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三菱電機とHERE、自動運転の実現に向けた「高精度位置情報サービス」で提携合意
2017年10月27日 21:33
- 2017年10月27日 発表
三菱電機とHERE Technologiesは10月27日、グローバルでの「高精度位置情報サービス」の利用拡大に向けて提携することで合意したと発表。今回の提携により両社が持つ高精度位置情報ソリューションを相互に活用することを目指す。
自動運転の実現に向けて高精度地図データと高精度な自車位置把握情報の重要性が増している。HEREは高精度地図を整備するとともに、クラウド位置情報サービス「Open Location Platform」を運用開始している。一方、三菱電機は高精度で自車位置を把握できる「高精度ロケータ」を開発している。
今回の提携により、HEREの「Open Location Platform」と、三菱電機の「高精度ロケータ」を組み合わせて、リアルタイムかつ高精度な位置特定による事故発生時や渋滞発生時のスムーズな推奨レーン案内の実現を目指すとしている。また、「高精度ロケータ」により取得するクルマの走行情報を高精度地図のメンテナンスに活用して、ユーザーがより最新の高精度地図を容易に使えることを目指す。
さらに、車載分野以外の様々な領域においてもユーザーが高精度位置情報サービスを利用しやすくなることを目指して協力を進めていくという。
同日開催された記者発表会に三菱電機 専務執行役 自動車機器事業本部長の井口功氏、HERE CEOのエザード・オーバービーク氏が登壇した。
井口氏は「三菱電機は高度な自動運転の実現に向けて、各種センサーの組合せによる自律型走行技術に加え、衛星と高精度地図を活用したインフラ型走行技術の開発を進めています。インフラ型走行技術は安全な自動走行には不可欠であり、今回のHEREとの提携は、このインフラ型走行技術のグローバルな展開に弾みをつけるもの」とのコメントを示した。
また、自動運転の実現に向けて高精度地図データに関して三菱電機は、日系自動車メーカーも参加するダイナミックマップ基盤にも参画しているが、井口氏は「ヨーロッパや米国においてのHEREのプレゼンスは非常に大きく、まずは一緒にやらせていただく。また、国内についてはダイナミックマップ基盤株式会社にも我々は参画しているので、これを一緒にやる。といった2つの柱になる」との考えを示した。
オーバービーク氏は「位置情報技術は、現在様々な業界を通して起こっているデジタル革新の核であり、三菱電機とHERE Technologies の非常に実りの多い協議の開始点となっています。両社は固有の技術を持ちよりパートナーシップを組むことでデジタル革新を実現し、共にお客様に対し多大なる価値を提供できるものと信じています。両社の提携は、まずは自動運転分野で進めますが、これにとどまらず将来は今後拡大していく自動化社会での新たな魅力的なサービスやビジネスモデルについても検討していきます」とのコメントを示した。