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【ル・マン24時間 2017】独走を続けていた1号車 ポルシェ 919 Hybridがリタイヤ。2位だったLMP2の38号車 オレカ07・ギブソンがトップに浮上
2号車 ポルシェ 919 Hybridが2周差で追い上げる
2017年6月18日 19:30
- 2017年6月17日~18日(現地時間) 決勝開催
フランスのル・マン市にあるサルト・サーキットで行なわれている、世界三大レースの1つとなるル・マン24時間レース。6月17日 15時(現地時間、日本時間6月17日 22時)にスタートが切られたレースは、現地時間の正午を過ぎて残り3時間となっている。
昼を迎える前、サーキットには衝撃が走った。LMP1の中で唯一トラブルフリーで生き残り、2位以下に13周差をつけて独走していた1号車 ポルシェ 919 Hybrid(ニール・ジャニ/アンドレ・ロッテラー/ニック・タンディ組)が、ユノディエールストレートに入る前のテルトルルージュあたりで突然スローダウン。ドライバーを務めていたアンドレ・ロッテラー選手は、エンジンの再起動や、バッテリーだけの走行でピットを目指すが、6kmに及ぶユノディエールストレートをよろよろと走った後で停止し、修復を試みたが、結局リタイアになってしまった。
それによりトップに浮上したのは38号車 オレカ07・ギブソン(ホー・ピン・タン/トーマス・ルーレント/オリバー・ジャービス組)。同車は下位クラスのLMP2クラスのトップで、仮に同車が勝つことがあれば、1980年にロンド-チームが勝って以来のプライベートチームの優勝となる。2位はスタート直後のアクセルトラブルで1時間半近く停まっており、一時は60台中の57位まで下がった2号車 ポルシェ 919 Hybrid(ティモ・ベルンハルト/アール・バンバー/ブレンダン・ハートレー組)。57位から2位まで追い上げており、現在トップの38号車を2周差で追いかけている。
13周もリードしていた1号車 ポルシェ 919 Hybridがトラブルでミュルサンヌで停止
サーキット全体に1号車 ポルシェ 919 Hybridの楽勝ムードが漂っており、観客も関係者も1号車ポルシェの表彰台をどのように祝うかということに気持ちが向きつつあるなか、快調に走っていたに見える1号車 ポルシェ 919 Hybridがダンロップブリッジの先にある6kmのストレートであるユノディエールの前にあるテルトル・ルージュで突如スローダウンしている姿が場内のモニターに映し出されると、サーキットには衝撃が走った。
その後、1号車 ポルシェ 919 Hybridをドライブするアンドレ・ロッテラー選手は、懸命にシステムのリセットやバッテリーだけでの走行などを行なうが、ユノディエールを走りきった先にあるミュルサンヌコーナーで、クルマは完全に停止。その後もロッテラー選手は修復を試みるが、結局再びクルマを走らせることができず、12時前にリタイヤになったことが確認された。
これによりトップに上がったのは、ジャッキー・チェンが出資したことでも知られている、ジャッキー・チェン・DCレーシングの38号車 オレカ07・ギブソン(ホー・ピン・タン/トーマス・ルーレント/オリバー・ジャービス組)。同車はル・マンでは2番目のクラスとなるLMP2クラスのトップだが、LMP1の車両が次々とトラブルにより脱落していったことで、ついに総合首位に上がることになった。
1周につき8秒早いLMP1の2号車ポルシェが、トップを走るLMP2の38号車 オレカ07・ギブソンを追い上げる
しかし、このまま同車が勝てるかとというと、そうでもない。現在の2位は、2号車 ポルシェ 919 Hybrid(ティモ・ベルンハルト/アール・バンバー/ブレンダン・ハートレー組)。2号車 ポルシェ 919 Hybridは、スタート直後にアクセルトラブルが発生し、1時間半近く停まっており一時期はトップとは18周差の57位(60台中)と、リタイアした車両を除けばほぼ最下位まで落ちていた。そこから追い上げて2位になっている。
LMP1の2号車 ポルシェ 919 Hybridは、LMP2の38号車 オレカ07・ギブソンに比べて1周で8秒速く、かつ燃料タンクもLMP1は14周、LMP2は10周となっており、トップの38号車の方がピットストップが多くなると考えられるので、残り3時間での逆転は十分に可能な状況だ。
現在2号車 ポルシェ 919 Hybridは、猛烈な追い上げを行なっており、2号車がLMP2の38号車を逆転するのは確実だが、今回はLMP1の車両すべてに何らかのトラブルが降りかかっており、1号車も突然止まってしまったことを考えれば、2号車が飛ばしていると何らかのトラブルが発生する可能性はある。残り3時間、ビッグレースになりそうな予感がサーキットに漂っている。