イベントレポート

ヒョンデ、新型FCEV「ネッソ」日本初公開 韓国よりジョン・ユソク副社長が来場しスピーチ

2025年10月31日~11月9日 開催(一般公開日)
右側がHyundai Motor Company副社長 Chung Yoo Seok(ジョン・ユソク)氏。左側がHyundai Mobility Japan株式会社の代表取締役社長 七五三木敏幸氏

 Hyundai Mobility Japan(以下ヒョンデ)は、ヒョンデの水素電気自動車(FCEV)専用モデルの新型「NEXO(ネッソ)」を日本初公開。2026年上半期に販売を開始する予定であることを、ジャパンモビリティショー2025のヒョンデブースで正式発表した。

 今回のヒョンデブースには、韓国よりHyundai Motor Company副社長 ジョン・ユソク氏がスピーチのために訪れた。

ヒョンデモーターカンパニー 副社長のジョン・ユソク氏

 ユソク氏はまずヒョンデの紹介を行なった。ヒョンデは1967年に創業以来、世界第3位のグローバルモーターグループへと成長している。ヒョンデは高品質、安全性を追求し、優れた製品とサービスを提供するという信念を持って進んでいるとのこと。日本のユーザーに対しては幅広い選択肢を届けるため、スモールEVのインスター、ファミリー向けEVのコナ、フラグシップEVのアイオニック5、そしてアイオニック5Nまで多様に展開していると語った。

 販売面のほか、日本においては屋久島でEVバスを運行させている。この取り組みは地域社会における持続可能性に対するヒョンデの姿勢を示す事例。このような歩みの中でヒョンデが得たもっとも貴重な価値が「お客さまとの絆」とユソク氏はコメントし、「お客さまと直接向き合い、お客さまの声に耳を傾け、いただいた意見をカスタマーエクスペリエンス向上に積極的に反映しております」と続けた。

ヒョンデの紹介
ヒョンデの信念
日本で展開するヒョンデのモデル
屋久島ではEVバスの運行させた
いろいろな取り組みの中でヒョンデが得た価値がユーザとの絆だという

 次にユソク氏はヒョンデが取り組む水素活用について語った。水素は拡張性が高く効率的、そして環境に優しいエネルギーという認識のもと、ヒョンデの水素への歩みは1998年から始まり、以来、27年にわたり技術開発をしてきた。

 現在は水素電気自動車の製造以外にも水素の製造、貯蔵、輸送、利用といったすべての過程を包括する水素エコシステムを作り出している。その中心にあるのがヒョンデモーターグループの水素バリューチェーンプラント「HTWO(エイチツー)」だ。

27年間の水素技術開発の歴史
ヒョンデモーターグループの水素バリューチェーンプラントの「HTWO(エイチツー)
HTWOについて

 これら水素に関する歩みを象徴するクルマとして用意しているのが水素電気自動車「ネッソ」である。ネッソは持続可能なモビリティ社会の未来に向けてヒョンデが技術を明確に示すモデルとのこと。ユソク氏はネッソを紹介したあと「ジャパンモビリィショー2025でヒョンデがネッソを通じて描く、水素社会の未来を感じていただければと思います」と結んだ。

ユソク氏のスピーチの締めはネッソのアンベール
Hyundai Mobility Japan株式会社の代表取締役社長 七五三木敏幸氏

 続いて登壇したのがHyundai Mobility Japan 代表取締役社長の七五三木敏幸氏。

 七五三木氏は「ネッソはヒョンデが27年に渡って描いてきた水素ビジョンを象徴するモデルであり、世界でもっとも多く売れている量産型水素電気自動車です」と日本初公開されたネッソを紹介。韓国ではすでにネッソは発売されていて、今回日本に持ち込まれたモデルは2世代目のものになるという。

 初代に対して改良された燃料電池システムや高性能バッテリが搭載されていて、わずか5分の充電で最大約826kmの航続距離を実現する。そして走行中に排出するものは水のみとなることから、究極のクリーンモビリティであると語った。

ヒョンデの水素開発の紹介
ネッソは5分の充電で最大約826kmの航続距離とのこと

 デザイン面ではヒョンデの新しいデザイン言語「アートオブスチール」を体現。自然なしなやかさ、強さ、美しさを融合したスタイリングとしているとのこと。また、HTWOを象徴するエクステリアライトをフロントグリルに取り込んでいるのも特徴とのことだ。

HTWOをイメージしたエクステリアライトのデザイン
フロントグリルにこのように配置されている

 このような環境配慮の性能だけでなく、実用性についても追求しているという。室内は快適な空間とし、静粛性も高く、そして動力性能も満足の高いものとしている。さらに安全面においても堅牢なボディ剛性に加えて最先端の運転支援技術を採用することで、あらゆる走行環境において高い安全性を確保している。このようなことから「所有する喜びが感じられるクルマになっています」と語った。

ネッソは居住性の高さも特徴となっている
2026年の上半期に発売する予定

 ネッソは2026年上半期の販売開始に向けて準備をしているとのこと。ヒョンデは現在全国で27か所の拠点と63か所のアフターサービスの拠点を展開しているが、さらにユーザーがヒョンデのクルマに触れる機会を増やすことや、購入後も安心して乗り続けてもらうために、東京エリアに新たに店舗を増やす予定もあるという。場所などはまだ未定だが、多くのユーザーが訪れやすい場所を予定しているとのこと。

 七五三木氏は「ヒョンデはお客さまに寄り添うブランドを目指します。これまでの日本市場の歩みの中で、皆さまとの絆が私たちの原動力となり、その1つひとつの声がヒョンデの進化を支えてきてくれました。今後もお客さまとのつながりを深めながら、より良いモビリティライフを共に築いていきたいと思っています」と結んだ。

販売拠点は全国で27か所。新たに東京に1か所設立予定。アフターサービスの予定は63か所ある
2026年に日本導入する水素電気自動車「ネッソ」
SUVスタイルとなっている
ネッソのインテリア
インテリアは高級感のある作りとなっている
ブースにはアイオニック5も展示されている
今後導入予定の急速充電器の展示もあった。こちらは最大総出力400kW
カーゲームに登場しているINSTEROID
今回は参考出品ということで走行できるクルマではない

ジャパンモビリティショー 2025 記事リンク集

https://car.watch.impress.co.jp/category/event/jms/2025/index.html

深田昌之