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パナソニック、「ジャパンモビリティショー2023」出展概要 家・街・人をつなぐモビリティへの取り組みを紹介

2023年10月12日 発表

 パナソニックグループは10月12日、東京・有明の東京ビッグサイトで開催される「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」(会期:10月26日~11月5日)の同社ブースの出展内容について説明した。「笑顔が循環するくらしへ。」をテーマに、パナソニックグループが思い描く将来のくらしを表現。モビリティが家や街、人をつなぎ、移動によって誰かを笑顔にする社会の実現に向けた取り組みを紹介するという。

「100年にわたってくらしに寄り添ってきたパナソニックが、モビリティを真剣に考え、思い描いた将来のくらしのビジョンを示す」(パナソニック オペレーショナルエクセレンス スペース&メディアコミュニケーションセンター スポンサーシップ・イベント推進室 展示・イベント課の伊藤寛人課長)という。

 東京ビッグサイト東7ホールの次世代モビリティ関連部門エリアに、180m 2 のブースで出展。大型スクリーンを使用したプレゼンテーションステージでは、パナソニックグループが思い描く将来のくらしを、1日の流れとして体験できるほか、「Mobile Living Room」「Automotive Devices & Solutions」「Vehicle to Home」などのテーマごとに、技術や製品を展示する内容となっている。

パナソニックブース

 なお、同社では事業部門として、前身となる東京モーターショーに出展した経緯はあるが、パナソニックグループ全体で単独ブースを設けるのは今回が初めてのことになる。

「パナソニックというブランドが、モビリティに対しても、キープレイヤーの1社であるという認知や、有益な価値を提供する企業であるということを、若い世代に知ってもらいたいと考えている。JAPAN MOBILITY SHOW 全体では、ファミリー層の集客にも力を入れており、こうした来場者にもブースを訪れてほしい」と述べた。

 プレゼンテーションステージでは、4分間のコンセプトムービーの放映と、MCによる説明が15分間に1回のサイクルで行なわれる。モビリティ分野における地球環境への貢献などについても訴求。自動運転技術や各種制御技術によって、2035年に実現する揺れなどを感じない快適な空間での移動の様子などを映像によって提案する。

未来のモビリティ体験「Mobile Living Room」

「Mobile Living Room」は、未来のモビリティを体験できる展示コーナーとし、2035年の未来を想定し、よりよいくらしのために、快適、安心で、エコなモビリティを提案するという。リビングのように、家族が一緒にくつろげるような車室空間のほか、クルマや自転車、歩行者が、お互いに安心して移動できる機能、意識しなくても環境にも貢献できるドライビングなど、安心で快適な未来の移動体験を、実際に乗車して実感できるという。

Mobile Living Room

「パナソニックグループは、一人ひとりのよりよいくらしを実現するため、創業時から家電や住宅を通じてくらしに密着してきた。この知見を活かして、移動で得られる心動かす未来と、豊かなモビリティ社会の創出を目指しており、そのために社長直轄の組織横断全社プロジェクトを立ち上げている。テーマは『笑顔を運ぶ、くらしのクルマ』であり、現在の事業の延長ではない考え方によって取り組んでいる。移動によって自分が笑顔になる車室空間はあたりまえであり、移動によって自分以外の誰かも笑顔にすることを目指している。その成果を見せることになる」(パナソニック オートモーティブシステムズ 車室空間ソリューション室ストラテジックマネージャーの宮道敏広氏)という。

 自家用車の稼働率が4%であるが、家電や住宅を使わない人はほとんどいないという観点からモビリティを捉え、人の視点、くらしの視点から、未来のモビリティ体験を再定義するという。

 Mobile Living Roomと呼ぶスケルトン型の未来のクルマを展示。車内を移動空間として捉えず、楽しい体験や好きなことができる環境にすることで、「移動時間」を「じぶん時間」に変える提案を行なう。また、クルマと街が連携することで、「クルマの安心」から「街の安心」へと進化。走行可能距離のことを心配したり、電気代を気にしたりせずに、環境に貢献できる「意識高いエコ」から「意識しないエコ」を提案する。

 Mobile Living Roomのなかでは、ジェスチャーや言葉による直感的な操作や、場の雰囲気に合わせて五感に響く演出を行なうほか、クルマや自転車、歩行者の位置情報を把握し、行動予測から見えない危険をそれぞれに通知したり、歩行者とクルマとのコミュニケーション手段として活用したりといった提案が行なわれる。

 Mobile Living Roomでは、7分弱のデモストレーションが行なわれ、1回あたり2~3人が乗車できるという。乗車は予約制になる。

EV普及に貢献する車載デバイス・ソリューション「Automotive Devices & Solutions」

「Automotive Devices & Solutions」は、パナソニックオートモーティブやパナソニックインダストリー、パナソニックエナジーの3つの事業会社が持つ、EV普及に貢献する車載デバイスソリューションを一堂に展示。それらを融合したモビリティとして紹介する。製品や技術を車内のさまざまな場所で活用することで、環境課題の解決や快適な車室の実現、安心安全の実現に貢献する様子を、光やタッチパネルを用いて直感的に理解できるようにしたという。また、詳細な情報はQRコードを通じてウェブサイトで確認できる。

V2H蓄電システム「eneplat」を紹介する「Vehicle to Home」

「Vehicle to Home」では、その名の通り、EVやPHVに搭載されているバッテリに蓄積した電力を家庭で使用する「V2H」を紹介。具体的には蓄電システム「eneplat」を展示する予定だ。

 太陽光がつくる電気を、蓄電池や電気自動車にためて、必要なときに、自由に使うというクリーンエネルギーの活用の仕組みを映像で紹介。家の中を実物大で見える大きな窓には、16面マルチモニターを設置。ここに映像コンテンツを投影するとともに、平常時も、停電時も、効率よく電気を活用するクリーンエネルギーのプラットフォームとして「eneplat」を紹介する。また、みずほフィナンシャルグループと共同で進めているEV充電のシェアリングサービス「everiwa」も映像を通じて紹介する予定だ。

「Vehicle to Home」で紹介されるV2H蓄電システム「eneplat」
EV充電のシェアリングサービス「everiwa」

ITS搭載サイクルモビリティ(B2X)

 また、ITS搭載サイクルモビリティ(B2X)の展示も行なう。ITS(高度道路交通システム)を使用した自転車と自動車との車車間通信によって、見通しのわるい交差点での出会い頭事故を回避するバーチャルデモンストレーションを実施。ここでは、実際に自転車を漕ぎながら、ITS通信が無いヒヤリハットと、ITS通信がある車車間通信による安全性を体験できる。

 さらに、主催者プログラムである「Tokyo Future Tour」にも出展。FOODエリアにおいて、次世代モビリティサービスプラットフォーム「X-Area」の活用事例を紹介。自動搬送ロボット「ハコボ」にカプセルトイを搭載し、イベントオフィシャルグッズの移動販売を行なう予定だ。来場者は電子マネーで専用コインを購入後、「ハコボ」でカプセルトイの購入体験ができる。「ハコボ」は、日本で初めて住宅街での公道走行を実現しており、人や障害物にぶつからない安全停止機能を搭載。用途に応じてキャビンのカスタマイズが可能になっている。

自動搬送ロボット「ハコボ」