イベントレポート

BYD、軽EVとスーパーハイブリッドPHEVを前面に押し出す乗用車部門

2025年10月29日~11月9日 開催
BEV「ラッコ」とスーパーハイブリッド「SEALION 6」を訴求するBYDの乗用車

 ジャパンモビリティショー2025(プレスデー:10月29日~30日/一般公開日:10月31日~11月9日)が東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催されている。BYD Japan Groupが行なったプレスカンファレンスでは、乗用車部門では、世界初公開の軽EVの「RACCO(ラッコ)」と、同社がスーパーハイブリッドと呼ぶPHEVの「SEALION 6(シーライオン 6)」を前面に押し出した。

 プレスデーの10月29日は、軽EVの「RACCO」とPHEVの「SEALION 6」、EVのスーパーカー「YANGWANG U9 Xtreme」の3台を揃え、プレスカンファレンスを行なった。

プレスカンファレンスに登場した「YANGWANG U9 Xtreme」がダンスを披露。BYD JAPAN株式会社 代表取締役社長 劉学亮氏が助手席から降り立った
アンベールを待つ軽EVの「RACCO」と、スーパーハイブリッドの「SEALION 6」

BYDは日本進出20周年

 プレスカンファレンスでは、BYD JAPAN 代表取締役社長 劉学亮氏が登壇。バッテリメーカーとしてスタートしたBYDを振り返り「自動車の領域においては、新エネルギー自動車の先駆者として、つい今月の9日にブラジルのBYD工場で1400万台目の新エネルギー自動車をラインオフ。自動車メーカーとしては初めて1400万台になった」とBYDの現状を紹介した。

BYD JAPAN株式会社 代表取締役社長 劉学亮氏
1400万台目の新エネルギー自動車をラインオフ
今年1月から9月までEV販売台数で世界一

 電気自動車においても「おかげ様で今年の1月から9月までに世界一の販売となった」と述べたほか、日本でのBYDの活動が20周年を迎えたことに触れ「節目の年に私たちがここでバス、トラック、乗用車、全ての技術を詰まった商品を一度に披露します」とした。

日本でのBYDの活動は20周年

 初公開した軽自動車については「地方に行ってみてください。地方に行くと軽自動車がまさにその町の風景です。そこで私は考えました。皆さんが多く見慣れた軽自動車を提供させていただこう」と軽自動車を提供した経緯を説明、日本専用にRACCOを開発したという。

SEALION 6は、12月1日発売、モビショーでも予約受付

 乗用車を担当するBYD Auto Japan 代表取締役社長 東福寺厚樹氏は、「これまでの累計販売台数もようやく7000台を超えるところまでやってまいりました」とふりかえるとともに、今回発表の2台については「今後のビジネスモデルをさらに加速させる」車種と紹介した。

BYD Auto Japan株式会社 代表取締役社長 東福寺厚樹氏が日本での累計販売台数は7000台を超えたと発表

 SEALION 6のPHEVについてはBYDではDM-i(デュアルモードインテリジェント)と呼んでいるが、今回、国内展開するにあたり「スーパーハイブリッド」と呼び、「これまでのハイブリッドとは一線を画し、バッテリを得意とするBYDらしく、積極的に電気自動車として走り、いざというときにエンジンがかかる」と説明。

SEALION 6を説明する東福寺氏

 さらに「電気自動車に対する不安をなくして、これまでの内燃機関では得られなかった、静かで、滑らかで、心地よい走りを提案する」と述べた。

SEALION 6

 SEALION 6の発売日は12月1日とし、先行予約は11月1日から開始。WebやBYD販売店のほか、モビリティショーの会場でも一般公開日の11月1日からブースでも予約申し込みができるとした。

PHEVの技術をDM-i(デュアルモードインテリジェント)と呼ぶ
わかりやすく「スーパーハイブリッド」と呼んでPHEVを訴求する
SEALION 6は12月1日発売、11月1日先行予約開始

RACCOは昨年秋に商品化決定、着実に準備

 東福寺氏はRACCOについて「昨年の秋に商品化が決定してから、BYDらしいスピード感で開発体制を組んで、すでに100台を超える試作車を作って、現在、衝突試験、また走行試験、充電試験といったあらゆる試験を実施中」と紹介、衝突試験の実験映像を公開した。

アンベールした軽EVの「RACCO」
RACCOはすでに衝突実験をしていることを動画で紹介
RACCOのエアバッグが展開したところ

 バッテリについても「BYD自慢の発火の恐れがない安全で安心なリン酸鉄リチウムイオン電池のブレードバッテリを採用した」として、安全性を強調した。

RACCOのバッテリは床下

 なお、RACCOの電池容量についてはまだ言える段階にないというが、ショートとロングレンジの2種類を準備、2026年の夏の発売予定とした。

RACCOは2026年夏に発売予定
軽EVの「RACCO」

YANGWANG U9 Xtremeがダンス

 ブースでは今回発表した2車種のほか、プレスカンファレンスでは、スーパーカーである「YANGWANG U9 Xtreme」の助手席にりゅう氏が助手席に乗り登場、YANGWANG U9 Xtremeのアクティブサスペンションによりクルマがダンスしながら登場するというパフォーマンスを見せた。

量産型EVで過去最高の496.22km/hを記憶した「YANGWANG U9 Xtreme」
YANGWANG U9 Xtremeのダンスは毎日3回、来場者の前で公開する
YANGWANG U9 Xtreme
YANGWANG U9 Xtreme

 このYANGWANG U9 Xtremeのダンスショーは、モビリティショーの会期中、毎日、11時、14時30分、17時の3回行われる。

BYDのプレスカンファレンスに登壇した、左からBYD JAPAN 株式会社 執行役員副社長 石井澄人氏、BYD JAPAN 株式会社 代表取締役社長 劉学亮氏、BYD Auto Japan株式会社 代表取締役社長 東福寺厚樹氏、

ジャパンモビリティショー 2025 記事リンク集

https://car.watch.impress.co.jp/category/event/jms/2025/index.html

正田拓也