人とくるまのテクノロジー展 2019
3倍撮影で夜にも強い、トヨタの安全技術 第2世代「Toyota Safety Sense」を支えるデンソー「Global Safety Package」
1ルクスを見るカメラユニットと新型ミリ波レーダー
2019年5月23日 15:59
- 2019年5月22日~24日 開催
- 入場無料
自動車技術会が主催する自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」が5月22日、神奈川県のパシフィコ横浜・展示ホールで開幕した。会期は5月24日まで。登録が必要だが入場は無料。
さまざな製品が展示されているデンソーブースで注目してほしいのは、「Global Safety Package」と題されたコーナー。ここではデンソーの最新車載カメラとミリ波レーダーが展示されており、その動作原理などが解説されている。
これはトヨタ自動車が2018年1月8日発売の「アルファード」「ヴェルファイア」から搭載を始めた安全運転支援システムの第2世代版「Toyota Safety Sense 2.0」(以下、TSS 2.0)におけるキーパーツになる。これ以前のTSSは、TSS-PとTSS-Cに分かれていたのを覚えている人も多いだろう。TSS 2.0はそれらを置き換える形で各車に搭載が始まっており、自転車の飛び出しや夜間歩行者認識性能は大幅に向上。クルマ搭載時で1ルクス以上、システムデバイスとしても1ルクス以上での認識性能が公表されている。
クルマと組み合わせた際は、車種の特性により自動ブレーキ性能などは異なってくると思われるが、「Global Safety Package」コーナーではデバイスユニットの素の性能を知ることができる。
単眼の車載カメラはソニー製のイメージセンサーを採用しており、センサーそのものの性能も夜に強くなっているほか、露出を変えた3枚の写真を撮影する(つまり、従来の3倍撮影している)ことで、明暗差の大きなシーンに対応。暗いところから明るいところまで対応できる、いわゆるHDR(Hi Dynamic Range)性能を手に入れている。また、多くのシーンを学習しており、機械学習した結果からも夜間の人の認識性能を高めている。トヨタが実施した取材会の際には、人の足の形だけを学習したパターンを持っているとし、ロービームのヘッドライトによって照らされた状況での認識で有意に働いているとのことだった。
この単眼カメラと組み合わされるのが、新開発のミリ波レーダー。レーダーの照射域を工夫することでモーターを廃し、小型化・薄型化を実現。クルマへの取り付け自由度が上がっている。デンソーの「Global Safety Package」は、TSS 2.0の搭載車種拡大によってその性能の高さが実証されており、TSS 2.0を搭載した「カローラ スポーツ」はJNCAPの予防安全性能評価で新最高ランクのASV+++を獲得。被害軽減ブレーキ[対車両]32/32点、被害軽減ブレーキ[対歩行者(昼)]25/25点、被害軽減ブレーキ[対歩行者(夜)]40/40点と、被害軽減ブレーキ性能関連では満点となっている。現時点で最も高いレベルの安全性能を持つシステムとして評価されている。