東京モーターショー2017

【東京モーターショー2017】自動運転時代のヒューマンインターフェースを具現化。「コンセプト・コックピット」を展示したパイオニア

「光技術、ナビ技術、地図技術を活かして自動運転の実現になくてはならない会社を目指す」と、大舘常務

2017年10月25日 開幕

2017年10月27日 プレビューデー

2017年10月28日~11月5日 一般公開日

【東京モーターショー2017】自動運転時代のヒューマンインターフェースを具現化。「コンセプト・コックピット」を展示したパイオニア 3D-LiDARを手にするパイオニア株式会社 取締役兼常務執行役員の大舘諭氏
3D-LiDARを手にするパイオニア株式会社 取締役兼常務執行役員の大舘諭氏

 10月25日、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で「第45回東京モーターショー2017」が開幕した。27日はプレビューデー、28日~11月5日は一般公開日となる。

 パイオニア 取締役兼常務執行役員の大舘諭氏は、10月26日に行なわれたプレスカンファレンスにおいて自動運転に向けた取り組みについて説明し、「パイオニアは光技術、ナビ技術、地図技術を生かして、自動運転の実現になくてはならない会社を目指す」とした。

 その1つとして紹介されたのが、さまざまなHMIデバイスを搭載した「コンセプト・コックピット」だ。一般道での自動運転レベル3以上を想定したもので、レーザースキャン方式のヘッドアップディスプレイ、ドライバーの状態をモニタリングし、眠気を検知すると振動で注意喚起するシート内蔵の心拍センサーと振動ユニットなど、多数のデバイスで構成される。

【東京モーターショー2017】自動運転時代のヒューマンインターフェースを具現化。「コンセプト・コックピット」を展示したパイオニア 東8ホール E8303にあるパイオニアブース
東8ホール E8303にあるパイオニアブース
【東京モーターショー2017】自動運転時代のヒューマンインターフェースを具現化。「コンセプト・コックピット」を展示したパイオニア プレスカンファレンスで登壇したパイオニア株式会社 取締役兼常務執行役員 大館諭氏
プレスカンファレンスで登壇したパイオニア株式会社 取締役兼常務執行役員 大館諭氏
【東京モーターショー2017】自動運転時代のヒューマンインターフェースを具現化。「コンセプト・コックピット」を展示したパイオニア ブース中央に展示されたのは、一般道での自動運転レベル3以上を想定したHMIを搭載する「コンセプト・コックピット」
ブース中央に展示されたのは、一般道での自動運転レベル3以上を想定したHMIを搭載する「コンセプト・コックピット」

 3D-LiDARは、周辺にある物体までの正確な距離や物体の大きさを検出できるセンサーで、「対象の形状を把握できるので、自動運転には不可欠なキーデバイスと言われている」と紹介。その上で「2020年以降の量産化を目指して、高性能で小型低コストの3D-LiDARの開発を進めている」と説明し、国内外の自動車メーカーやICT関連企業にサンプル出荷を開始していると現状を語った。今後については「実用化に向け、トータルシステムとしての動作検証を行ない、必要に応じて製品開発を進める」という。

【東京モーターショー2017】自動運転時代のヒューマンインターフェースを具現化。「コンセプト・コックピット」を展示したパイオニア コンセプト・コックピットでは、同社の最新技術を多数組み込んでいる
コンセプト・コックピットでは、同社の最新技術を多数組み込んでいる
【東京モーターショー2017】自動運転時代のヒューマンインターフェースを具現化。「コンセプト・コックピット」を展示したパイオニア 2017年9月からサンプル供給を開始した3D-LiDAR
2017年9月からサンプル供給を開始した3D-LiDAR
【東京モーターショー2017】自動運転時代のヒューマンインターフェースを具現化。「コンセプト・コックピット」を展示したパイオニア 検知対象の距離に応じて方式の異なる3D-LiDARをラインアップする
検知対象の距離に応じて方式の異なる3D-LiDARをラインアップする

 そのほか、自動運転用地図とそれを利用したデータエコシステムの構築、9月に資本提携したオランダのHERE Technologiesと進めるビジネスなどについても説明が行なわれた。HERE Technologiesとの提携については、「当社の強みである日本の地図やグローバルに展開している製品群・サービスを生かしながら、HEREと事業シナジーを創出できるものと考えている」と展望を述べた。

【東京モーターショー2017】自動運転時代のヒューマンインターフェースを具現化。「コンセプト・コックピット」を展示したパイオニア パイオニアが目指すデータエコシステムの概要
パイオニアが目指すデータエコシステムの概要
【東京モーターショー2017】自動運転時代のヒューマンインターフェースを具現化。「コンセプト・コックピット」を展示したパイオニア 自動車での活用だけでなく、さまざまなシーン・デバイスで地図活用サービスを広げていく
自動車での活用だけでなく、さまざまなシーン・デバイスで地図活用サービスを広げていく
【東京モーターショー2017】自動運転時代のヒューマンインターフェースを具現化。「コンセプト・コックピット」を展示したパイオニア オランダのHERE Technologiesとの業務・資本提携の概要
オランダのHERE Technologiesとの業務・資本提携の概要

 コンセプト・コックピットに加え、3D-LiDARやフレキシブル有機ELテールランプ&ターンシグナル、レーザースキャンHUDなどが参考出展されていた。3D-LiDARはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーを使った走行空間センサーであり、担当者は「光を使っているため、高速で走行していても位置がずれることなく対象を検知できる。また光は直進性が高く、ほかの方式に比べて精度が高い」と、3D-LiDARの強みを説明した。

【東京モーターショー2017】自動運転時代のヒューマンインターフェースを具現化。「コンセプト・コックピット」を展示したパイオニア 3D-LiDARモジュール。左側は初回サンプルのモデルで、中央の2つはラスタースキャン方式、右側はウォブリングスキャン方式
3D-LiDARモジュール。左側は初回サンプルのモデルで、中央の2つはラスタースキャン方式、右側はウォブリングスキャン方式
【東京モーターショー2017】自動運転時代のヒューマンインターフェースを具現化。「コンセプト・コックピット」を展示したパイオニア ブース内では実際に3D-LiDARの実機を使ったデモンストレーションも行なわれていた
ブース内では実際に3D-LiDARの実機を使ったデモンストレーションも行なわれていた

 レーザースキャンHUDも体験できる。出力される映像は極めてコントラストが高く、クリアで視認性も良好だ。パイオニアでは継続してレーザースキャンHUDの開発を進めており、数年前よりも画質を高められているとする。

【東京モーターショー2017】自動運転時代のヒューマンインターフェースを具現化。「コンセプト・コックピット」を展示したパイオニア レーザースキャンHUDの展示。輝度も高く、天気のよい昼間でも十分な視認性を確保できる
レーザースキャンHUDの展示。輝度も高く、天気のよい昼間でも十分な視認性を確保できる
【東京モーターショー2017】自動運転時代のヒューマンインターフェースを具現化。「コンセプト・コックピット」を展示したパイオニア レーザースキャンHUDで使われるモジュール。スクリーンまで含めて自社開発となっているため、トータルで画質を高められると担当者は話す
レーザースキャンHUDで使われるモジュール。スクリーンまで含めて自社開発となっているため、トータルで画質を高められると担当者は話す
【東京モーターショー2017】自動運転時代のヒューマンインターフェースを具現化。「コンセプト・コックピット」を展示したパイオニア 曲げることができるフレキシブルタイプの有機EL照明パネルを使ったテールランプ&ターンシグナル
曲げることができるフレキシブルタイプの有機EL照明パネルを使ったテールランプ&ターンシグナル
【東京モーターショー2017】自動運転時代のヒューマンインターフェースを具現化。「コンセプト・コックピット」を展示したパイオニア ADASソリューションである「インテリジェント パイロット」。通信型ドライブレコーダーを利用し、衝撃を検知した際は自動的に保険会社などへ通知できる
ADASソリューションである「インテリジェント パイロット」。通信型ドライブレコーダーを利用し、衝撃を検知した際は自動的に保険会社などへ通知できる
【東京モーターショー2017】自動運転時代のヒューマンインターフェースを具現化。「コンセプト・コックピット」を展示したパイオニア 業務車両向けの運行管理システム「ビークルアシスト」。車両の位置情報を即座に把握できるほか、日報作成の支援やコース作成などの機能も備えている
業務車両向けの運行管理システム「ビークルアシスト」。車両の位置情報を即座に把握できるほか、日報作成の支援やコース作成などの機能も備えている
【東京モーターショー2017】自動運転時代のヒューマンインターフェースを具現化。「コンセプト・コックピット」を展示したパイオニア 最新のカーナビゲーションシステムやカーオーディオ製品も展示
最新のカーナビゲーションシステムやカーオーディオ製品も展示
【東京モーターショー2017】自動運転時代のヒューマンインターフェースを具現化。「コンセプト・コックピット」を展示したパイオニア 展示されていた「サイバーナビ AVIC-CL901-M」。ハイレゾ音源のネイティブ再生に対応
展示されていた「サイバーナビ AVIC-CL901-M」。ハイレゾ音源のネイティブ再生に対応
【東京モーターショー2017】自動運転時代のヒューマンインターフェースを具現化。「コンセプト・コックピット」を展示したパイオニア 発売されたばかりの「楽ナビ AVIC-RL901」。「ドアtoドアルート検索」機能などを備える
発売されたばかりの「楽ナビ AVIC-RL901」。「ドアtoドアルート検索」機能などを備える

川添貴生