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フォルクスワーゲン、SUV攻勢の第一弾モデル新型「ティグアン」発表会

スマホを接続するCar Play/Android Auto/MirrorLinkに全車対応

2017年1月17日 開催

新型ティグアン TSI R-Lineとフォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社 代表取締役社長 ティル・シェア氏

 フォルクスワーゲン グループ ジャパンは1月17日、2代目となるコンパクトSUV「ティグアン」を発売し、記者発表会を開催した。

 ティグアンは、全世界で264万台以上が販売されている5人乗りコンパクトSUV。日本においては2008年の導入以来、およそ8年ぶりのフルモデルチェンジとなった。

フォルクスワーゲン グループの2017年は積極的攻勢をかける年に

フォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社 代表取締役社長 ティル・シェア氏が登壇
フォルクスワーゲン Car-Netを使って車内から電話をかけ
車内でハンドルに付いたボタンをクリック
ティル・シェア社長が車内で電話にハンズフリーで応答して登場
フォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社 代表取締役社長 ティル・シェア氏

 発表会では、フォルクスワーゲン グループ ジャパン 代表取締役社長 ティル・シェア氏が、新型ティグアンに全車標準装備されるフォルクスワーゲンのモバイルオンラインサービス「フォルクスワーゲン Car-Net」を使って、かかってきた電話に車内で応答するというデモンストレーションをしながら登場した。

 そして、新型ティグアン紹介に先立ち、フォルクスワーゲンの世界と日本における新戦略についての紹介と2016年の振り返りがあった。

 シェア氏は「2016年は排ガス事件の影響が続き、フォルクスワーゲングループとしてチャレンジの多い1年でした。世界の地域別の販売実績では、ヨーロッパとアジア太平洋地域がもっとも重要な市場です。もっとも貢献したのが中国市場となりました。“TOGETHER-STRATEGY 2025”では、フォルクスワーゲン史上最大の変革をもたらします。従来型の自動車メーカーから、世界をリードする持続可能なモビリティプロバイダーへの転身を意味します。このグループレベルの枠組みのもと、フォルクスワーゲンブランドは、“TRANSFORM 2025+”という戦略を提言しました。“TRANSFORM”は体質を変えることです。“2025+”は2025年まで続く基盤作りであるということを意味しています。これは3つのフェーズに分かれています。フェーズ1は2020年まで、ここでは持続的に成長するための基礎を築きます。従来からある車両とパワートレーンは、先進技術により改良されます。SUVはより積極的に市場展開されます。新型ティグアンがその戦略の第1弾になります。段階的に2025年までのフェーズ2の準備も続けています。ここではe-Mobility時代の主要量産メーカーになることです。フォルクスワーゲンのミッションは未来を量産すること。夢を語らずに、計画を語ります。高品質の商品とサービスを気軽に楽しんでいただくことが大切です。“ピープルズカー”ブランドであるからです」と地域別の販売実績を振り返り、今後の世界戦略の方向性を紹介した。

世界の地域別の販売実績でもっとも貢献したのが中国市場
「TRANSFORM 2025+」戦略での3つのフェーズ
TRANSFORM 2025+のロゴ

 2016年の日本での活動については、「日本においての2016年はビジネスを考え直し、“Road to 2020”として2020年に向けてを考える貴重な1年でした。昨年からは基盤強化を図ってきました。“Think People”という傘のもと、顧客との新たなタッチポイントを作るさまざまな活動を行なってきました。顧客に寄り添うことを目標に、直接の対話に努めてきました。顧客のいる場所に、製品責任者、経理スタッフ、人事部長や私も含め、直接出向きました。お台場で開催し9500人のファンが集まったフォルクスワーゲンデイで、プロダクトやブランドの体験プログラムに参加して頂きました。初のオーナーズコミュニティを開催する場ともなりました。密接なコミュニケーションをとることで、ニーズや希望を適切に反映できるようになると思っています。また、豊橋本社も見学や体験のために解放しました。2016年はファンとの繋がりを強化することができました。新たな顧客との接点作りにも努めました。ショールームから外に出て、お客様と街中で会うことにしたのです。週末の“Try! Try! Try!”という移動ショールームと試乗のイベントを、昨年秋より全国18の場所で行ないました。主要都市だけでなく、福島県郡山市、山形県天童市のような場所でも開催したことは、とても好評でした」と振り返った。

「2017年は、やや静粛を保っていた期間を終え、より積極的なステージ2のステップに入ろうとしています。攻勢をかけることで、ステージ3では再びリーディングインポーターになることを目指します。販売実績ばかりではなく、輸入車市場においてトップの顧客満足度を目指すことを意味しています。おのずと販売台数もついてくるでしょう。新型モデルの導入を積極的に行ないます。新型ティグアンがその皮切りです。本年度導入予定の新モデルは、up!、そしてゴルフの改良版もパワートレーンのバリエーションを増やして登場します。ショールームの外に出る活動も継続強化します。合計10回のイベントを予定しています。現在65万ものフォルクスワーゲンオーナーとの関係を、“フォルクスワーゲン オーナーズ パス(VOP)”やカスターケアを通じて、より活性化していきます。フォルクスワーゲンへの最初のコンタクトから、初めてのフォルクスワーゲン車の購入、新たなフォルクスワーゲンへの買い替えまでを安心して楽しんでいただけます。“Road to 2020”最後のステージ3において、顧客満足度で輸入車市場をリードするブランドになろうとしています」と、今年の意気込みを語った。

日本における「Road to 2020」での3つのステージ。2017年は攻勢の年
お台場で開催し、9500人のファンが集まったフォルクスワーゲン デイ
豊橋本社も見学や体験のために解放
「Try! Try! Try! Volkswagen」。18都市でイベントを開催
2017年導入予定の新型モデル
会場に展示された6台の新型ティグアンをダンサーが踊りながら巡る。アクティブなユーザー層をイメージしたダンス

SUV攻勢の第1弾となる新型ティグアン

 積極的に市場投入していくとするSUVの口火を切るのが、この日に発売した新型ティグアンとなる。ドイツでは2016年春から、順次ヨーロッパ諸国で販売が開始されている。ティグアンのロングホイールベース仕様が、1月にデトロイトショーで披露されていて、まもなく投入される予定になっている。

 ボディサイズは、4500×1840×1675mm(全長×全幅×全高)で、先代よりも全長が70mm、全幅が30mm拡大し、全高は35mm低く、ワイド&ローなスタイリングで水平基調のデザインとなっている。ホイールベースは2675mmと従来モデルより70mm延長され、室内長では26mm、後席足下スペースでは29mmのゆとりを生んでいる。後席の前後スライド幅は180mmあり、ラゲッジスペースは、後席を一番前にスライドした状態で前モデルより145L広い615Lに拡大された。

 この伸びやかなボディは、自由度の高い設計が可能な「MQB(Modulen Quer Baukasten/モジューラートランスバースマトリックス)」と呼ぶ生産モジュールを使った恩恵で、ボディが拡大されながらも重量増を抑えている。MQBモデルの日本投入は「ゴルフ」「ゴルフ ヴァリアント」「ゴルフ トゥーラン」「パサート」に次ぐ第5弾となる。

 日本仕様ではすべて前輪駆動で、パワートレーンは直列4気筒DOHC 1.4リッターターボのTSIエンジンに6速DSGが組み合わされている。最高出力は、150PS/5000-6000rpm、最大トルクは250Nm/1500-3500rpm。先代より最高出力は抑えられているが低回転の1500rpmから3500rpmまでフラットに発生するトルクが10Nm強化されていて、ストップ&ゴーの多い街中で走りやすい。JC08モード燃費は先代の14.6km/Lから16.3km/Lと10%アップしている。気筒休止システムの「ACT」とアイドリングストップ機能の「Start&Stopシステム」、ブレーキエネルギー回生システムが付いた「ブルーモーションテクノロジー」を装備している。

 グレードは「TSI コンフォートライン」「TSI ハイライン」「TSI R-Line」の3種。ボディカラーは6色展開。

ボディカラーは6色の展開。オリックスホワイト マザーオブパールエフェクトのみ有償オプション(6万4800円高)
モデルエンジン変速機駆動方式価格
TSI コンフォートライン直列4気筒DOHC 1.4リッターターボ6速DSG2WD(FF)3,600,000円
TSI ハイライン4,332,000円
TSI R-Line4,632,000円
新型ティグアン TSI R-Line。タングステンシルバーメタリック(K5)
TSI R-Lineのタイヤサイズは255/45 R19
新型ティグアン TSI R-Line。オリックスホワイト マザーオブパールエフェクト(0R)。このボディカラーのみ有償オプション
新型ティグアン TSI ハイライン。ナッツシェルブラウンメタリック(U3)。オプションのルーフボックス付き
こちらはオプションのアルミホイール「カプシュタッド」を装着。タイヤサイズは235/45 R20
新型ティグアン TSI ハイライン。カリビアンブルーメタリック(F9)
こちらがTSI ハイラインの標準ホイール。タイヤサイズは235/55 R18
TSI ハイラインの運転席まわり
TSI ハイラインにてレザーシートは「レザー&パノラマルーフ」パッケージを選択すると付く
TSI R-Lineは専用ファブリックシートでR-Lineのロゴ入り
TSI ハイラインにてレザーシート「サフラノオレンジレザー」の内装
シフトレバー周辺
ナビ付き純正インフォテイメントシステム。TSI ハイライン以上が「Discover Pro」、TSI コンフォートラインでは「Composition Media」になる
TSI ハイライン以上に装備されるデジタルメーター「アクティブインフォディスプレイ」。中央にはナビ情報なども表示される
「サフラノオレンジレザー」の後部座席。足下スペースには余裕がある
シートバックにはテーブルが付いている
後部座席用のコンソール。シガーソケットとUSB充電ポートがある
先代より容量が拡大された分割可倒式ラゲッジスペース。助手席はフラットになり、長尺物の積載も可能
直列4気筒DOHC 1.4リッターターボのTSIエンジンはコンパクト
TSI ハイライン以上はLEDヘッドライトが標準装備
LEDヘッドライト点灯時。LEDヘッドライトにはオプションで眩惑を自動で防ぐ「ダイナミックライトアシスト」を付けることができる
フロントフォグランプは全モデル標準装備
TSI ハイライン以上はLEDリアコンビネーションランプが標準装備
LEDリアコンビネーションランプ点灯時
LEDウインカー付きのドアミラー。夜間乗降時にはミラー下部をランプが照らす
TSI R-Lineのサイドエンブレム
TSI R-Lineはホイールエクステンションやサイドスカートなども付く
TSI R-Lineのリアスポイラー
レインセンサー、レーンキープ用カメラ。右はTSI ハイライン以上で標準装備のETC2.0車載機用センサ
オプションのヘッドアップディスプレイ

 新型ティグアンは、トップクラスの先進安全性技術も多数採用する。全グレードに装備される主な安全装備は、全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロール、駐車支援システム、ドライバー疲労検知システム、リアビューカメラ、アラウンドビューカメラ、パークディスタンスコントロール、オプティカルパーキングシステム、プリクラッシュブレーキシステム、ブレーキアシストと多彩だ。

 レーンキープアシストシステム、渋滞時追従支援システム、レーンチェンジアシストシステム、リアトラフィックアラートは、TSI ハイライン以上に装備していて、TSI コンフォートラインにはオプションのセーフティパッケージで対応する。二次被害防止のための、アクティブボンネットやポストコリジョンブレーキシステムも全グレードで装備している。

 また「つながるSUV」と称して、全グレードで「フォルクスワーゲン Car-Net」を装備。その中の「App-Connect」を利用して、手持ちのスマートフォンを繋ぎコントロールが可能になる。iOSスマホではApple「Car Play」を、Androidスマホでは、Google「Android Auto」と「MirrorLink」の接続に対応している。純正インフォテイメントシステムから利用し、TSI ハイライン以上がナビ付きの「Discover Pro」、TSI コンフォートラインではMP3/WMA、CDプレーヤー、ラジオの「Composition Media」にて対応する。

 さらに、純正インフォテイメントシステムの「Discover Pro」では、Wi-Fiでスマホのテザリングやモバイルルーターを接続することで専用サーバーと通信し、ナビの検索機能などを高めるテレマティックス機能も追加された。オンラインVICS交通情報やGoogleのストリートビューとアース、ガソリンスタンド、駐車場、ニュース、天気などの情報検索ができるほか、パソコンで検索した目的地やルートなどの情報を100件までインポートすることも可能。この「Guide&Inform」サービスは登録から3年間無償サービスが受けられる。

全グレードでフォルクスワーゲン Car-Netを装備
Apple Car Playに対応
Google Android Autoに対応
MirrorLinkに対応
Car Playの操作イメージ。iPhoneをクルマのディスプレイから操作できる
純正インフォテイメントシステムの通信機能を使ってのオンラインVICS交通情報
ガソリンスタンドの料金検索などもできる
コンパクトSUV 「ティグアン」発売