イベントレポート

【CES 2019】Texas Instruments、約130万画素のDLPヘッドライト製品版を出展。レベル2+、レベル2プレミアム対応というレーダーも

2019年1月6日~7日(現地時間) プレスカンファレンス

2019年1月8日~11日(現地時間) 一般公開

Texas Instrumentsが展示した、DLPヘッドライトの製品版

 Texas Instruments(以下、TI)は、米ラスベガスで開催中の「CES 2019」(1月8日~11日)において、次世代の自動車用ヘッドライトとなるDLPヘッドライト製品版など、同社製品群を展示した。

 同社は、DSP(Digital Signal Processor)など半導体開発で知られる会社で、各種産業向けに部品供給を行なっている。その同社が誇る技術がDLP(Digital Light Processing)で、プロジェクターなどに用いられている。家電店の店頭や映画館で「DLP」の文字を見かけた人もいるだろう。

 このDLP技術は、小さなミラーを駆動して映像を描き出したりするもので、TIはヘッドライトにこの技術を応用。約130万画素のDLPを用いて、例えば人の歩いている部分だけ光を当てないようしたり、左下がりの配光特性の実現、路面に光で図を描くなどのデモを実施した。

DLPの基幹技術である、小さなミラーの集合体。これで、光の方向を変更して自由なパターンを描く
DLPヘッドライトの光。2箇所に切り込みが入っているのがお分かりだろうか
こちらは右肩上がりの配光。くっきりとした配光が行なわれている
これは雨のような模様を描いているところ。動きを表現できる
こちらは文字(ロゴ)を描いているところ
スマートキーソリューションの展示。ウィンドウに「DLP」の文字が見えるが、これも1つの提案。10キーなどを照射して、パスコード解除を行なうという
サイドミラー下部に埋め込まれたDLPユニット。路面に左折サインなどさまざまなものを描き出せる。デモではラスベガスを描いていた

 DLPヘッドライトでは動画のような表示が可能なため、クルマを追従しながらその部分だけ光を当てないようにすることができる。また、文字を路面に投影することで、外部の人とのコミュニケーションがライトでできる。これまでとは違った可能性をもつらいとだ。

 そのほかTIブースでは、2つのモード(デュアルモード)の照射範囲をもつレーダーを展示。担当者によると、これはレベル2+(プラス)もしくはレベル2プレミアムの自動運転向けとのこと。2019年のCESでは、自動運転レベル2+などの言葉を聞くことが多いが、これはとくに公的に決められているのではなく、各メーカーがすでに普及段階に入った自動運転レベル2のその次の技術を模索しているからだろう。このレーダーでは、狭い範囲ながら遠くまで見ることができるほか、近くに関しては広い範囲を見ることができる。遠くまでロングレンジ部分については、ビームステアリングすることも考えおり、いろいろな応用ができるとのことだった。

デュアルモードを持つレーダーのデモ
捉えた映像
照射イメージ

 より電費に優れるEV用コントローラ、スマートキーソリューションなど、クルマ関連も含め多くの展示が行なわれていた。

編集部:谷川 潔