イベントレポート
ヴァレオ&市光工業、全長2.5mの超小型EVや隠れるディスプレイ、車両前方ディスプレイ「e-Face」など展示
2023年10月26日 17:13
- 一般公開日:2023年10月28日~11月5日
- 入場料:1500円~4000円
ヴァレオジャパンと傘下の市光工業は「ジャパンモビリティショー2023」(東京ビッグサイト:会期10月26日~11月5日)で、小規模配送に適した超小型EVや、車内インテリアに紛れるディスプレイ、自動運転車に「表情」を追加する「e-Face」、高さ5mmのヘッドライトなど展示している。
ブースの中央に展示された超小型EVは、元日産の開発者などが関わる「METAx(超小型EV技術研究組合)」によるもの。心臓部にヴァレオの推進システム「48V eAccess」を採用し、独自設計による全長2.5m、幅1.3mの「バイクより大きく、軽バンより小さい」車体を実現した。
乗車定員はドライバー1名のみで、積載量は乗員を除き90kgまで。バッテリ交換式とし、都市圏の近距離配送などの用途に適した使い勝手を追求している。車検が不要という特徴もあり、維持費を抑えられるのもメリットだ。
新たな車室デザインを提案する「ヒドゥン・ディスプレイ」も公開。メーターやインフォテイメントのディスプレイ部に特殊な加工を施すことにより、電源オフのときは車室内のインテリアと同化してディスプレイの存在に気付けないが、電源をオンにすると通常のディスプレイのようにフルカラーのグラフィックが浮かび上がる。タッチ操作でラジオなどのメディア再生や天気予報の表示が可能なほか、ゲームで遊ぶこともできる。
自動運転車の対応範囲を広げるAI画像認識の新技術「パントマイム」も紹介している。現在のところ自動運転車やADAS搭載の車両では、路面や標識、車両、人物などの存在や動きは認識できても、工事作業員や警察官のハンドサインによる交通誘導には対応できない。「パントマイム」ではそうしたジェスチャーを正しく認識し、どのように通行すべきか判断して、自動運転車が適切な操作処理を行なえるようにする技術となる。
ブースのデモでは、来場者がその認識対象となる交通誘導員になりきり、腕の向きや動かし方に応じて画面上でどのように認識されるかを確かめることが可能だ。
一方の市光工業は、自動運転車向けのHMI(Human Machine Interface)である「e-Face」などを展示している。「e-Face」は車両前方にディスプレイを設置し、そこに走行状態に応じた顔のグラフィックや文字情報を表示する仕組み。対向車や通行人に視認してもらうことで、ドライバーのいない自動運転車とのコミュニケーションが可能になり、より安全性の高い運用につながるという。
フロント&リアのライトやグリル周りの新たなライティングソリューションも複数展示。高さわずか5mmのヘッドライト(ロービーム)に加えて、グリル部などに大量のLEDを敷き詰めた「次世代フロント&リアライティング」もあり、幾何学的な模様を表示するなどディスプレイ的な応用が可能となっている。
さらに、路面にライトで図形を照射することにより、右左折や後退など車両の動きを歩行者などに知らせる「路面描画プロジェクションランプ」のデモも見られる。実用化のため法整備に向けた取り組みも進めているところだという。