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南の島に自動運転バスが走る。鶴保大臣も出席して、新石垣空港~石垣港離島ターミナル路線の出発式
観光客も利用可能な自動運転バスをSBドライブと先進モビリティで運行
2017年6月25日 16:21
- 2017年6月25日 開催
6月25日、石垣港離島ターミナルにおいて自動運転バスの出発式が開催された。この自動運転バスは、自動運転技術を研究・開発する先進モビリティと、ソフトバンクグループのSBドライブが内閣府の推進する戦略的イノベーション創造プログラム「自動走行システム」(SIP-adus[Automated Driving for Universal Service])から委託されて実証実験を行なっているもの。
3月20日~4月2日に沖縄県南城市で約1kmの公道走行実証実験を行なっているが、今回は新石垣空港~石垣港離島ターミナルを結ぶ約16kmの走行ルート、しかも多くの一般車が走る石垣島のメインルートになる。
今回の出発式において、鶴保庸介 内閣府特命担当大臣(沖縄および北方対策、科学技術政策、情報通信技術政策など担当)は、渋滞対策のためにバスなどの公共交通機関は大切として上で、これが自動運転になれば大変な力になるのではないかという。この石垣島で実施する自動運転バスの実証実験は、「約16kmの交通量が多いメインルートで実施する」とその長さを強調、技術面において交通量の多い面ルートで実施することに技術チャレンジがあるとし、「これほどの交通量の多いところで一般の方々に乗ってもらうのは初めてとなる」とその意義を強調した。
今回の自動運転バスの実証実験にはRTK-GPSを用いて位置決めなどをしているが、将来構想についても紹介。「この8月12日に準天頂衛星のみちびき3号を打ち上げる」と3基目の準天頂衛星の打ち上げ日を紹介。3つめの準天頂衛星が打ち上げられることで24時間準天頂に衛星が存在することになり、「1.5cmの誤差の位置情報システムが日本で完成する」と精度面を強調。このみちびきのサービスインは来年度中としながら、準天頂衛星がそろうことで、自動運転の精度が上がることに期待した。
最後に自動運転バスについては、沖縄が自動運転バスを使った地方創生のモデルとなるよう進めていくとし、自動運転バスの運行を内閣府から委託されている先進モビリティ、SBドライブに謝辞を述べた。
続いて登壇した中山義隆 石垣市長は、石垣市はクルマが多く交通渋滞解消が喫緊の課題と紹介。新石垣空港の開港に伴い、観光客が年々増加。昨年度は過去最高の124万人が訪れ、今後さらに増えることが見込まれていることから、自動運転バスの導入などに期待しているという。
また、鶴保大臣が紹介した準天頂衛星についても触れ、石垣島には準天頂衛星の追跡システムが設置されており、新しい技術革新を歓迎。今回の一般客も含めた乗車モニターを実施するバスの実証実験が実り多いものになることへの期待を語った。
地元沖縄出身の衆議院議員 西銘恒三郎氏も挨拶に立ち、この長距離で行なわれる自動運転バスの実証実験について、「観光客の方々乗っていただいて実証実験を行なうことは、全世界に発信できるのではないか」と、その高い意義について語った。
一般観光客も乗ることができる自動運転バス
自動運転バスの出発にあたっては、石垣港離島ターミナルでテープカットを実施。テープカット後、鶴保内閣府特命大臣はじめ関係者が1便に乗り込んでいった。
報道陣は2便以降での乗車となり、通常とは異なる短縮ルートで試乗を実施。信号機との連動実験などの説明が行なわれた。
この自動運転バスは、新石垣空港~石垣港離島ターミナルの間を6月26日~7月8日の期間運行する。観光客を含め一般利用も可能で、申し込みは葉書およびインターネットから。インターネットによる申し込みは、乗車日の2日前までに、SBMGRP-drivetest@g.softbank.co.jp まで。1回の応募は2名までとなっている。
そのほか、当日空きがあれば試乗することが可能。時刻表は下記のとおりとなるので、タイミングが合うようならバス停で待ってみるのもよいだろう。
離島ターミナル発 新石垣空港行き
離島ターミナル~白保小前~新石垣空港
1便:10時00分~10時30分~10時45分
2便:12時00分~12時30分~12時45分
3便:14時00分~14時30分~14時45分
4便:16時00分~16時30分~16時45分