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SUPER GT最終戦 ツインリンクもてぎ、11月12日はウェイトあり、13日はなしに

GTA代表 坂東氏の定例記者会見より

2016年7月24日 開催

株式会社GTアソシエイション 代表取締役 坂東正明氏

 SUPER GTを主催するGTアソシエイション(以下GTA)は7月24日、第4戦を開催中のSUGOで定例会見を開催し、同社代表取締役 坂東正明氏が記者からの質疑応答に応じた。

 この中で坂東代表は、最終戦ツインリンクもてぎのレースについて、11月12日にオートポリス大会の代替となる「SUPER GT Round3 GT250kmレース」を、翌13日にはシーズン最終戦「SUPER GT Round8 GT250kmレース」を行なうことになった経緯や、ウェイトハンデの運用などについて説明した。

 そのほか、WECで導入しているフルコースイエローを各車両のディスプレイに表示させる仕組みについて、GTAでも導入を検討していることを明らかにした。

ツインリンクもてぎの2レースは、土曜日はポイント×1kgのウェイトハンデあり、日曜日はなしに

──5月に予定されていたオートポリス戦の代替がツインリンクもてぎラウンドで2レース行なわれることになった。その経緯について教えてほしい。

坂東代表:平成28年熊本地震でお亡くなりになれらた方には謹んで哀悼の意を表明したい。また、引き続き地震による被害で避難を続けている方などにお見舞いを申し上げる。オートポリスは年内に再開で予定で、九州のファンの方にはぜひとも来年以降SUPER GTをお楽しみ頂きたいと思っている。

 ツインリンクもてぎのレースを2レースにしたのは、8戦というシリーズのラウンド数を維持したいというのは、我々だけでなく、チーム側もスポンサーとの契約という部分からもご希望をいただいていた。そこで予定どおり8戦を維持するとした時に、10月に予定されているタイ戦の前後は、機材の移動という意味で前後1カ月を計算に入れないといけない。このため、単独でどこかにレースを入れるというカレンダー的な余裕がなかった。そこで、GTAとエントラントで話し合い、タイヤメーカーの製造供給ということも考慮に入れると、最終戦に2レースという形がいいのではないかと話がまとまっていった。

──ウェイトハンデの運用などはどのような形になるのか?

坂東代表:ツインリンクもてぎの2レースでのウェイトハンデは異なることになる。土曜日はタイ大会が終わった時点のポイント×1kg、日曜日はウェイトハンデなしで戦う。このため、金曜日には公式練習を2回用意しており、それぞれウェイトを積んだ状態、積んでいない状態で走っていただく。なお、レースに関しては日没の関係もあるので、両方250kmという距離で行なう

GTA広報:FIAーF4に関しては、第5戦の富士で1レース、第8戦もてぎで1レースを追加する形で開催する。

WECを参考にしたフルコースイエロー、100号車に機材を積んでチェック

──イエローなどの状態を、参加車両のディスプレイに表示する仕組みを検討してると聞くが、事実か?

坂東代表:検討している。フルコースイエローはWECのやり方を参考にする。それをテストするために、100号車に機材を積んだりしてチェックしている。その通信には携帯電話の周波数を利用して、GPSを利用して車両がどこにいるのかなどをチェックすることなどをやろうとしている。最終的には、40台全部につけて、お客様がいる中でどうなるのかなどを確認していかないといけない。そのあたりが確認できれば、来年以降導入したいと考えている。セーフティーカーの導入とかごたごたがあった中で、ニュルブルクリンクの例なども参考にしながら、我が国の中でよいモノを模索していきたい。

セーフティーカー中にピットインができないルールはチーム戦略の範囲内、今は変えるつもりはない

──昨年菅生戦のファーストピットレーンの渋滞、第2戦富士でもセーフティカー中のピット作業の問題などがあったが、そういうことも影響しているのか?

坂東代表:あれは、8号車の動きに問題があったのではないか(笑)。第2戦の富士で46号車がセーフティーカー先導中に燃料が足りなくてピットに入った件、38号車がセーフティカー解除後に止まった件などには、エンジニアやチームの作戦で考えていたところが逆にでてしまったという話で、ほかの車両に起きていない訳で、作戦の問題。そこの部分を今のルールを変えるつもりはない。

──検討している新しい仕組みはフルコースイエローだけなのか、それともイエロー表示などもなのか?

坂東代表:両方検討している。ただし、ポストごとのイエローまでやるとなると、レース管制だけでなく、ポスト毎に対応する必要もでてくる。あるいは、セクターごとにするのか、それは今後も検討しなければいけない。

──そうした仕組みを導入することは、GTAが競技オフィシャルに入り込んでやることになるのか?

坂東代表:そのとおりだ。現状で日本のレースでは、オフィシャルはレースのオーガナイザーの配下にある。そこと、我々が導入する機械の連動を取らないといけない。将来的にはすべてのレースでコントロールタワーなどに固定されていた人間を連れていって、常時コントロールするそういう状態を作らないといけないと考えている。

36号車がモノコック交換、SUPER GTは負荷が大きい?

──今回のレースでモノコックを交換する車両がでていると聞く。ドイツのDTM車両との統合で導入されたモノコックだが、DTMに比べてSUPER GTでは負荷が大きいという意見もある。GTAとしてはこの状況をどのように考えているか?

坂東代表:今回36号車がモノコックに修復することが難しい問題があると確認されたので交換している。その代わり、このレースでペナルティを受けてもらう。モノコックに関しては、みなで決めた規則の中でやっている。ITRと統合という目標を実現するために、ITRと製造も一緒で接着剤も一緒だが、日本では東レさんが製造するという仕組みでやっている。技術だけを追いかけるのではなく、レースをやるための方法論、コストも安くしようという目的のために一緒にやっている、剛性云々の問題でなくて、エンジン、タイヤの性能はドイツより高いことは分かっていたが精査もして問題がないとしてこれでやっていきましょうと決定した。これまでも、修理をしたりして、ねじれ剛性を出すように各チームが工夫して同一のモノを使っている。

 もちろん3年持つモノと持たないモノがでてくるが、前に燃えた車両に関しては新しいモノコックを出したことはあるが、そういう状況の中で交換するとなればそれなりのペナルティを受けてもらうのは当然だ。その事態に遭遇したマニファクチャラの担当者が今になってなぜだと言ってるようだが、決めたときに言うべきことだと思っている。

司会:最後に坂東代表からのコメントを

坂東代表:1号車の独走が続いており、ここらあたりで誰かに止めてほしいと願っている(笑)。今日は本田技研工業の八郷社長がサーキットに来てくれている。そうした偉い人が常に見に来てくれるレースになってほしいと考えている。もちろんF1も大事だが、日本のレースを見に来てくれる日本の熱心なファンを大事にしてこそ、じゃあF1でもホンダを応援しようということになる。今F1もいいけど、SUPER GTもよろしくお願いしますと申し上げてきたところだ。SUPER GTをそういうレースにしていきたい。