イベントレポート 東京オートサロン 2026
日産、「オーラNISMO RS コンセプト」公開 コンプリートカーとして市販化の可能性も
2026夏デビューのマイチェン版「フェアレディZ NISMO」(MT)も展示中
2026年1月9日 15:42
- 2026年1月9日~11日 開催
東京オートサロン(会期:1月9日~11日)が幕張メッセ(千葉県千葉市)で開幕した。
日産自動車とNMC(日産モータースポーツ&カスタマイズ)のブースでは、「ノート オーラ NISMO」をベースとしたコンセプトモデルの「AURA NISMO RS Concept」が披露されるとともに、2026年夏にマイナーチェンジを予定する「フェアレディZ」に新たに追加される「NISMO MTモデル」、エクストレイルの新グレード「ROCK CREEK(ロッククリーク)」をベースにした車中泊仕様車「ROCK CREEK マルチベッド」(アクセサリーパッケージ装着車)、新型リーフ「AUTECH」、日産自動車大学校の学生たちがリフレッシュしたという近藤真彦氏(マッチ)がTVCMキャラクターを務めた初代マーチ「マッチのマーチ」などが展示されている。
今回ブースでアンベールされた「AURA NISMO RS Concept」は、「ノート オーラ NISMO」をベースにしたコンセプトモデル。「エクストレイル NISMO」のパワーユニットを搭載していることがトピックの1つとなっており、ハイパフォーマンス・スポーツモデルに位置付けられるという。
エクステリアではトレッドの拡大に合わせ、左右で145mm広げられたフェンダーとローダウン化によって低重心で迫力あるプロポーションを実現した。また、NISMOのレッドアクセントが施されたフロントスポイラー、サイドスカート、リアディフューザーに加え、ホイールハウス内の空気を抜く形状のフロントフェンダー、整流効果をもたらすサイドエアスプリッターや専用リアスポイラーにより、ダウンフォースの向上とドラッグの低減を両立している。ボディサイズは4260×1880×1485mm(全長×全幅×全高)で、ノート オーラ NISMOから140mm長く、145mm広く、20mm低いスペックとなっている。
車両重量についてはパワーユニットの変更、ボディの拡大、フロント対向4ピストンキャリパー&リア対向2ピストンキャリパーや245/45R18サイズのミシュラン「パイロットスポーツ4」といった装備の強化を行ないつつも、ノート オーラ NISMOから100kg増の1490kgにとどめている。
発電用エンジンは1.5リッターVCターボのKR15DDTで最高出力は106kW(144PS)、最大トルクは250Nm。これに組み合わせるフロントモーターのBM46型が150kW(204PS)/330Nm、リアモーターのMM48型は100kW(136PS)/195Nmを発生する。4WD制御には「NISMO tuned e?4ORCE」を採用し、高いトラクションと旋回性能を実現しているという。
なお、「AURA NISMO RS Concept」は現状はコンセプトモデルとなるが、将来的にはコンプリートカーとしての市販化も視野に入れている。電動化時代における新たなモータースポーツの可能性を探る役割を担うとしており、スーパー耐久のST-Qクラスへの参戦を視野に入れていることが明かされている。
「お客さまの心を打つハートビートモデルを順次出していくことが重要」
オートサロン会場で行なわれたプレスカンファレンスでは、日産モータースポーツ&カスタマイズの代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)の真田裕氏があいさつを行ない、自身の日産に入社以降の経歴と愛車歴について語るとともに、ニスモとオーテックがそれぞれ約40年前に創設され、2022年にNMCとして統合されたことを説明。両社が日産グループの直系として「日産ができないことをやる特殊部隊」として創立された経緯を述べた。
また、現在日産は経営再建中であるものの「お客さまの心を打つハートビートモデルを順次出していくことが重要で、そこにわれわれNMCの役割があります。どうすればもっと早くお客さまへよりエモーションな、よりエキサイティングな魅力あるクルマをお届けできるか、われわれNMCは日々ディスカッションを重ねてきました。今回のオートサロンでその第一弾となる商品コンセプトモデルをさっそく披露することができます。日産は創業以来、ゆるぎない信念を維持しています。それは、過酷なモータースポーツの現場で人を鍛え、技術を磨き、まとめ上げることです。日産/NISMOはこれまでも、そしてこれからもお客さま、ファンの皆さまに究極のエキサイトメントを届けるために挑戦を続けてまいります」と述べ、「AURA NISMO RS Concept」を披露した。
イベントの後半では日産モータースポーツ&カスタマイズ カスタマイズ事業部 カスタマイズデザイン部 部長の森田充儀氏、モータースポーツ事業部 モータースポーツパワートレイン開発部 主管の片倉丈嗣氏から「AURA NISMO RS Concept」の紹介が行なわれた。
森田氏はこれまでGT-R、フェアレディZ、スカイライン、アリア、パトロールなど、すべてのNISMOロードカーのデザインを手がけてきた経験を紹介し、昨年度よりカスタマイズデザインを担当していることを説明。
片倉氏はモータースポーツ用の電動パワートレーン開発を担当しており、今回の「AURA NISMO RS Concept」の企画および開発の指揮を執ったことを紹介し、プロジェクトの立ち上げについて「ル・マン24時間のような本当のレースカーの頂点みたいなクルマではなく、量産のアセットを使ってレースの開発と量産の開発をつなげるような橋渡し的なクルマを作りたい」という思いから企画がスタートしたと述べた。
デザイン面では、森田氏がノート オーラ NISMOのプロダクトコンセプト「Agile Electric City Racer」をさらにピュアに体現することを目指したと説明し、荒々しくアグレッシブなパワフルさではなく、電動のNISMO車としてクールでサイレントなダイナミックさを追求し、性能向上のためのデザインを理論的に体現するサイエンティフィックなデザインアプローチを採用したことを明かした。
開発面では、片倉氏がモータースポーツの場を使った電動パワートレーンの技術開発と、エンジニア育成という2つの側面があることを説明。環境に配慮したハイブリッド技術を使用し、コンパクトクラスのホットハッチとしてノート オーラ NISMOから約30%のパワーウェイトレシオの向上を達成したことを報告。また、e-4ORCE技術の採用についても言及し、この技術をさらに磨き上げたいとの意向を示した。
レース参戦については、スーパー耐久の開発者カテゴリーでの参戦を視野に入れており、電動パワートレーンの要素技術を鍛え上げ、磨き込んでいきたいとの計画が明かされた。ただし、ハイブリッド車でのレースはまだ少ないため、まずはスーパー耐久の場で技術を磨き、将来的にトップカテゴリーへの技術展開を目指したいとしており、片倉氏は「すごくい戦績を残すとか、そういうのはなかなか難しいかなと正直考えていますが、温かい目で応援していただければと思います」と述べている。




























