インスピレーションと同様にひと目でインフィニティと分かる存在感のあるフロントグリルや流麗なサイドシルエットなど、新世代のデザインコンセプトを踏襲している。

プレスカンファレンスで、4カ国のデザインデザインスタジオが凌ぎ合うことで、スタイリッシュなデザインが構築されていることについて語った日産自動車 中村史郎チーフクリエイティブオフィサー

 ボディーサイズは4690×1865×1370mm(全高×全幅×全高)。搭載されるエンジンは、新世代のV型6気筒3.0リッター直噴ツインターボとなる。新規開発となるこのエンジンは、コンセプトカーのQ80インスピレーションに搭載されていたもので、環境性能とパフォーマンスを両立しているという。

 インフィニティは今回発表されたQ60のモデルチェンジの前に、Q30コンセプトをベースとした市販モデルの生産を開始するようだ。早ければ今年中の発売が予定されている。

 北米ではV36型のスカイラインクーペが現在「Q60」の名称で販売されているので、このQ60コンセプトが次期モデルになることが想定される。新型にモデルチェンジするのはQ30のデビューを待ってからになるので2016年になるだろう。日本国内に導入するといったアナウンスはないが、このQ60コンセプトが次期スカイラインクーペとして販売されることを期待したい。

ホイールは21インチを装着。ブレーキは6ピストンのキャリパーに大径ローターをセットする。材質はカーボンセラミックのようなので、これはショーカーとしての演出である可能性が高い
インテリアは運転に集中しやすいよう、ドライバーを中心にラウンドしたデザインを用いる
シート、インパネ、ドアトリムなどにはカーボンや質感の高いレザーを使い、高級感とスポーティさを表現

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。