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佐藤琢磨選手、鈴鹿サーキットで小学生レーサー40名にカートをレッスン
「グリコ×With you Japan“TAKUMA KIDS KART CHALLENGE 2017 FINAL”」
2017年11月6日 20:18
- 2017年11月3日 開催
レーシングドライバーの佐藤琢磨選手が主催する小学生を対象にしたカートイベント「グリコ×With you Japan“TAKUMA KIDS KART CHALLENGE 2017 FINAL”」が11月3日、鈴鹿サーキット(モートピア内・アドバンスカート)において開催された。
イベントの開会式には、イベントをサポートするグリコの製品を積載した「グリコワゴン」が用意され、グリコワゴンの周囲に集まった子供たちの前に、琢磨選手が本田技研工業のスポーツカー「NSX」に乗って登場した。
2017年で5年目の開催を迎える“TAKUMA KIDS KART CHALLENGE”は、東日本大震災の復興を応援すべく2011年にスタートした琢磨選手主催の復興地応援プロジェクト“With you Japan”が「モータースポーツの楽しさを通じて復興を応援しよう!」と、カートを通じて全国の子供たちが触れ合うことを目的として立ち上げたもの。
イベントの参加条件は身長115cm以上の小学生が対象で、当日は全国10カ所の対象サーキットで行なわれたタイムトライアルの上位者となる小学生40名が参加。会場には10台のカートが用意され、10人4組に分かれて、練習走行、予選、決勝レースとスケジュールは進行した。
9時からスタートしたイベントは午前中に練習走行が実施された。琢磨選手は、参加した子供たちと一緒にコースを走って速く走るための走行ラインを示すなどアドバイスを行なうとともに、コースイン時にはラインをまたがない、スピンをしたときには後続車に手を降って合図をするといった、サーキットを走行するためのルールを実践する重要性を説いた。
練習走行終了後、琢磨選手は「今日は走行だけでなく、正しいマナーも身に着けるよう、お弁当をもらったら“ありがとうございます”、食べる前には“いただきます”、しっかり食べて“ごちそうさま”をしたら、ごみも自分で片づけるように」と、スポーツマンとして求められるマナーについて強調した。
お昼の休憩後、予選前のブリーフィングでは、琢磨選手が予選でタイムを出すためのコース解説を実施。「予選で重要なのは1周を速く走ること、前につっかえてしまったらもったいない。2~3秒くらいちょっと離れてから追いかけるというのも1つの手」「相手のことを一番に思って、お互いのラインを開けて走ってくれたらうれしい」などと子供たちにアドバイスした。
午後は予選のタイムアタックが行なわれ、午前中の練習走行の成果なのか、全体的に流れがスムーズ。子供たちはコースイン時に手を上げて合図を示すなど、午前中に行なわれた琢磨選手のアドバイスが生きているように感じた。そしてその後イベントは、タイムアタックの上位10名による決勝レースが行なわれ、締めくくりに琢磨選手によるカートデモ走行が披露された。
イベントでは、速く走るためのテクニックだけを教えるのではなく、スポーツマンとして求められるルールを守ることや社会常識としてのマナーを身につけようと強調していたのが印象に残った。
同イベントについて琢磨選手は「速く走るだけではなく、スポーツマンらしく、きちんといろんなこと対して考えを持って、自分で行動できる力を養ってもらいたいです。モータースポーツはスピードがあり、道具を使うスポーツなので、ルールをしっかり守らないと危険です。集中して話を聞いて、スポーツマンとして相手のこと思いやりながら、なおかつ速く走る、そういう気持ちを養ってほしいと思っています。ですから子供たちには、しっかりと挨拶から始まり、いつも以上に元気に楽しんでほしい」と、その考えを述べた。
なお、今回の決勝レースに出場した10名の選手は、11月11日~12日に開催される特別レッスンプログラム“TAKUMA KIDS KART CHALLENGE ACADEMY“へ参加することができる。今度はレンタルカートではなく本格的なレーシングカートに乗って、琢磨選手から直接指導を受けらるプログラムとなっている。