イベントレポート

ホンダ、次世代バッテリEVシリーズ「Honda 0 サルーン」と「Honda 0 SUV」を日本初公開 広々とした室内も確認

2025年10月29日 日本初披露
次世代バッテリEVシリーズ「Honda 0 サルーン」

 本田技研工業は10月29日、ジャパンモビリティショー2025(一般公開日:10月31日~11月9日)にて、BEV(バッテリ電気)時代における「自由な移動の喜び」とは何かを、原点に立ち返って生み出した独自技術で、これまでにない新しいBEVシリーズとして開発している「Honda 0 サルーン」と「Honda 0 SUV」を日本国内で初披露した。

 2台はともに、ホンダの基礎技術研究の一環として、人の役に立ち、社会の中で利用できることを目指し、1986年に研究開発を開始して2000年に発表。2010年代にかけてロボティクスの世界で象徴的な存在となったヒューマノイドロボット「ASIMO」と同様、「世界中の人に驚きと感動を与え、次世代BEVの象徴となる」ことを目指し、Wiseの要となるビークルOSに“ASIMO”の名前を付けた、ホンダ独自のビークルOS「ASIMO OS」を搭載している。

2台のHonda 0シリーズは、ホンダ独自のビークルOS「ASIMO OS」を搭載

Honda 0 サルーン

Honda 0 サルーン

 Honda 0 サルーンは、CES 2024で公開したコンセプトモデル「SALOON(サルーン)」を、2026年の発売に向けて進化させたプロトタイプ。コンセプトモデルのデザインをそのままに、ひと目見てほかとの違いを感じさせる低全高でスポーティなスタイルと、外観からは想像できないほどの広い室内空間を両立している。

2024年に公開した新型バッテリEV「Honda 0(ゼロ)シリーズ」のフラグシップのコンセプトモデル「サルーン」

 シリーズのフラグシップとなり、新開発のBEV専用アーキテクチャーをベースに、Honda 0シリーズの開発アプローチである「Thin, Light, and Wise.(薄い、軽い、賢い)」を具現化する数々の次世代技術を搭載。

 ホンダが世界で初めて実用化した自動運転レベル3技術に裏打ちされる信頼性の高い自動運転技術や、ASIMO OSによりユーザー1人ひとりに“超・個人最適化”された移動体験など、Honda 0 サルーンにおける“Wise(賢い)”の一端を具現化したモデル。

 開発担当の本田技研工業 LPLチーフエンジニア 四輪開発本部 完成車開発統括部 LPL室の小只輝将氏によると、Hpnda 0シリーズは“四角形”をデザインのベースとしていて、Honda 0 SALOONやHonda 0 SUVは、比較的Bピラーが立ち上がり、どこを切っても金太郎飴のように四角く見えるデザインという。

Honda 0サルーンとHonda 0 SUVは、フロントからリアまで大量の四角が連なっているイメージだという

 また、異形ステアリングは、運転席のドアを開くと自動的に逆さまになり、乗降性を高めるギミックも搭載されている。このHonda 0 サルーンの量産モデルは2026年に北米市場へ投入し、日本へは2027年、そのほか欧州などグローバルへの展開が予定されている。

低い全高と長いホイールベースが特徴の「Honda 0 サルーン」
展示車の装着タイヤはミシュランの「パイロットスポーツ4S」で、サイズは245/40R21
ヘッドライトは電動カバーを設けた格納式を採用
電動カバーがスライドしてヘッドライトが点灯する
フロントグリル下部の水平フィンは発光する
ウィンカーはボンネットとフェンダーの隙間に配置し、下から上へ流れるように点灯するシーケンシャルタイプを採用
「Honda 0 サルーン」のインテリア
コクピットまわり。横長の大型ディスプレイを搭載し、左右の端はサイドミラーの位置にあるカメラの映像を投影する
センターコンソール部分はクルマとコミュニケーションを取っているようなシーンを表現したという
異形ステアリングを採用
センターディスプレイ。起動時にはウインドウズの画面が表示されていた
後席は広々としてゆくりっとリラックスできるスペースを確保している
大きなヘッドレストの前席
【ホンダ】次世代バッテリEV「Honda 0 サルーン」ドア開閉連動ステアリング(7秒)

Honda 0 SUV

Honda 0 SUV

 Honda 0シリーズの第1弾となる、中型SUVのプロトタイプ。CES 2024にてホンダが将来のBEVで実現したい空間価値の考え方を示すコンセプトモデルとして公開した「SPACE-HUB(スペース ハブ)」の考え方を踏襲したモデル。

2024年に発表したコンセプトモデル「SPACE-HUB(スペース ハブ)」

 0シリーズのコンセプトである「Thin, Light, and Wise.」のアプローチをSUVに落とし込むことで、空間の広さを一層拡張し、開放的な視界と自由度の高い広々とした居住空間を実現している。

 また、ASIMO OSがもたらす、ユーザー1人ひとりに“超・個人最適化”され、進化し続ける空間価値やデジタルUXを実現するほか、ホンダ独自のロボティクス技術で培った“3次元ジャイロセンサー”を用いた高精度の姿勢推定と安定化制御などにより、さまざまな路面環境において安心で意のままのダイナミクスを両立するとしている。

展示車の装着タイヤはミシュランの「パイロットスポーツEV」でサイズは265/40R21
フロントグリルは新時代の「H」マークを備えるほか、デイタイムランニングライトやヘッドライトを備える
白い四角の5×3のデイタイムランニングライトは、ウィンカー作動時には中心から外側へながれるシーケンシャルタイプのウィンカーとなる。中心部の四角はデザインとして置いてあり発光はしないとのこと
Honda 0 SUVのインテリア
コクピットは水平基調で視界が開けている
前席
後席
Honda 0サルーンと同じく異形ステアリングを採用
ペダルまわり
センターコンソール
広々として深さのあるラゲッジスペース
編集部:塩谷公邦