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スズキ、新プラットフォーム「HEARTECT」で走りと燃費を両立させた新型「スイフト」発表会
「スイフト スポーツに匹敵する高い動力性能を実現」
2016年12月28日 00:00
- 2016年12月27日 開催
スズキは12月27日、今回のモデルチェンジで4代目となる新型コンパクトカー「スイフト」を発表。同日に都内で記者発表会を開催した。
2017年1月4日に発売となる新しいスイフトは、先代モデルでも採用した直列4気筒DOHC 1.2リッター自然吸気“デュアルジェットエンジン”のほか、同エンジンにモーター機能付き発電機「ISG(インテグレーテッド スターター ジェネレーター)」を組み合わせ、助手席下の専用リチウムイオンバッテリーに電気を蓄えて適宜走行をアシストする「マイルドハイブリッドシステム」、3月にデビューした「バレーノ」で初搭載した直列3気筒DOHC 1.0リッター直噴ターボ“ブースタージェットエンジン”の3種類をパワートレーンに設定。さらに軽量・高剛性な新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」を導入するなど全面的に商品内容を改めている。価格は134万3520円~184万5720円。このほか、新型スイフトのラインアップや概要などは関連記事「スズキ、新型『スイフト』を2017年1月4日発売」を参照していただきたい。
軽量化でスイフト スポーツに匹敵するトルクウェイトレシオを実現
発表会ではまず、スズキ 代表取締役社長(CEO兼COO)の鈴木俊宏氏が登壇。鈴木氏は「スイフトは個性的でスタイリッシュなデザインに、しっかりとしたハンドリングと高い走行性能を持ち合わせたスズキブランドを牽引するグローバルコンパクトカーです」とスイフトについて紹介。2004年11月の発売以来、世界各地で好評を博しており、世界累計販売台数が530万台を突破しているとアピールした。
鈴木氏は新型スイフトについて「スタイリングを大胆に進化させ、歴代のスイフトが磨き続けてきたハンドリング性能をさらに向上させるとともに、軽量化と高剛性を両立させた新プラットフォーム『ハーテクト』を採用いたしました。エンジンは1.2リッターの『デュアルジェットエンジン』と、1.0リッターの直噴ターボの2種類で、『マイルドハイブリッド』を搭載したタイプも用意しております」と語り、このほかにも、安全装備として「デュアルセンサーブレーキサポート」をスズキ車初採用するなど装備も充実させたことも紹介し、「すべての面で大胆な進化を遂げた」を新型スイフトを表現した。
このほかに鈴木氏は、これまで目標として掲げていた小型車の年間販売台数10万台を、12月22日の段階で突破したことを明かし、2017年は新型スイフトの市場投入を生かして最高記録の更新にチャレンジしたいと意欲を見せた。また、新型スイフトの海外市場への導入は来春以降とした。
新型スイフトの具体的な商品解説は、担当チーフエンジニアを務めた小堀昌雄氏が実施。小堀氏は4代目モデルとなる新しいスイフトの開発にあたり、既存モデルのスイフトやライバル関係にあるコンパクトカーの購入者にアンケートを行ない、購入時に重視した点と購入後に満足している点を評価として取りまとめた。
この結果、スイフトは「デザイン」「走り」が重視されて選ばれ、購入後に評価を受けていると分析。また、スズキではスイフトと同じBセグメントにバレーノをラインアップしているが、「ゆとりを求めたツアラー的な性格」のバレーノに対して、スイフトはデザインと走りにこだわることでパーソナルユースをメインとしたモデルとして位置付けている。
新しいスイフトでは開発のキーワードを「革新」と定め、「これまでのスイフトを超えるため、デザインと走りを革新させてまったく新しいスイフトを目指しました」と解説。デザインでは従来モデルの持つ“スイフトらしさ”やデザインDNAを継承しつつ、刷新すべき点については大胆に変更して存在感を発揮できるデザインとした。
具体的には、力強いショルダーライン、ブラックアウトしたAピラーによって左右を連動させる「ラップアラウンドウインドー」、車両前後にある縦基調の灯火類などを継承。こうした“スイフトのDNA”を元に、パワーユニットの力強さをイメージさせる大型のフロントグリル、躍動感を表現したフェンダーライン、ラップアラウンドウインドーをさらに進化させた「フローティングルーフ」といったデザイン要素で大きなイメージチェンジを実施している。
走行性能の面では、軽量・高剛性な新プラットフォーム「ハーテクト」の採用を最初に取り上げ、フロア部分となるアンダーボディでは先代スイフトから30kgの重量を削減。足まわりも全面刷新したことでリニアな操舵感覚はそのままに、優れたハンドリング特性としなやかな乗り心地を両立。サスペンションの各部で剛性を高めながら9kg軽量化を図った。さらに車体全体で高張力鋼板、超高張力鋼を効果的に利用して軽量化しつつ強度を確保。このほかにもさまざまな軽量化を積み重ね、先代モデルから車両全体で120kgの軽量化を達成している。
車両重量は最軽量モデルで840kg、一番重いモデルでも970kgと1.0t未満に抑えられており、これについて小堀氏は「1.0リッター直噴ターボエンジン搭載車のトルクウェイトレシオは、スイフト スポーツに匹敵する高い動力性能を実現している」と表現した。
このほかに先進安全技術では、車両だけでなく歩行者も検知できる「デュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)」が新型スイフトで初採用となったことを挙げ、中距離、長距離に強く歩行者も認識できる単眼カメラ、近距離や夜間などに強いレーザーレーダーを併用するDSBSにより、衝突被害軽減ブレーキ機能をはじめ、誤発進抑制、車線逸脱警報、ふらつき警報、先行車発進お知らせといった先進安全機能で乗員から周辺の人まで保護するほか、先行車や対向車などを検知してハイビームを自動的にロービームに切り替える「ハイビームアシスト機能」をスズキ車で初採用。さらに約40km/h~約100km/hの速度域で先行車に追従走行するアダプティブクルーズコントロール(ACC)などもXG以外のグレードにセットオプション設定している。
最後に小堀氏は「新型スイフトは、運転する歓びを感じていただくことを開発の中心に置きました。運転することの楽しさ、爽快さをこのスイフトで改めて感じていただけば幸いです」と解説を締めくくった。