ニューヨークショー 2019

【ニューヨークショー 2019】日産、「GT-R NISMO」2020年モデル公開。価格公表はしかるべきタイミングで

日本では5月中旬より先行予約受付を開始

2019年4月17日~18日:プレスデー

2019年4月19日~28日:一般公開日

「GT-R NISMO」2020年モデル

 日産自動車は4月17日(現地時間)、「GT-R NISMO」2020年モデルをニューヨークモーターショー「New York International Auto Show 2019」で公開。新開発のカーボンセラミックブレーキ、カーボン製の外装部品、RECAROシートなどを合わせて合計で約30kgの軽量化を果したという。日本では5月中旬より先行予約受付を開始するが、価格は未発表。ここ米国で広報担当者に価格について確認すると「しかるべきタイミングで公表いたします」とのこと。

 GT-R NISMO 2020年モデルは、2018年のGT3レーシングカーから使用されている新型のターボチャージャーを採用。NISMO用の新たなタービンブレードにより、レスポンスを約20%向上。これにより、コーナー立ち上がり時など、アクセルを踏み込んだ際の立ち上がり加速性能を高めた。

 車両重心点から遠いルーフ、エンジンフード、フロントフェンダーにカーボン素材を使用して、車両を軽量化することによりコーナリングの性能を向上。特に、ルーフにはカーボン素材の間に、より低比重の材質を挟み込むサンドウィッチ構造を採用して、さらなる軽量化を図った。これらの外装部品によって約10.5kgの軽量化を達成した。

「GT-R NISMO」2020年モデル
「GT-R NISMO」2020年モデル

 新開発のRECAROシートは、カーボンシェルにコアフレーム構造を追加することで軽量化をしながら剛性を高めるとともに、ドライバーの肩甲骨から脇腹、骨盤を安定して支えるという。

 フロントフェンダーのエアダクトは、エンジンルームからの熱を逃がすだけでなく、エンジンルーム内の内圧を下げ、エアダクトの排出風によってフェンダー外表面の流速を下げることにより、表面リフトを減少させることによってフロントタイヤのダウンフォースを増やす効果ももたらした。

 新たに開発したカーボンセラミックブレーキは世界最大級のサイズを誇るといい、ブレーキローターの大径化に合わせて、ピストン配列を最適化した専用の高剛性キャリパーと新しい摩擦材のブレーキパッドを開発。高負荷状況だけでなく、日常的な使用においても圧倒的な制動力と優れたコントロール性を実現させたという。

 そのほかにも、9本スポークが特徴となる軽量で高剛性な鍛造アルミホイールや走行中の接地面積を最大化したハイグリップタイヤを新たに開発。これに伴い、電子制御サスペンションのセッティングも施した。

 軽量化したブレーキと相まってばね下重量を大幅に削減したことにより、路面をより確実にとらえその凹凸にあわせてタイヤのグリップを最大限使用することが可能となったといい、高車速域においてもステアリングの修正は最小減に抑えられ、コーナリング時の旋回Gが向上、より速いコーナリングが実現したとしている。

「GT-R NISMO」2020年モデル

編集部:椿山和雄