イベントレポート 東京オートサロン 2023
ルークスやキューブ、キャラバンなどユニークなカスタム車を展示する日産ブースが面白い
2023年1月14日 13:52
- 2023年1月13日~15日 開催
幕張メッセで開催中の「東京オートサロン2023」に出展している、日産自動車とNMC(日産モータースポーツ&カスタマイズ)ブースの模様をお伝えする。
すでに公開したGT-R 2024年モデルや新型フェアレディZ「CUSTOMIZED EDITION」といったモデルのほかにも、日産ブースにはユニークなカスタム車が展示されているので、本稿では注目度の高い展示車を中心に紹介していく。
ROOX SUITE CONCEPT
日産の軽ハイトワゴン「ルークス」をベースにした「ROOX SUITE CONCEPT」。こちらは子育てを終えた夫婦が乗るクルマという想定で、展示のコンセプトはワイナリーがある高原で行なわれる娘の結婚式に「ROOX SUITE CONCEPT」で出かけるというもの。
牽引してきたトレーラーには電子ピアノが搭載されていて、式ではこのピアノを使って父親がお祝いの演奏をする、というストーリーに基づいたものになっている。
ベース車にルークスが選ばれた理由は、子育てを終えて大きなクルマを必要としなくなったことからのダウンサイジング。ただ、子育て後の新たな人生を夫婦で楽しむために快適なクルマであることを求めて、旅客機の設定されているファーストクラスシートをイメージしたインテリアとしている。
Powered Base for PRO
日産は毎年キャラバンをベースとしたカスタムカーを出展して人気を博している。2023年はリーフに使用していた再生バッテリの活用と、プロの仕事車として活用されるキャラバンらしさを両立させたカスタム車を展示している。
Powered Base for PROにおいてポイントになるのは、初代リーフに使用されていたバッテリを再利用したポータブル電源を4つ搭載している点となる。
このポータブルバッテリは日産とJVCケンウッド、そしてフォーアールエナジーの3社が共同で開発をしているもの。EV(電気自動車)用として使うには劣化が気になるバッテリであっても、ポータブルバッテリとしての利用であればまだ十分使えるという視点で、引退した初代リーフから状態のいいセルを選別し、それを使用して新たな製品としている。
ポータブルバッテリにはリーフのセルが2個使われていて、容量は630Whの600W出力(試作段階の数値)。これに一時的に出力を高める機能を持たせているので、電子レンジなど大きな電気を使う器具にも対応可能という。このバッテリは今後実験を重ねた後に市販する計画とのことだ。
展示車のキャラバンは、このポータブルバッテリの利用を前提に作られた仕様で、車内には積んでいく道具に合わせて棚の位置をアレンジできる可動式工具棚や除菌空調システムなども装備している。また、ルーフには大きな太陽光パネルも装備しているので、電源がない現場であってもポータブルバッテリを充電することが可能になっている。
CUBE Refreshed&Retoro CONCEPT
「中古車の魅力を向上させよう」という取り組みで製作された車両で、2019年に販売終了したキューブの中古車をベースにしたコンセプトカー。ベースになったキューブも実際に中古車として販売されていたもの。2014年式で走行距離は6万km以上とのことだ。
中古車の魅力を向上させようとしたとき、まず気になるのが外装の汚れや痛み、そして内装の痛み。とくに運転中に手を触れるところは使い込んだ雰囲気だが、そういったところは純正の補修部品で徹底的にリフレッシュされている。
そのうえで魅力を向上させるためにカスタマイズを施している。テーマとしたのは「レトロ」で、具体的には「路面電車」と「喫茶店」という昭和の雰囲気を狙ったものだ。CUBE Refreshed&Retoro CONCEPTのボディカラーは上下2トーンだが、これも路面電車によく見られた塗り分けを参考にしたとのことで、ルーフキャリアはパンタグラフをイメージしているという。
ホイールは純正のスチールに純正ホイールキャップを装着するが、デザイナーの感性的にホイールキャップのデザインが優れていることに目を付け、全体をボディ色で塗装したあと、一部をゴールドで縁取りをした。そしてここで浮き出た形状を組み合わせてボディ側面にグラフィックとして入れている。
インテリアは、デザイナーが自分の足で巡って見つけたレトロな喫茶店の店内からイメージした作り。ポイントになるのはベロア生地を使ったシートカバー。さらにキューブはインテリアにシルバーを多用していたが、これを全体の雰囲気に合わせるために落ち着いた色に塗装している。
コンパクトで個性的なスタイルを持つキューブだが、こうした中古車をベースとしたリフレッシュ仕様車は実際に中古車として販売されても需要があるのではないだろうか。
SERENA Highway STAR ACCESSORY CONCEPT
2022年11月にフルモデルチェンジした新型セレナに、ダイナミックな印象を与えるフロントスポイラーやフロントグリルイルミネーションなどの日産純正アクセサリーを装着した純正ドレスアップ仕様に、東京オートサロン2023専用架装としてボディラッピングとホイールのラッピングが施されている。
SERENA AUTECH CUSTOMIZED
新型セレナをベースにスポーティ、上質へのこだわりを込めたコンセプトモデル。ポイントは18インチアルミホイールとローダウンサスペンションによるスポーティなスタイリングとなる。
SAKURA e-share mobi KYOTO CONCEPT/ARIYA e-share mobi KYOTO CONCEPT
日産が展開するカーシェアリングサービスである「NISSAN e-シェアモビ」の拠点、A-PITオートバックス京都四条に配備することを目的とした「サクラ」と「アリア」。京都をイメージした和モダンのテイストを強調したデザインのボディラッピングが施されている。インテリアはオートバックスセブンが開発したインテリアパネルとインテリアラバーマットが装着される。
X-TRAIL AUTECH CUSTOMIZD
新型エクストレイルをベースに高級感や特別感を高めたのがX-TRAIL AUTECH。東京オートサロン2023での展示にあたってさらに架装されている。エクステリアではダークスパッタリング仕上げの20インチアルミホイールを履いている。インテリアはホワイトレザーのシート生地へ変更し、上質でエレガントな印象に仕上げた。
NOTE AURA NISMO
電動車であるノート オーラをベースにしたスポーティな仕立ての1台。日産が参戦するフォーミュラEからひらめきや刺激を受けた発想により立てられたのが「俊足の電動シティレーサー」というコンセプト。それをNISMOの技術により実現している。NISMOのエアロパーツを始め、インテリアパーツ、レカロシート、サスペンションに各種電子制御、さらにドライブモードもNISMO専用チューニング版となる。