イベントレポート

パナソニック、「走るリビング」や自転車とクルマの事故防止を図るITS通信「B2X」展示

2023年10月26日〜11月5日 開催

自転車向けのITS通信「B2X」のデモ

 パナソニックグループは「ジャパンモビリティショー2023」(東京ビッグサイト:会期10月26日〜11月5日)で、V2Hなどの電力管理ソリューションのほか、2030年代以降の自動運転車のあり方を提案する「Mobile Living Room」、自転車とクルマの間での車車間通信「B2X」のデモを展示している。

パナソニックグループのブース

 住宅そのものや住宅設備、家電製品、自動車向け部品に自転車など、幅広い分野をカバーしているパナソニックグループ。それだけに、ブースに展示しているソリューションも多様な分野にまたがっている。

 目玉の1つとして打ち出していたのは、2030年代以降の自動運転車を提案する「Mobile Living Room」。まるで自宅リビングのような車内で快適に過ごすことができ、街のセキュリティカメラとも連携しながら他車や歩行者などの位置を把握して安全な移動を実現する。ここでは「移動時間をじぶん時間へ」というコンセプトも提示している。

未来の自動運転車の姿を提案する「Mobile Living Room」

 パナソニックグループでは電動アシスト自転車やアシスト用のパワーユニットを開発していることもあり、自転車の安全性に向けた取り組みの1つとして、「B2X」と称するITS(高度道路交通システム)による自転車向けソリューションも提案している。

 一般的には「V2X」として知られる車両とその他との無線通信を自転車にも応用する考え方で、自転車走行時に他車が接近していることを車載端末などで知らせることで事故の防止を図る仕組み。ブースのデモでは、そうした仕組みがあるパターンとないパターンの両方を、実際に自転車のペダルを回すことで連動する映像とともに体験できる。

自転車向けITS通信「B2X」のデモ
自転車をこぐと映像もそれに連動して動く

 他には、パナソニックグループのおよそ60の車両向け商材が、実際の車体のどの部分に使われているのかが分かる展示や、V2H蓄電システム「eneplat」をはじめとする住宅向け発電・蓄電ソリューションも確認可能だ。

車体を模した半透明の模型
エンジン(モーター)周辺、バッテリやカーナビ、インフォテイメント関連の部品など、さまざまなところでパナソニックの製品が使われていることがわかる
V2H蓄電システム「eneplat」に関連する設備
ソーラーパネルと蓄電池、それらを制御するAI搭載機器などで高効率な電力管理を行なう
パナソニックが展開する充電インフラのシェアリングサービス「everiwa」。施設や個人宅などにある充電設備を貸し出すことで収益にもつなげられる
日沼諭史

1977年北海道生まれ。Web媒体記者、IT系広告代理店などを経て、フリーランスのライターに。IT、モバイル、オーディオ・ビジュアル分野のほか、四輪・二輪や旅行などさまざまなジャンルで活動中。2009年より参戦したオートバイジムカーナは2年目にA級昇格、2012年にSB級(ビッグバイククラス)チャンピオン獲得。