自動車技術会シンポジウム「モータースポーツ技術と文化」
NASCAR、WTCCやル・マンに関する8つの議題とディスカッション

開会のあいさつをするモータースポーツ部門委員会委員長の木村隆昭氏

2009年3月2日開催




 3月2日、工学院大学(東京都新宿区)にて自動車技術会による「モータースポーツ技術と文化~レースビジネス~」と題したシンポジウムが開催された。シンポジウムでは7つの議題について講義が行われたほか、ル・マン24時間レースに参戦したドライバー3名を迎え、パネルディスカッションが行われた。

 講演の内容は以下のとおり

トヨタ自動車 杉浦靖彦氏

NASCARとアメリカ市場
 トヨタ自動車の杉浦靖彦氏が壇上に上がり、2007年より開始したNASCARカップシリーズ参戦への経緯や、参戦による北米でのブランド力の向上と、宣伝効果について講義をした。

 トヨタは、それまでアメリカ以外の自動車メーカーが参入した例がないNASCARへ本格参戦するために、2000年より地方選手権のダッシュシリーズから参戦。続いて2004年よりトラックシリーズに参戦し、2006年のタイトルを取得したことで、ついにトップカテゴリーのカップシリーズへの参戦が認められたと言う。

 「NASCARカップシリーズは、年間400万人以上のファンが訪れる人気カテゴリーであり、この参戦によってNASCARファンのトヨタに対する好感度は向上している。また、2008年にはチャンピオン経験チームと契約を結び、36戦中10勝を上げるという好成績を残すことができた。これによりテレビ放送での露出効果も前年比の2倍近くにアップした」と言う。

 さらに、参戦車両の開発は、チームに一任するのではなく、TRD USAが中心となって開発した。これにより、NASCARで得られる技術のフィードバックも大きな意味を持ったとも語った。

 最後に、NASCARはファンがレースを楽しむことを最優先に運営されており、またチームはファクトリーを一般公開し、グッズの販売などを積極的に行っていること。これによりNASCARには多くのファンが訪れ、大きな宣伝効果が期待できることなどを語った。この困難な時代においても、継続的にNASCAR参戦を続け、レースの面白さや車の素晴らしさを感じてもらいたいと締めくくった。

2007年よりカップシリーズに参戦しているトヨタカムリBig3と呼ばれるGM、フォード、クライスラー以外でNASCARにフル参戦するのはトヨタが初めてNASCARのシャーシーは共通で、外観はフロントとリアの意匠のみで特徴を出している
エンジンはV8 OHV 5.8リッターエンジンで、キャブレターとディストリビューターの使用が義務付けられている他社と異なり、エンジン開発や車両制作の技術サポートをTRD USAが行うことで、NASCARのノウハウをほかのカテゴリーへ応用できるようになった2008年は有力チームと契約を結ぶことで、10勝を上げることができた
トヨタブランドの好感度は、一般ユーザーに比べNASCARファンのほうが低いことがわかるNASCAR参戦によって、特にNASCARファンの好感度が向上した戦績が上がった2008年は、テレビ放送での露出時間も向上した
ファンを大事にするNASCARでは、チームのファクトリーを公開したり、グッズの販売をしたりするなどファンサービスを積極的に行っている
横浜ゴム 小林勇一氏

WTCCの紹介
 横浜ゴムの小林勇一氏は、2006年より公式サプライヤーとして同社がタイヤをワンメイク供給しているWTCC(FIA World Touring Car Championship)の紹介と、そのタイヤについて講義を行った。

 WTCCとは、F1、WRCに続いて2005年より始まったFIAで3つ目の世界選手権で、日本では2008年に岡山国際サーキットで初開催されている。参戦コストをF1やWRCより大幅に抑え、ベース車両を2000ccの市販車両とすることで、一般車のプロモーションに直結するものとしている。また、環境にも考慮され、開催日は土日の2日間、練習走行から予選、決勝まで含めても計3時間のコンパクトなレースになっている。さらに、触媒装着、騒音規制、2009年からは10%バイオフューエルの導入など、環境負荷低減を打ち出している。

 タイヤに関しては、全戦通じてドライ用1種類とウェット用1種類の計2種類のみの供給となる。各1種類のタイヤですべてのサーキットに対応させるために、路面の温度や摩擦係数(μ)、コースレイアウトにも左右されないコンパウンドの開発が要求され、さらに、レギュレーションで中古タイヤ2セットを使用する必要があるため、新旧での性能差を抑える必要もあったと言う。

 プロモーションに関しては、参加車両やコース内看板にブランドロゴを配置することで、横浜ゴムの世界戦略に貢献していると言う。

WTCCには、BMWやシボレー、ボルボ、日本からはホンダが参戦している環境負荷を考慮し、レース時間をコンパクトにするとともに、車両や燃料にも環境を意識したレギュレーションが設けられている2台で約100億円掛かるF1に対し、WTCCは3台で15億円と参戦コストを抑えている
決勝は約50kmの超スプリントレースのため、30分程度のライブTVが放送されるなど、世界70カ国、62局で放映されるブランドロゴは、オンボードカメラなど、テレビ映像に移りやすい場所に配置し宣伝効果をアップさせる2008年10月には、岡山国際サーキットにて日本で初開催され、テレビ東京系列で放映された
世界戦すべてのサーキットで単一のコンパウンドを使用するため、SUPER GTで使用するタイヤと比べ、ゴム強度を上げ、発熱を抑えている走行時には最大で1tもの負荷が1輪にかかり、さらにツーリングカーの極端なネガティブキャンバーにも対応するため、新規プロファイルの採用や、室内耐久試験による確認を行っているWTCCからの要望により、基本的には毎年同じタイヤを使用するが、FF車とFR車の性能差を補正するため、ウェットタイヤのみ2008年に新スペックに変更した
童夢 林みのる氏

日本自動車レース工業会は日本の自動車レースを改革できるか?
 童夢の代表取締役である林みのる氏は、自身が会長を務める日本自動車レース工業会(JMIA)が目指すモータリゼーションのあり方と、現在の活動について講義を行った。

 林氏は、日本がサーキットの数やレースの数においては、他国にも負けない環境を持っていながら、レース自体の人気は低く、未だマイナーなスポーツであると指摘したうえで、その理由として、日本のモータースポーツがドライバーの育成ばかりに注力し、自動車技術開発を軽視してきた部分にあると述べた。そこで低価格なモノコックを開発し、そのモノコックとロールバーなどの安全装備、そして直径20mmという小径のリストリクター(吸気量制限装置)だけをレギュレーションとし、そのほかのエンジンやサスペンションなどは独自の開発を認める「フォーミュラ20」の構想を説明した。これにより国内のレース産業の技術向上を目指すとともに、東南アジアなどでのフォーミュラー入門者への販売といった可能性についても言及した。

パイプフレームに比べ、モノコックのほうが側突安全性に優れる。しかし価格が高いのが問題となるCFRP(炭素繊維強化プラスチック)のモノコックは価格が高くなるが、ハニカムではなくソリッドを使うことで価格を抑えたJMIA CFRPモノコック
フォーミュラ20では、エンジンの種類やボディ形状も自由にすると言うモノコックはサスペンションなどが自由な位置に取り付けられるようになっているカウルの設計も各チームに任せられる
エンジンの開発も自由。すでにトムスや戸田レーシングでは、レーシングエンジンも開発している
東海大学の林義正教授

東海大学ル・マンチャレンジ
 昨年、ル・マン24時間レースに大学生チームとして初参戦した東海大学の教授の林義正氏は、学生チームでチャレンジすることの難しさや、その意義についての講義を行った。

 林氏は、「学生は知的能力はあるが、実現能力が備わっていない」と前置きした上で、ル・マン挑戦によって課題突破力やチームワークに必要な人間性を養うことができ、さらに夢に挑戦することで得られる感動を経験することで、社会に出て即戦力となる人材の育成に繋がったと言う。また、毎年学生が入れ替わるという環境の中で、ル・マン挑戦という大きな目標を実現するために、ドキュメントやマンツーマン、ハードウェアによる伝承により、毎年技術がリセットされることなく、効果的に技術を向上することができたと言う。

 エンジンの開発はもちろん、ボディーやシャーシーの開発のほかに、学問分野が多岐にわたる大学の特性を活かして、人間工学に基づいた操作系の開発も専門の班を作った。さらに全体を統括するマネージャー班も作り、学生といえどもプロと同様に組織化を行ったと言う。結果的には、製図からカーボンの貼り込みまですべて学生で行い、また当初はピットクルーはプロに頼むよう主催者側から指示があったが、その努力が認められ、本番ではピット作業も学生が行ったと言う。

林氏が自動車メーカーに在籍中、新卒者に足りないと感じていた実現能力を育てるため、このプロジェクトを立ち上げたと言う技術を先輩から後輩に伝承することで、学生が入れ替わっても技術力が向上できたと言う
エンジン班の学生が図面を引き、産学共同で開発したYR40Tエンジン学生が引いた吸気マニホールドの図面ベルハウジングの設計も学生が行った
2005年5月にはジャガーXJR-15をベースとした先行研究実験車のシェイクダウンが行われたボディー班はコンピューターによるCFD解析を行い、カウルの設計を行った20%縮図のモデルを作り実際に風洞実験も行った
人間工学に興味を持つ学生たちで作ったコクピットカスタマイズしたクラージュ製シャーシーをベースにエンジンやサスを取り付ける。組み立てももちろん学生の手によるレース当日はプロの指導のもと、ピット作業もそのほとんどを学生がこなした
童夢の奥明栄氏

ル・マンプロトタイプの空力
 童夢の奥明栄氏は、同社がル・マンに参戦している車両の空力について講義を行った。奥氏は、ル・マン用車両の空力特性が、F1やインディ、SUPER GTと比較しても優れていることを述べ、その理由としてタイヤまで覆われたカウルや、ボディーのデザインの自由度を挙げた。そして、同社では、以前のオープンタイプボディーのS101.5から、クローズドボディーのS102に変更することで、特にフロント側でダウンフォースが向上し、さらにドラッグ(空気抵抗)の低減を可能としたと述べた。これにより2008年のル・マンでは、プジョーの2台に次ぐ3位のトップスピードを記録したと言う。

 さらに講義では、ボディー上面やフロア下の空気をどのように流すべきか、また、ここ数年多発している離陸事故(走行中に車両が浮かび上がってしまう現象)の原因と対策など、より具体的な空力デザインにも踏み込んだ内容が展開された。

2008年のル・マンに参戦した新開発のDOME-S102ル・マンのコースはほかのサーキットに比べ、平均速度、最高速度ともに高く、空力性能が勝敗を大きく左右するダウンフォース(CL)とドラッグ(Cd)のグラフ。速度域が上がればドラッグ、ダウンフォースともに増えるが、ル・マンカーはよりダウンフォースに優れることが分かる
風洞実験の様子。左がオープンボディーのS101.5で右がクローズドのS102オープンとクローズドのメリットとデメリット。クローズドのほうが重量やコストでは劣るが、空力では優れるS102ではレギュレーションいっぱいまでボディーサイズを拡大し、空力性能を向上させた
S101.5に比べ、重心を前よりにし、空力面でもフロントの効率が上がるため、フロントタイヤを大きくし、耐久性を向上している2008年のル・マンではS102がトップスピードでクラス3位を記録したS101.5と比べ、ドラッグが低減するとともに、特にフロントのダウンフォースが向上している
S102の上面を流れる空気の様子フロントフェンダーの内側を通った空気がボディー上面と側面に分れるが、後方ではどちらもリアウイングとボディー上面の間を通っていることがポイントだと言うフロア下の空気の流れも重要で、S102では赤い囲みの部分の高さを増したと言う
レース中の車両が突然宙に舞い上がる離陸事故は、近年ル・マンで多発している離陸事故の原因は側方からの風。フロア下のスキッドプレートが側方からの風の流れをせき止めるために起こると言うフロア下のエアの流れを整流するためのスキッドプレートだが、次期モデルではその断面形状を台形からかまぼこ型にすることで、離陸事故を防ぐ
エンジニアス 金田博行氏

JUDD Le Mans 24時間レース用エンジン
 かつてはF1のエンジンを手掛け、現在はル・マンのエンジンを開発している金田博行氏は、自身が英国のEngine Developments LtdでJohn Judd主宰のもと開発したJUDDエンジンについての講演を行った。

 金田氏は、ル・マンのコースは長いストレートが多く、その70%がスロットル全開という過酷なレースであることを前置きした上で、ル・マンに求められるエンジンの性能は、メンテナンスコストが安く、かつ耐久性を確保する必要があること。さらにすべてのレースエンジンに求められる「軽さ」や「小ささ」も両立させる必要があり、その妥協点を見出す必要があると述べた。

 そのために、クランクシャフトには窒化鋼を使い、応力が集中しやすい部分の半径(R)を大きくすることで耐久性を向上したり、コンロッドのブッシュを2分割タイプにすることで、メンテナンス性の向上を図ったりしたと言う。

LMP1用に開発したJUDD V10 5.5リッターエンジン上部の10本のエアファンネルは、メンテナンス性を考え4本のボルトだけで止まっているV10エンジンのスペック。F1だと重さが120kg程度とのことでル・マン用エンジンは少し重い。これはコストの問題だと言う
ル・マンでのスロットル開度の分布図。そのほとんどが全開だということが分かるル・マンでのエンジン回転数。常用回転域は5500~8000rpmクランクシャフトの捩り振動による振幅。ピークを実用回転域下限の5500rpmにできている
クランクシャフトは、応力が集中しやすいクランクピン(コンロッドをつなげる軸)のRを大きくすることで耐久性を向上サイドスラストによるフリクションを減らすため、F1同様ショートスカートのピストン。オイル消費を減らすためリングは3本になっているコンロッドはスチール製。ピストン側のブッシュはまれにクラックが発生するため、交換しやすい二分割タイプを採用している
シリンダーライナーは冷却水がキャビテーションを起こしても影響を受けにくい鋳鉄製。ヘッドガスケットは使われずシリンダーライナーとヘッドが直接接触している昨年新たに設計開発したLMP2用のJUDD V8 3.4リッターエンジン。V10と同じコンセプトで設計されているV8エンジンのスペック。2011年以降は、レギュレーション変更によりLMP1でもV8が使用されるため、さらなる改良を進めていると言う
西台整形外科 高橋規一氏

GTドライバーの生理学
 スーパーGT(以下S-GT)ではオフィシャルドクターを務める西台整形外科の高橋規一氏は、F1以上に過酷な状況が課せられているS-GTのドライバーの体の状態と、それに対する対策について講義を行った。

 高橋氏の調査によると、S-GTでのドライバーの心拍数は200回/分程度で推移している。人間の生理的最高心拍数は220-年齢であり、この数値を超えた心拍数が20分以上続くS-GTは、非常に危険な状況であると言う。そこで、ドライバーに心電図を装着して計測した結果、心筋の酸素供給不足が認められ、テストした全員に不整脈が見られたと言う。

 また、熱中症は、温度だけでなく湿度の管理が重要であり、通風式シートやヘルメット内強制換気、エアー導入式スーツが有効だと語った。さらにレース後の血液検査によると、筋組織のダメージの指標となるCK(クレアチン・キナーゼ)が3850程度まで上昇することが分かった(心筋梗塞でもその数値は1300程度)。この数値が正常に戻るまでに約3~4週間かかるため、レーススケジュールを調整し、ドライバーの体調が回復する時間を設けることも重要だと語った。

S-GTでのドライバーの心拍数は200/min程度で推移している。これはF1の170~180を大きく上回る心電図では不整脈も見られるが、主にコーナー手前のハードブレーキング時に発生している測定の結果、心筋への酸素供給不足や不整脈が表れていることが分かった
熱中症対策としてエアコンの導入も考えられるが、WRCでのデータを見る限り、体温低下には効果が薄そうだ体温低下にはクールスーツが有効で、S-GTではFIA未公認の長袖のクールスーツを認可したと言うスーツ内の温度。9LAP目にクールスーツをオンにすると、胸部で8度、背中で4度の温度低下が確認された
ドライバーの走行中の飲水量を調べると、レース時にはほとんど摂取していないことがわかるレース後のドライバーの尿は量も少なく、白濁している熱中症対策として重要な湿度を下げるために、ヘルメットやスーツに通風対策を施している
ヘルメットに通風することで、ヘルメット内の湿度が大きく下がっていることが分かるレース終了後20時間以上でCK値はピークに達し、正常値に戻るまでに1カ月近くかかっている2008年のレーススケジュール。複数のカテゴリーで出走しているドライバーも多く、それも踏まえたスケジューリングが重要だと言う

パネルディスカッション「ル・マンの魅力」
 最後に行われたパネルディスカッションでは、東洋工業(現マツダ)で初めてル・マン参戦した寺田陽次郎氏(ACO JAPAN)、ル・マンで日本人初優勝を遂げた関谷正徳氏(エムアール)、2008年のル・マンに参戦した伊藤大輔氏(プラスデー)、NISMOの監督としてル・マンに挑戦した柿元邦彦氏(東海大学)をパネリストとして迎え、自動車評論家の両角岳彦氏のコーディネートによって進行した。

 ドライバーを務めた3人は、口をそろえてル・マンの怖さが直線にあると述べた。寺田氏は当時6kmもの直線は、日本では北海道くらいしかなかったと述べ、関谷氏は350km/hという速度は次第に慣れたが、強烈なダウンフォースがタイヤに負荷を与え、バーストするのが怖かったと語った。また、伊藤氏はサーキットコースと一般道のエリアとで路面のμが変わることもル・マンの怖さだと語った。寺田氏や関谷氏が走っていた当時は、食事や寝る場所を確保することも難しく、また、現在ではドーピング扱いとなるため使用できないが、当時は点滴を打ちながら走っていたと、その過酷さを語った。当時はマシンを壊さないよういたわりながら走れば勝てたが、現在のル・マンはスプリントレースであり、昔とは違った負荷がドライバーに要求されると言う。

 マシンを製作する側である柿元氏は、ル・マンのマシン製作のポイントとして「ダメージコントロール」が重要と語った。特にアウディは非常によくできており、仮にバーストしてもピットに戻ってこられる設計が、アウディの強さを支えていると語った。

ACO JAPANの寺田陽次郎氏エムアールの関谷正徳氏プラスデーの伊藤大輔氏
東海大学の柿元邦彦氏自動車評論家の両角岳彦氏サーキットの一部と一般道、ル・マン専用のコースなどをつなげたル・マンのコース。それだけに場所ごとに路面のμが異なると言う
寺田氏が片山義美氏らと日本人トリオで挑んだマツダ767関谷氏が日本人初優勝を遂げたマクラーレン F1 GTR柿元氏が率いた日産のR390

(編集部:瀬戸 学)
2009年 3月 6日